【第一章完結】相手を間違えたと言われても困りますわ。返品・交換不可とさせて頂きます

との

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オークリー&カルム

2.デートかい?

 リディアに突然手を繋がれたセオは、顔を真っ赤にして狼狽えている。

「うっ」

 普段饒舌なセオが口籠った。

「これで迷子にならないし、安全でしょ? この匂い、あそこのお店だわ」

 リディアは手を引きながら歩き出し、セオが赤い顔のままでついて行く。


 良い匂いの正体は、屋台で売っている豚の串焼きだった。

「よお、お二人さんデートかい? いーねー」
「おじさん、串焼き2本ね」
「毎度ありー」

 
 リディアが熱々の串焼きを受け取り、セオが機械仕掛けのようなギクシャクとした動作でお金を払う。

「兄ちゃん、可愛い彼女だねえ。ほら、こいつはオマケだ。体力つけて頑張んなよ」

「なっ!」

 思わずリディアの手をぎゅっと握りしめてしまう。

「痛い、セオ?」
「すっすみません。大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫。どうしたの?」
「何でもありません、行きましょう」
「おじさん、ありがとう。またね」

「おう、頑張れよ」
「ええ、頑張るわ」

 歩きながら、串焼きを美味しそうに頬張るリディア。

「リディア様・・リディア様は、何を頑張るんですか?」

「えっ? 分からないわ。
だって、応援されてたのはセオでしょう?
頑張ってね、ファイト」

「・・はぁ」


 串焼きを食べ終わった2人はいくつかの店を冷やかした後、マーサや店の従業員へのお土産を買って宿に帰った。


「マーサただいま。疲れは取れた?」

 出迎えに出てきたマーサが、手を繋いだ2人を見て絶句している。

「?」
 首を傾げるリディアと、青ざめるセオ。

「こっこれはだな、迷子防止であちこちウロウロ、だからその」

「そうか、もう手を離して良いのよね。
マーサすっごく楽しかったのよ。
はい、これはセオからのお土産。私からはこれね」

 二つの包みをマーサに手渡した。

 妙にテンションの低いマーサが、
「セオ、口止め料込みですか?」


 夜は宿で夕食を取った。

 リディアは屋台で買い食いしたとは思えない食欲を見せ元気いっぱいだが、セオはあまり食欲がないようで皿の中を突き回しながらぼーっとしている。

「セオ、お腹空いてないの?」

「お嬢様、セオの事は放っておいても大丈夫ですよ。昔から幸せ一杯、胸一杯って言いますからね」


 領主への連絡を済ませたリディア達は、翌日の昼過ぎ馬車でオークリーの街から港町カルムにやって来た。

「随分と騒がしいのね。港町ってどこもこんな感じなのかしら?」

 馬車の窓からリディアが外を眺めていると、セオがカーテンを閉めてしまった。

「騒がしいと言うより、物々しい? 絶対にカーテンは開けないで下さい」


 宿屋らしき店を見つけてセオが話を聞きに行ったが、いつまで待っても帰ってこない。
 心配になったリディアが馬車から降りようとした時、馬車のドアが開いた。

「リディア様、帰りましょう。港で抗争が起きてます」


 リディア、2回目のピンチ。

感想 13

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