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31.予定より急がなくては
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「無理じゃなくなる?」
「ビクトールが気付いているかどうかは分からない。多分今は気付いていないと思うけど、ビクトールがターンブリー侯爵になったらそれと同時に父親の名前と同じネイサンに改名するの。
そうすると、書類上は貿易会社『Stare』の社長になれる。役員達が気付いても全員が揃って社長を罷免するまでならなんでもできるから、社長権限で資産を動かせばいいの」
設立者の威光を笠に着てターンブリー侯爵とプリンストン侯爵がそのままにさせている悪癖のようなもの、ターンブリー侯爵が資金を勝手に流用したりプリンストン侯爵が役員決議のない契約に大金を注ぎ込んで失敗したりで大騒ぎになったことが過去に何回もある。
「ターンブリー侯爵は今回はまだやってないの。もう一回それをやったら役員会で罷免される危険があるから、やりたくてもやれないって感じね」
プリンストン侯爵を追い出そうとしている今、自分が追い出される愚行は犯せない。
「なんでそんな馬鹿げた悪習を残してるんですか?」
「あの2人は今でも貿易会社は自分達のものだと思ってるの。建前としては役員決議が降りる前に商機を見逃さないためとか言ってるけれど、本当のところは自分達の勝手にさせろってとこかしら。
小さな商会や個人でやっている投機と同じように考えてるから、役員にお伺いを立てるなんてプライドが許せないのだと思うわ。
もしこれをビクトールが知ったら貿易会社は大打撃を受けて、どれだけの被害になるか想像もつかない」
資金の移動だけでなく積荷を勝手に売買されれば補償問題と賠償金。船や商館を売り払われたら会社が立ち行かなくなる。
(社長権限だと言われたらなんでもできる文言を入れた定款を盾にされたら、会社の金庫にある現金の他に登記簿や株式なんかの全てを持ち出せる。それをビクトールに教える馬鹿がいない事を祈るわ)
「⋯⋯バレたら役員決議が出るまでの社長職なんだし、奴なら後の事なんて考えずにやるかもしれませんね」
「費用はいくらかかってもいいから、紋章院に伝手がないか探してくれるかしら? ビクトールが紋章保持の変更届を出したら知りたいの。ビクトールの頭では思いつかないと思うから、やるなら誰か知恵を貸す人がいるはず。
いつ誰が出したのか知らなくて間に合わなかったっていうのだけは避けなくちゃ」
子供達が婚約していると言ってもそれは表向きのことで、内心では相手を排除したいと両家共が考えている。婚約はそれまでの保険のようなもの。
ビクトールが本当に紋章印を悪用しようとしているのかどうかは不明だが、ターンブリー侯爵に問い合わせるのは危険かもしれない。
(プリンストンは役員が2人でターンブリーはひとり。家庭内紛争を狙ってるとか言われるのがオチかも。今、下手な動きをして調べられたら身動きが取れなくなってしまうもの)
「ビクトールが婚約破棄を言い出すのなんて待ってられないかも。もしビクトールが侯爵家を乗っ取るよう動いたら、速攻で婚約破棄の言葉を口にさせてやるわ」
その日からハーヴィーの資料と自身の資料の突き合わせを行った。最後に話し合ってからハーヴィーの資料にもいくつかの重要な情報が追記されていた。
既に大凡の見当はついている。出来れば現地に行って調査したいと思っていたが次の長期休暇までは待てそうにない。
(最低でも脱税では叩けるから、それを足場にして内部調査に持ち込めれば⋯⋯。不確かな部分はあるけれど密輸自体も間違いない)
両家が立ち上げた貿易会社『Stare』は表向きは綿織物・絹織物・陶磁器・銀などを輸出し香辛料や砂糖を輸入、各地の産物・商品の中継貿易でも利益を上げている。
扱っている香辛料は胡椒・丁字・シナモン・ナツメグ・カルダモン・ジンジャー・乳香・白檀などがあり、香辛料の輸入量では国内トップをキープし続けている。
プリンストンとターンブリーが行っている問題の取引のひとつは銃・火薬・硫黄・硝石の密売で、特に硝石は入手が困難な為高額で取引されていた。
