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26.動きはじめたロクサーナ
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「それがないらしい。学園側は告発文はなくなったって言ってるし、目撃者って言うのは告発文に『私は見ました』って書いてあっただけだって」
(そう言えば前回も今回も告発文自体見てない・・)
リアムが帰った後図書室に戻ったが、リアムの言葉が気になってロクサーナは調べ物に集中できないでいた。
『証拠もないのに犯罪者扱いしただろ? だからリチャードはかなり不味い立場になってる』
(次に仕掛けてくるとしたら何?)
11歳と言う年齢ではいくら資産があっても家を出る事さえ出来ないのがロクサーナの最大の悩み。逃げ出しても家を借りる事も宿に泊まる事も出来ない上、コナーやネイサンに助けを求めれば彼等を犯罪者にしてしまう可能性がある。
(助けてもらった挙句、侯爵家令嬢を誘拐したとか難癖つけられてコナー達が犯罪者にされるのだけは絶対に嫌!)
(となると、信用出来ない相手だと言っても今は侯爵が唯一のストッパーよね。
それだって侯爵の行動によっては断罪が早まってしまう可能性もあるし)
現在ロクサーナが金属加工ギルドと服飾ギルドで共同開発しているのは編み機。
メインの機械が左右に動く際、フック状の針が手前に出てきて糸がかかり糸がかかった状態で針が引っ込む事で編んでいく機械。
フック状になってる針にはベラと呼ばれる蓋の様な物が付いており、針が引っ込む時にベラが閉じてかかった糸をキープし前の段の輪をくぐって一段編む。
付属品は、作り目に必要な編み出し板・目が落ちた時に使うタッピ・目を移す時に使うウツシ・編地の両端にかけて目が落ちるのを防ぐ重り・取り付け金具の計5点。
この編み機の発表はリチャードの件が片付いてからにする予定。
開発を提案した当初服飾ギルドは喜び、金属加工ギルドは難色を示した。
「編み物って言やぁ女の手仕事じゃねえか。何で俺らがそんなもんに関わらなきゃいけねえのか」
金属加工ギルド長のラルクが言った一言に服飾ギルド長のメイリーンがブチ切れた。
「だったらアンタはこれから先絨毯を買う時には女だけで編んだか聞いてから買いなさいよ! 男は関わっちゃいけないんでしょ」
絨毯やタペストリーの織り子に男性が多くいるのは有名な話。
黙り込んだラルクを無視してメイリーンが言い切った。
「これは爆発的に売れる、間違いないわ。直接金属加工業者を探しましょう。
ギルドには礼を尽くして断られたんだから文句は言わないわよね!」
「まて、悪かった! 話を聞かせてくれ」
そんな過激なはじまりから服飾ギルド長が主導権を握って製作された編み機はもうすぐ完成する。
そして図書室に籠り始めて1週間。ロクサーナは漸く探していた情報を見つけた。旧ロクサーナの曖昧な記憶の中にあった一人の名前。
フィレル・オークニール男爵
鉱脈の発見や鉱石の採掘事業を行っている平民で、男爵位とオークニールのラストネームは4年後の銀鉱山の発見時に陛下より賜る予定の人物。
ロクサーナはコナーと共にクラリア商会に赴いた。
「何だ、出歩いて大丈夫なのか?」
「どうしても仕方なかったの。ネイサンに秘密のお願いがあるの」
真剣な顔をしたロクサーナを見てネイサンは居住まいを正した。
「お前がお願いなんて初めての事だな。よっぽど切羽詰まってんのかい?」
「イエスでありノーでもある・・かな。私の中の禁じ手を使うつもりだから」
ネイサンは目を細めロクサーナを凝視していたが腹を括った様で「よし!」と頷いた。
「いいだろう、やってやるぜ。言ってみな」
「私が山を買ったの覚えてる? あそこに人を一人連れて行って欲しいの」
「あ? それだけかよ。てっきり法を破るとかかと」
「あの山にフィレルと言う山師を連れて行って調べさせて欲しいの。
フィレルは私にわかる最後の記録ではフェルバーンで採掘にあたってるってなってた。
絶対に怪しまれずただ調べて欲しいって言って彼を連れて行って欲しいの」
「よくわかんねえが、特定の山師を連れて行って何かが埋まってないか調べさせる。
それだけか?」
「うん」
「それの何処が禁じ手なんだ? お前の山だし調べるのは別に問題ねえだろ」
ネイサンが首を傾げている。
(そう言えば前回も今回も告発文自体見てない・・)
リアムが帰った後図書室に戻ったが、リアムの言葉が気になってロクサーナは調べ物に集中できないでいた。
『証拠もないのに犯罪者扱いしただろ? だからリチャードはかなり不味い立場になってる』
(次に仕掛けてくるとしたら何?)
