✖️✖️の薬を作ったら牢に入れられました。ここで薬を作れ? それは嫌かなー。って事でさよならします

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新しい地、カリーニン

97.気付いていない二人

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「大天使ラファエル・・、どうしてここに?」



 エメラルドグリーンの光を放ったラファエルは、少し癖のあるブロンドと紺色の目をした少年のような姿で現れた。

 ラファエルはイスラーフィールやラビエルとも呼ばれる。

 ラファエルの紺色の目は内なる目と呼ばれるサードアイ第三の目を持つ印と言われており、直感力や想像力に優れていると言われる。


 第三階級の座天使であるラファエルは、天界の医師と呼ばれ神や天使の病気や傷を治す役割を持ち、人間の子供の病気や怪我をも治すと言われている。

 ・癒しを行う者
 ・人の魂を守る者
 ・医学天使
 ・外科医天使
 ・旅人を護る者
 ・最後の審判でラッパを吹く者



 四柱の大天使が四方を守っているが、

 ・大天使ミカエルが火で方位は南
 ・大天使ウリエルが土で北
 ・大天使ガブリエルが水で西
 ・大天使ラファエルは風で東


 彼の属性は風だが所持している武器には炎を纏っている。





「マモンをやり込めるなんて凄い子がいたね。正直この地はもう駄目かもしれないと思いはじめていたんだ」

 ラファエルが嬉しそうに笑い、白い羽根をゆったりと動かして周りを見回した。


「問題はまだ残っていて、この大穴をどうすれば良いのか悩んでいます」


「君の仲間に頼むといいよ。ノームに大穴を埋めさせて結界の護符を張り巡らせるんだ。僕からウリエルに頼んでおくから」


 大天使ウリエルは土の属性なので、ノームの力を高めてくれるとラファエルが話してくれた。



 結界が壊れたのはやはり大聖堂の改築が影響しているのかもしれないと思いながら、ミリアは通信の魔道具でディエチミーラに連絡を取った。


「兄さん、ちょっと頼みがあるんだけど」

『いいよ、何でも言って』


「ノームにちょっと仕事を頼んでもらいたいのと、ロビンに結界の護符を沢山作ってもらえないかと」


『・・今度は何を仕出かしたんだい?』

 ウォーカーの声に警戒心が混ざりミリアの心拍数がどんどん上がっていった。

「仕出かし・・たかなぁ。えーっと頼める?」


『勿論だけど、ノームには何を頼むんだい?』

「大穴をね塞いで欲しいの」

『ふうーん、何の大穴か聞いてもいい?』

「富の洞窟?」

 ガタンと何かを取り落としたような音がして、ウォーカーの怒鳴り声が聞こえてきた。

『くそ、直ぐに行く! じっとしてろ、これ以上何もするな。絶対だぞ!』


 ぶちりと通信が切れミリアは呆然とルカを見上げた。

「兄さん、ヤバいかも」

 蒼白になったミリアの頭をルカが右手で撫でて、

「心配すんな、そん時は一緒に電撃喰らってやるから」



「さて、ここを何とかするには人手がいるよね。ミリアのに連れてきてもらおう」

 ミリアが首を傾げルカが不審げな顔をすると目の前にヴァンとディーが転移してきた。


「我慢してくれてありがとう。君が懸命な判断をしてくれて助かった。
それでね、ここに来ようとして慌てふためいている一団を連れてきてくれるかな?」

『うむ』



「ドリアードには生垣を作ってもらいたいんだ」

「うん、いいよー」


 ヴァンが転移して行き見物人が入ってこられないようにディーが木魔法で生垣を作り上げている時、ディエチミーラとセオドラ一行が転移してきた。



 全員が呆然と辺りを見回している時、ウォーカーがミリアの元に走ってきた。

「ミリア、怪我は?」


 悲壮な顔でミリアの全身をくまなくチェックするウォーカーに苦笑いを浮かべ、

「平気、何も問題ないからね。こんな時間に来てくれてありがとう」

「それは構わないが、何でミリアはそいつと手なんか繋いでるの?」

 ウォーカーがバリバリと放電する中、手を繋ぎっぱなしだった事にミリアとルカは初めて気がついた。
 慌てて手を離しオロオロする二人にセオドラが声をかけてきた。


「よう、随分派手にやったな」

「遅えんだよ、後始末は任せる」

 ルカが睨みを効かせるとセオドラは眉間に皺を寄せて考え込んだ。

「任せるって、いったいどーすりゃ」


「ここに礼拝堂を建てられるかな? 大聖堂の倉庫の隅に押し込められてる僕の像を安置する事が出来れば封印は解けないんだけど」


「へっ? えっ、はっ羽根が」


「セオドラ、気付いてなかったのかよ。紹介するぜ、大天使のラファエル様だ」

 ルカがニヤニヤと笑いながらセオドラの背中を叩いた。


「・・ミリア、今度は大天使様かよ」



 セオドラは連れてきた一団の中から数人の職員と冒険者を連れて、元凶の一人である新任の司教をボコボコにすると息巻いて大聖堂へと出発した。


「終わったよー。あっ、リンドだ! カノンちゃんならヨルムガンドが見張ってるから大丈夫だからねー」

「あっうん、ありがとう。あのこれって一体何が・・」


 焼け野原と化した一帯とガッツリと削られぽっかりと空いた大穴が剥き出しになった山の成れの果てに、全員が同じ気持ちだった事は言うまでもない。


 慌てて目を逸らすミリアと、ミリアの前に立ち塞がって周りの者を睨むウォーカー。


「一回で済ませたいからみんな揃うまで待ってくれるか?
それに誰もミリアを責めちゃいねえ。話を聞いたら感謝して跪くんじゃねえか?」



 アレンがノームを連れて前に出てきた。

「あの穴を潰すって言ってもさ、流石にノーム一人じゃ穴がデカすぎてキツいんじゃね」

 腕を組んで首を傾げるアレンの横でノームがそっくり同じポーズで首を傾げている。

(可愛い・・)



「私が手伝うよ」

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