(私達が調べることができた帳簿の状況からするとお父様は会社の設立前から密売してたはず。相手先はこの国と敵対している隣国、シャルセント王国で、以前に比べて量は減っているけれど今でも続いてる)
隙を狙って作った合鍵で父親の執務室に入り帳簿を書き写すと同時に何枚かの取引の証明書⋯⋯連絡先が書かれたらしいメモや受領書、領収書の控えを抜き取っている。
会社を設立した後暫くしてから、奴隷海岸として有名なダベナント王国のギニアリアに停泊し銃・火薬を売り奴隷を購入、砂糖プランテーションの中心地サン・ダマングスで奴隷を売り貴金属・粗糖等を購入。
(侯爵達は茶やコーヒーの消費が急激に増加して、砂糖プランテーションで使う奴隷の大量供給が不可欠となったなった事に目をつけたんだと思う。この国は奴隷売買には関わってはならないと決められてるのに⋯⋯)
取引には現地の物産以外に為替手形も使用されていた。手形の振出人を調べると奴隷販売専門の奴隷ファクターと呼ばれる現地在住の販売代理人だった。
(侯爵達のサインの入った書類が見つかってないから、会社は叩けても侯爵2人は関与を否定するかも。侯爵達にバレる前に屋敷の強制捜査をして証拠を抑えてもらうしかない)
他国では国を挙げて奴隷売買を行っている所もある。奴隷狩りが横行する国で安く買い叩き船に押し込んで運べば、大規模プランテーションで奴隷を使い潰す国がいくらでも買い取ってくれる。
通常の商取引よりも多額の利益が見込めるが、この国では非人道的な行為だとして禁止されている。
奴隷売買に気付いたのは購入した商品の数と販売された商品の差異が大きかった事。
『商品が4種類だけ⋯⋯商品名のBMとかBWってなんの意味か分かる?』
『ねえ、あの人達がこれ程リスキーな商品を取り扱うなんて怪しくない?』
(あの時奴隷手形を抜き取れていれば⋯⋯)
その他にも両家の収益の金額と日付けが大きくずれている事も気になっている。
(どちらかが主導しているんじゃなくて、共同で行なっている悪事と個別にやってる悪事⋯⋯お互いに隠している取引がまだあるという事かも)
集めた資料を整理し第二騎士団か裁判所に提出する準備を終わらせたライラはビクトールとの婚約破棄作戦を進める事に決めた。
(ここ数日ビクトールが妙に大人しくて気持ち悪いから、少し煽ってみようかしら)
「ビクトールが気付いているかどうかは分からない。多分今は気付いていないと思うけど、ビクトールがターンブリー侯爵になったらそれと同時に父親の名前と同じネイサンに改名するの。
そうすると、書類上は貿易会社『Stare』の社長になれる。役員達が気付いても全員が揃って社長を罷免するまでならなんでもできるから、社長権限で資産を動かせばいいの」
設立者の威光を笠に着てターンブリー侯爵とプリンストン侯爵がそのままにさせている悪癖のようなもの、ターンブリー侯爵が資金を勝手に流用したりプリンストン侯爵が役員決議のない契約に大金を注ぎ込んで失敗したりで大騒ぎになったことが過去に何回もある。
「ターンブリー侯爵は今回はまだやってないの。もう一回それをやったら役員会で罷免される危険があるから、やりたくてもやれないって感じね」
プリンストン侯爵を追い出そうとしている今、自分が追い出される愚行は犯せない。
「なんでそんな馬鹿げた悪習を残してるんですか?」
「あの2人は今でも貿易会社は自分達のものだと思ってるの。建前としては役員決議が降りる前に商機を見逃さないためとか言ってるけれど、本当のところは自分達の勝手にさせろってとこかしら。
小さな商会や個人でやっている投機と同じように考えてるから、役員にお伺いを立てるなんてプライドが許せないのだと思うわ。
もしこれをビクトールが知ったら貿易会社は大打撃を受けて、どれだけの被害になるか想像もつかない」
資金の移動だけでなく積荷を勝手に売買されれば補償問題と賠償金。船や商館を売り払われたら会社が立ち行かなくなる。
(社長権限だと言われたらなんでもできる文言を入れた定款を盾にされたら、会社の金庫にある現金の他に登記簿や株式なんかの全てを持ち出せる。それをビクトールに教える馬鹿がいない事を祈るわ)
「⋯⋯バレたら役員決議が出るまでの社長職なんだし、奴なら後の事なんて考えずにやるかもしれませんね」
「費用はいくらかかってもいいから、紋章院に伝手がないか探してくれるかしら? ビクトールが紋章保持の変更届を出したら知りたいの。ビクトールの頭では思いつかないと思うから、やるなら誰か知恵を貸す人がいるはず。
いつ誰が出したのか知らなくて間に合わなかったっていうのだけは避けなくちゃ」
子供達が婚約していると言ってもそれは表向きのことで、内心では相手を排除したいと両家共が考えている。婚約はそれまでの保険のようなもの。
ビクトールが本当に紋章印を悪用しようとしているのかどうかは不明だが、ターンブリー侯爵に問い合わせるのは危険かもしれない。
(プリンストンは役員が2人でターンブリーはひとり。家庭内紛争を狙ってるとか言われるのがオチかも。今、下手な動きをして調べられたら身動きが取れなくなってしまうもの)
「ビクトールが婚約破棄を言い出すのなんて待ってられないかも。もしビクトールが侯爵家を乗っ取るよう動いたら、速攻で婚約破棄の言葉を口にさせてやるわ」
その日からハーヴィーの資料と自身の資料の突き合わせを行った。最後に話し合ってからハーヴィーの資料にもいくつかの重要な情報が追記されていた。
既に大凡の見当はついている。出来れば現地に行って調査したいと思っていたが次の長期休暇までは待てそうにない。
(最低でも脱税では叩けるから、それを足場にして内部調査に持ち込めれば⋯⋯。不確かな部分はあるけれど密輸自体も間違いない)
両家が立ち上げた貿易会社『Stare』は表向きは綿織物・絹織物・陶磁器・銀などを輸出し香辛料や砂糖を輸入、各地の産物・商品の中継貿易でも利益を上げている。
扱っている香辛料は胡椒・丁字・シナモン・ナツメグ・カルダモン・ジンジャー・乳香・白檀などがあり、香辛料の輸入量では国内トップをキープし続けている。
プリンストンとターンブリーが行っている問題の取引のひとつは銃・火薬・硫黄・硝石の密売で、特に硝石は入手が困難な為高額で取引されていた。
(私達が調べることができた帳簿の状況からするとお父様は会社の設立前から密売してたはず。相手先はこの国と敵対している隣国、シャルセント王国で、以前に比べて量は減っているけれど今でも続いてる)
隙を狙って作った合鍵で父親の執務室に入り帳簿を書き写すと同時に何枚かの取引の証明書⋯⋯連絡先が書かれたらしいメモや受領書、領収書の控えを抜き取っている。
会社を設立した後暫くしてから、奴隷海岸として有名なダベナント王国のギニアリアに停泊し銃・火薬を売り奴隷を購入、砂糖プランテーションの中心地サン・ダマングスで奴隷を売り貴金属・粗糖等を購入。
(侯爵達は茶やコーヒーの消費が急激に増加して、砂糖プランテーションで使う奴隷の大量供給が不可欠となったなった事に目をつけたんだと思う。この国は奴隷売買には関わってはならないと決められてるのに⋯⋯)
取引には現地の物産以外に為替手形も使用されていた。手形の振出人を調べると奴隷販売専門の奴隷ファクターと呼ばれる現地在住の販売代理人だった。
(侯爵達のサインの入った書類が見つかってないから、会社は叩けても侯爵2人は関与を否定するかも。侯爵達にバレる前に屋敷の強制捜査をして証拠を抑えてもらうしかない)
他国では国を挙げて奴隷売買を行っている所もある。奴隷狩りが横行する国で安く買い叩き船に押し込んで運べば、大規模プランテーションで奴隷を使い潰す国がいくらでも買い取ってくれる。
通常の商取引よりも多額の利益が見込めるが、この国では非人道的な行為だとして禁止されている。
奴隷売買に気付いたのは購入した商品の数と販売された商品の差異が大きかった事。
『商品が4種類だけ⋯⋯商品名のBMとかBWってなんの意味か分かる?』
『ねえ、あの人達がこれ程リスキーな商品を取り扱うなんて怪しくない?』
(あの時奴隷手形を抜き取れていれば⋯⋯)
その他にも両家の収益の金額と日付けが大きくずれている事も気になっている。
(どちらかが主導しているんじゃなくて、共同で行なっている悪事と個別にやってる悪事⋯⋯お互いに隠している取引がまだあるという事かも)
集めた資料を整理し第二騎士団か裁判所に提出する準備を終わらせたライラはビクトールとの婚約破棄作戦を進める事に決めた。
(ここ数日ビクトールが妙に大人しくて気持ち悪いから、少し煽ってみようかしら)
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