70 / 149
Sランク登録
68.どんどん出てくるお宝
しおりを挟む
「ニ本だけお譲りします。さっきギルマスが言った通り大勢の冒険者が薬頼りになったら、それを賄う程の量を作ることはできません。
公表するのも隠匿するのもお任せしますから本部長の裁量で使ってください。
でも次はないと覚えておいてくださいね。
今のところ私以外に作れる人はいないみたいですし、作り方を公表するつもりはありません」
「でも、ローデリアには教えたんでしょう?」
諦めきれないテスタロッサが言い募った。
「それ、俺のせいなんだ」
ロビンが話しはじめた。
「一年と三ヶ月前、俺達はローデリア王国からの依頼を受けて『モンストルムの森』の深部にある《失われた神殿》を攻略したんだ」
その時ロビンが片腕を落とす大怪我をしてしまい、慌ててミリアの作ったエリクサーで欠損した腕を直して事なきを得た。
「それをローデリアの騎士に見られてしまって。
周りを確認するのを怠った俺のせいなんだ」
薬の出所を知ろうとしたローデリアがロビンを拘束・拷問にかけたが、ウォーカー達がロビンを救い出す為に王宮に奇襲をかけようとしているのを知ったミリアが名乗り出た事でロビンを解放することができた。
「ローデリアには偶然の産物だからと言ってエリクサーをニ本だけ渡したの。
だから次を作らせようと必死になってるの」
「聞けば聞くほどローデリアはクソだな。よく無事でいられたな」
「私を拷問にかけたら薬が作れなくなる。ディエチミーラはあの後すぐ休止宣言をして身を隠したから奴等では見つけられなかったの」
「俺達はミリアを救い出す方法とローデリアが狙いそうな人達を逃す準備をしてたんだ」
ミリアが逮捕されたと言う一報を聞いた直後、薬を卸していた商人達はローデリアを離れアスカリオル帝国へ逃れている。
「私はロビンに貰った転送の護符があったから兄さん達とは後から合流する事にしてたの」
「ハーミットはローデリアとそれほど仲が良くないはずだったから集合をここにしたんだけど上手くいかなかった。
商人達を引き連れていたから目立ってたのかもしれない。早い段階で見張りがついたんだ」
ウォーカーがミリアを見ながら大きく肩をすくめた。
「でもウィレムさん達は上手く逃げられたしね」
「ギルマスがミリアに意地悪しなかったらとっととハーミットを出れたんだよねー」
ディーがビシッと木の枝をギルマスに突きつけた。
「しょうがねえだろ、ちびすけは怪しさ満載だったんだからよ」
「そのお陰でみんなに会えたから良かったって事で」
「僕もミリアに会えたから嬉しかったです」
ずっと黙って話を聞いていたリンドが声をかけてきた。
「俺も! ミリアに会いたかったから」
マックスが手を挙げた。
「あらあら、ミリアったらモテモテじゃない。ギルマス、あんた頑張んないと一番おっさんじゃない」
「はあ? おっさんじゃねえし。なんで俺が頑張るんだよ」
「おっさんまではいってないような気がしますけど」
「ようなってなんだよ、俺はまだそんな歳じゃねえよ」
「ミリアやっさしー。あたしならとっくにこの杖でおっさ「ちょっと待ったー、それ何! なにを振り回してんの?」」
「おばさんには見せたげなーい。あたしの宝物だもん」
ディーがユグドラシルの枝を振り回しながら逃げ回り、その後ろを髪を振り乱したテスタロッサが追いかけ回している。
「ねえ、ちょっとでいいから見せてー」
ディーが空の高い所で杖を見せびらかしている。
「おばさんは敵! だからだーめ」
テスタロッサはぴょんぴょんと飛び上がりながら枝に手を伸ばしている。
「お願い、ちょっとだけ。私は敵じゃないから」
「敵だもん、さっきミリアにしつこく薬を寄越せって言ってたじゃん!」
「あれは・・謝る・・だ・・から。はあはあ」
息が切れて飛べなくなったテスタロッサを放置してディーがミリアのところに帰って来た。
「お仕置きしといた、ふふ」
セオドラが呆然としてテスタロッサを見つめ、ミリアとギルマスが苦笑いしていた。
「あいつ、なんであんなに騒いでるんだ?」
