【完結】私なりのヒロイン頑張ってみます。ヒロインが儚げって大きな勘違いですわね

との

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66.罪を犯した者達

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「手伝ってくれてありがとうとか?」

「まだ調査中だろ? だったらそれはまだ早いと思うよ」



 夜会での断罪劇が終わってまだ2週間。


 アメリアの指示でセアラに毒を盛ろうとしたローランドは10年の兵役、ジーニアとユリスは5年間女子修道院に送られることとなった。
 刑が軽すぎると言うものもいたが、彼等は親世代の派閥争いに巻き込まれ追い詰められたり断れなかったりしたのではないかと言うセアラ被害者の意見で確定した。

『男性で10年、女性で5年ならその後やり直しがきくもの』


 アメリアの指示でセアラに怪我をさせたデボラ・セラカム子爵令嬢は平民となり国外追放になった。ルークを紹介して欲しいが為に犯行を行い、その後も反省の色なく『ルークとの婚約は確定した』と吹聴していた為重い罪が課せられた。


 アメリアは反省の気配はなく貴族牢の中でも騒ぎ立てている。

『こんなの食事じゃないわ!!』
『リチャードはまだ!? なんで迎えにこないのよ!!』
『国王を呼びなさい! 私が言い聞かせてやるわ!!』

 今後悔悛の可能性なしと判断され女子修道院に送られると決まったが、ある朝血を吐き苦悶の表情を浮かべ亡くなっているのが発見された。


 レトビア公爵は未だ貴族牢に幽閉されている。公爵邸から見つかった資料の中には長年に渡る不正や横領の証拠、他派閥に対する犯罪行為などの記録も含まれており調査は長期戦の様相を呈している。
 夜会で密約について口をつぐんだ公爵は王家に対して『貸し』を作ったと勘違いしている節があり横柄な態度を取り戻していた。

『一体いつまでかかるのかね』
『陛下に連絡をしてくれたまえ。直接話がしたいとな』

 が、アメリアのが伝えられるとガタガタと震えだし取り調べにも従順に返答するようになった。

 レトビア公爵の処罰はアメリアのようにあっさりと終わらせるつもりはない王家はじわりじわりと公爵を追い詰めていた。





 ウルリカはアリエノールが休学している今は生徒会長を兼任しており、セアラとルークがウルリカの仕事を手伝っている。ローランドの代わりとしてミレニア・イーディス子爵令嬢が書記秘書に任命された。

『一生懸命頑張ります!』

 元気一杯のミレニアは婚約者のナダルを顎で使いながら毎日生徒会室にやって来る自称セアラ親衛隊。


 剣技大会ではルークが圧倒的強さで優勝し、準優勝はケールズ騎士学校2年生のマーカス・シルバン、三位はサワシリア学園3年生のイーサン・ホズウェルとなった。

 大会後ルークの人気はうなぎ登りで、休憩時間や放課後には他クラスの生徒や上級生が廊下に集まってくる。無遠慮に話しかけてくる輩には体格を活かした威圧を放ち、プレゼント攻撃をしてくる令嬢はキッパリと断りを入れる。

『俺は心に決めた人がいるので』

 セアラといつも一緒に行動しているせいでルークの想い人はセアラだと周りはすっかり信じ込んでしまった。

『やっぱり⋯⋯』
『リチャード王子殿下は大会の後はいらっしゃらなくなったものね』
『セアラ様相手じゃ勝てないわ。女神の祝福凄かったって』


 激励会を兼ねた夜会の話は王都の隅々にまで広がった。レトビア公爵家の偽りは王国の歴史に言及している為歴史の研究者が騒ぎ立て、歴史書に真実を記載するべく奔走している。
 聖女の宝物の素晴らしさが評判になり絵姿が売られはじめたが、何故か身につけているのはセアラで女神の祝福を行っている物ばかり。

『最悪⋯⋯名前入りもあるって。あり得ない』

 年頃の女性達は『来年は私が女神役を!』と張り切っている。


 ウルリカの話では、調査団が集められて帝国や教会の情報を再検討しているがサルドニア帝国やイーバリス教会の王国への忌避感は予想以上で交渉は難航しそうだと言う。





「調査団に参加してた時の話かな。特に役に立てる情報なんて持ってないけどそれくらいしか思いつかないよ」

「まあ、なんとかなるよ。悪い奴らは捕まったし、私達頑張ったもん」


 翌日、不安そうなライルと能天気なイリスと共にセアラは王宮に出向いた。謁見室の前には帯剣した衛兵が立ち重々しい扉を守っていて流石のイリスも顔を引き攣らせた。

 扉が開き深呼吸したセアラ達がライルを筆頭に真っ直ぐ敷かれた赤い絨毯を歩いて行った。正面の玉座には国王と王妃が並んで座り王太子達がその横に整列している。
 宰相や左右に並ぶ各大臣が緊張しながら前に進むセアラ達3人を凝視していた。

(ルークがいる。その隣はマーカス・シルバンとイーサン・ホズウェルだわ)


 謁見室の中央で立ち止まりカーテシーをしたセアラとイリス。片膝をついて最敬礼をしたライルは『何があっても二人だけは守る!』と決意を固めていた。

「面をあげよ」

 しんと静まりかえった謁見室に宰相の声が響き顔を上げたセアラ達に注目が集まった。

「此度、其方達のお陰で我が国の歴史を正すことができた。建国の為私費を投じた初代国王陛下の慈愛が世に広まることは王家の念願であった」

「発言をお許し頂けますでしょうか」

「何なりとはなすが良い」

「セアラ・ホプキンスでございます。勿体ないお言葉を頂き心より御礼申し上げます。微力ながらお手伝いできましたならば臣下として嬉しい限りでございます」

「其方達に褒美を遣わそうと思う。余にできる事であればなんでも構わぬ。望みを申してみよ」

「ライル・ホプキンスと申します。恐れながら、わたくしとイリス・ラーニア嬢は既に調査団の報酬と併せて過分な謝礼金を頂いております」




「ふむ、それでは⋯⋯」

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