11歳と言う年齢ではいくら資産があっても家を出る事さえ出来ないのがロクサーナの最大の悩み。逃げ出しても家を借りる事も宿に泊まる事も出来ない上、コナーやネイサンに助けを求めれば彼等を犯罪者にしてしまう可能性がある。
(助けてもらった挙句、侯爵家令嬢を誘拐したとか難癖つけられてコナー達が犯罪者にされるのだけは絶対に嫌!)
(となると、信用出来ない相手だと言っても今は侯爵が唯一のストッパーよね。
それだって侯爵の行動によっては断罪が早まってしまう可能性もあるし)
現在ロクサーナが金属加工ギルドと服飾ギルドで共同開発しているのは編み機。
メインの機械が左右に動く際、フック状の針が手前に出てきて糸がかかり糸がかかった状態で針が引っ込む事で編んでいく機械。
フック状になってる針にはベラと呼ばれる蓋の様な物が付いており、針が引っ込む時にベラが閉じてかかった糸をキープし前の段の輪をくぐって一段編む。
付属品は、作り目に必要な編み出し板・目が落ちた時に使うタッピ・目を移す時に使うウツシ・編地の両端にかけて目が落ちるのを防ぐ重り・取り付け金具の計5点。
この編み機の発表はリチャードの件が片付いてからにする予定。
開発を提案した当初服飾ギルドは喜び、金属加工ギルドは難色を示した。
「編み物って言やぁ女の手仕事じゃねえか。何で俺らがそんなもんに関わらなきゃいけねえのか」
金属加工ギルド長のラルクが言った一言に服飾ギルド長のメイリーンがブチ切れた。
「だったらアンタはこれから先絨毯を買う時には女だけで編んだか聞いてから買いなさいよ! 男は関わっちゃいけないんでしょ」
絨毯やタペストリーの織り子に男性が多くいるのは有名な話。
黙り込んだラルクを無視してメイリーンが言い切った。
「これは爆発的に売れる、間違いないわ。直接金属加工業者を探しましょう。
ギルドには礼を尽くして断られたんだから文句は言わないわよね!」
「まて、悪かった! 話を聞かせてくれ」
そんな過激なはじまりから服飾ギルド長が主導権を握って製作された編み機はもうすぐ完成する。
そして図書室に籠り始めて1週間。ロクサーナは漸く探していた情報を見つけた。旧ロクサーナの曖昧な記憶の中にあった一人の名前。
フィレル・オークニール男爵
鉱脈の発見や鉱石の採掘事業を行っている平民で、男爵位とオークニールのラストネームは4年後の銀鉱山の発見時に陛下より賜る予定の人物。
ロクサーナはコナーと共にクラリア商会に赴いた。
「何だ、出歩いて大丈夫なのか?」
「どうしても仕方なかったの。ネイサンに秘密のお願いがあるの」
真剣な顔をしたロクサーナを見てネイサンは居住まいを正した。
「お前がお願いなんて初めての事だな。よっぽど切羽詰まってんのかい?」
「イエスでありノーでもある・・かな。私の中の禁じ手を使うつもりだから」
ネイサンは目を細めロクサーナを凝視していたが腹を括った様で「よし!」と頷いた。
「いいだろう、やってやるぜ。言ってみな」
「私が山を買ったの覚えてる? あそこに人を一人連れて行って欲しいの」
「あ? それだけかよ。てっきり法を破るとかかと」
「あの山にフィレルと言う山師を連れて行って調べさせて欲しいの。
フィレルは私にわかる最後の記録ではフェルバーンで採掘にあたってるってなってた。
絶対に怪しまれずただ調べて欲しいって言って彼を連れて行って欲しいの」
「よくわかんねえが、特定の山師を連れて行って何かが埋まってないか調べさせる。
それだけか?」
「うん」
「それの何処が禁じ手なんだ? お前の山だし調べるのは別に問題ねえだろ」
ネイサンが首を傾げている。
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