セオドラがギルマスの方に振り返って聞いてきた。
「ディーが持ってる枝がユグドラシルの枝だから」
さらっと答えたギルマスにセオドラが絶句した。
「ミリアとお揃いなのー」
ふわふわクルクルと回りながら枝を振るディーにテスタロッサがそろそろと近づいて来た。
「ミリアさんも持ってるの?」
「ガンツさんにワンドにしてもらいました」
「見せて! お願い、さっきのは謝るから!」
ミリアはチラリとギルマスを見た後、ユグドラシルで作ったワンドをテスタロッサの前に出した。
「ちょっとだけ鑑定させてね」
テスタロッサがワンドに触れた途端バチッと音がしてワンドが跳ねた。
「鑑定士がワンドに嫌われてるぜ」
ゲラゲラと腹を抱えて笑うギルマスとセオドラに、テスタロッサが食ってかかった。
「笑う事ないじゃない。だったらセオドラが持ってみなさいよ!」
セオドラが含み笑いをしながらワンドを手に持った。ギルマスが手を伸ばしてワンドをセオドラから受け取る。
「嫌われてんのはお前だけみたいだな」
「アンタが鑑定しようとするから嫌がっとる。持つだけなら出来るはずだぜ。
ユグドラシルはプライドが高いからな」
ガンツの言葉を聞いてテスタロッサはミリアが持ったままの状態で鑑定を行った。
「ユグドラシルの枝とドラゴンの心臓の琴線、ヒヒイロカネ? うそ!」
「ああ、そいつに使ってくれたんだ。役に立ってる?」
ウォーカーが嬉しそうに笑った。
「すごく使いやすいのよ。もう一つクリの木でも作ってもらったの」
「薬師垂涎のってやつです。ミリアにぴったりですね」
グレイソンに杖を見せると「いい選択です」と言いながら頷いている。
「ガンツ、そのワンドって作り直し出来る?」
公表するのも隠匿するのもお任せしますから本部長の裁量で使ってください。
でも次はないと覚えておいてくださいね。
今のところ私以外に作れる人はいないみたいですし、作り方を公表するつもりはありません」
「でも、ローデリアには教えたんでしょう?」
諦めきれないテスタロッサが言い募った。
「それ、俺のせいなんだ」
ロビンが話しはじめた。
「一年と三ヶ月前、俺達はローデリア王国からの依頼を受けて『モンストルムの森』の深部にある《失われた神殿》を攻略したんだ」
その時ロビンが片腕を落とす大怪我をしてしまい、慌ててミリアの作ったエリクサーで欠損した腕を直して事なきを得た。
「それをローデリアの騎士に見られてしまって。
周りを確認するのを怠った俺のせいなんだ」
薬の出所を知ろうとしたローデリアがロビンを拘束・拷問にかけたが、ウォーカー達がロビンを救い出す為に王宮に奇襲をかけようとしているのを知ったミリアが名乗り出た事でロビンを解放することができた。
「ローデリアには偶然の産物だからと言ってエリクサーをニ本だけ渡したの。
だから次を作らせようと必死になってるの」
「聞けば聞くほどローデリアはクソだな。よく無事でいられたな」
「私を拷問にかけたら薬が作れなくなる。ディエチミーラはあの後すぐ休止宣言をして身を隠したから奴等では見つけられなかったの」
「俺達はミリアを救い出す方法とローデリアが狙いそうな人達を逃す準備をしてたんだ」
ミリアが逮捕されたと言う一報を聞いた直後、薬を卸していた商人達はローデリアを離れアスカリオル帝国へ逃れている。
「私はロビンに貰った転送の護符があったから兄さん達とは後から合流する事にしてたの」
「ハーミットはローデリアとそれほど仲が良くないはずだったから集合をここにしたんだけど上手くいかなかった。
商人達を引き連れていたから目立ってたのかもしれない。早い段階で見張りがついたんだ」
ウォーカーがミリアを見ながら大きく肩をすくめた。
「でもウィレムさん達は上手く逃げられたしね」
「ギルマスがミリアに意地悪しなかったらとっととハーミットを出れたんだよねー」
ディーがビシッと木の枝をギルマスに突きつけた。
「しょうがねえだろ、ちびすけは怪しさ満載だったんだからよ」
「そのお陰でみんなに会えたから良かったって事で」
「僕もミリアに会えたから嬉しかったです」
ずっと黙って話を聞いていたリンドが声をかけてきた。
「俺も! ミリアに会いたかったから」
マックスが手を挙げた。
「あらあら、ミリアったらモテモテじゃない。ギルマス、あんた頑張んないと一番おっさんじゃない」
「はあ? おっさんじゃねえし。なんで俺が頑張るんだよ」
「おっさんまではいってないような気がしますけど」
「ようなってなんだよ、俺はまだそんな歳じゃねえよ」
「ミリアやっさしー。あたしならとっくにこの杖でおっさ「ちょっと待ったー、それ何! なにを振り回してんの?」」
「おばさんには見せたげなーい。あたしの宝物だもん」
ディーがユグドラシルの枝を振り回しながら逃げ回り、その後ろを髪を振り乱したテスタロッサが追いかけ回している。
「ねえ、ちょっとでいいから見せてー」
ディーが空の高い所で杖を見せびらかしている。
「おばさんは敵! だからだーめ」
テスタロッサはぴょんぴょんと飛び上がりながら枝に手を伸ばしている。
「お願い、ちょっとだけ。私は敵じゃないから」
「敵だもん、さっきミリアにしつこく薬を寄越せって言ってたじゃん!」
「あれは・・謝る・・だ・・から。はあはあ」
息が切れて飛べなくなったテスタロッサを放置してディーがミリアのところに帰って来た。
「お仕置きしといた、ふふ」
セオドラが呆然としてテスタロッサを見つめ、ミリアとギルマスが苦笑いしていた。
「あいつ、なんであんなに騒いでるんだ?」
セオドラがギルマスの方に振り返って聞いてきた。
「ディーが持ってる枝がユグドラシルの枝だから」
さらっと答えたギルマスにセオドラが絶句した。
「ミリアとお揃いなのー」
ふわふわクルクルと回りながら枝を振るディーにテスタロッサがそろそろと近づいて来た。
「ミリアさんも持ってるの?」
「ガンツさんにワンドにしてもらいました」
「見せて! お願い、さっきのは謝るから!」
ミリアはチラリとギルマスを見た後、ユグドラシルで作ったワンドをテスタロッサの前に出した。
「ちょっとだけ鑑定させてね」
テスタロッサがワンドに触れた途端バチッと音がしてワンドが跳ねた。
「鑑定士がワンドに嫌われてるぜ」
ゲラゲラと腹を抱えて笑うギルマスとセオドラに、テスタロッサが食ってかかった。
「笑う事ないじゃない。だったらセオドラが持ってみなさいよ!」
セオドラが含み笑いをしながらワンドを手に持った。ギルマスが手を伸ばしてワンドをセオドラから受け取る。
「嫌われてんのはお前だけみたいだな」
「アンタが鑑定しようとするから嫌がっとる。持つだけなら出来るはずだぜ。
ユグドラシルはプライドが高いからな」
ガンツの言葉を聞いてテスタロッサはミリアが持ったままの状態で鑑定を行った。
「ユグドラシルの枝とドラゴンの心臓の琴線、ヒヒイロカネ? うそ!」
「ああ、そいつに使ってくれたんだ。役に立ってる?」
ウォーカーが嬉しそうに笑った。
「すごく使いやすいのよ。もう一つクリの木でも作ってもらったの」
「薬師垂涎のってやつです。ミリアにぴったりですね」
グレイソンに杖を見せると「いい選択です」と言いながら頷いている。
「ガンツ、そのワンドって作り直し出来る?」
6
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
お姉さまに挑むなんて、あなた正気でいらっしゃるの?
中崎実
ファンタジー
若き伯爵家当主リオネーラには、異母妹が二人いる。
殊にかわいがっている末妹で気鋭の若手画家・リファと、市中で生きるしっかり者のサーラだ。
入り婿だったのに母を裏切って庶子を作った父や、母の死後に父の正妻に収まった継母とは仲良くする気もないが、妹たちとはうまくやっている。
そんな日々の中、暗愚な父が連れてきた自称「婚約者」が突然、『婚約破棄』を申し出てきたが……
※第2章の投稿開始後にタイトル変更の予定です
※カクヨムにも同タイトル作品を掲載しています(アルファポリスでの公開は数時間~半日ほど早めです)
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる