99 / 149
新しい地、カリーニン
97.気付いていない二人
しおりを挟む
「大天使ラファエル・・、どうしてここに?」
エメラルドグリーンの光を放ったラファエルは、少し癖のあるブロンドと紺色の目をした少年のような姿で現れた。
ラファエルはイスラーフィールやラビエルとも呼ばれる。
ラファエルの紺色の目は内なる目と呼ばれるサードアイを持つ印と言われており、直感力や想像力に優れていると言われる。
第三階級の座天使であるラファエルは、天界の医師と呼ばれ神や天使の病気や傷を治す役割を持ち、人間の子供の病気や怪我をも治すと言われている。
・癒しを行う者
・人の魂を守る者
・医学天使
・外科医天使
・旅人を護る者
・最後の審判でラッパを吹く者
四柱の大天使が四方を守っているが、
・大天使ミカエルが火で方位は南
・大天使ウリエルが土で北
・大天使ガブリエルが水で西
・大天使ラファエルは風で東
彼の属性は風だが所持している武器には炎を纏っている。
「マモンをやり込めるなんて凄い子がいたね。正直この地はもう駄目かもしれないと思いはじめていたんだ」
ラファエルが嬉しそうに笑い、白い羽根をゆったりと動かして周りを見回した。
「問題はまだ残っていて、この大穴をどうすれば良いのか悩んでいます」
「君の仲間に頼むといいよ。ノームに大穴を埋めさせて結界の護符を張り巡らせるんだ。僕からウリエルに頼んでおくから」
大天使ウリエルは土の属性なので、ノームの力を高めてくれるとラファエルが話してくれた。
結界が壊れたのはやはり大聖堂の改築が影響しているのかもしれないと思いながら、ミリアは通信の魔道具でディエチミーラに連絡を取った。
「兄さん、ちょっと頼みがあるんだけど」
『いいよ、何でも言って』
「ノームにちょっと仕事を頼んでもらいたいのと、ロビンに結界の護符を沢山作ってもらえないかと」
『・・今度は何を仕出かしたんだい?』
ウォーカーの声に警戒心が混ざりミリアの心拍数がどんどん上がっていった。
「仕出かし・・たかなぁ。えーっと頼める?」
『勿論だけど、ノームには何を頼むんだい?』
「大穴をね塞いで欲しいの」
『ふうーん、何の大穴か聞いてもいい?』
「富の洞窟?」
ガタンと何かを取り落としたような音がして、ウォーカーの怒鳴り声が聞こえてきた。
『くそ、直ぐに行く! じっとしてろ、これ以上何もするな。絶対だぞ!』
ぶちりと通信が切れミリアは呆然とルカを見上げた。
「兄さん、ヤバいかも」
蒼白になったミリアの頭をルカが右手で撫でて、
「心配すんな、そん時は一緒に電撃喰らってやるから」
「さて、ここを何とかするには人手がいるよね。ミリアの友達に連れてきてもらおう」
ミリアが首を傾げルカが不審げな顔をすると目の前にヴァンとディーが転移してきた。
「我慢してくれてありがとう。君が懸命な判断をしてくれて助かった。
それでね、ここに来ようとして慌てふためいている一団を連れてきてくれるかな?」
『うむ』
「ドリアードには生垣を作ってもらいたいんだ」
「うん、いいよー」
ヴァンが転移して行き見物人が入ってこられないようにディーが木魔法で生垣を作り上げている時、ディエチミーラとセオドラ一行が転移してきた。
全員が呆然と辺りを見回している時、ウォーカーがミリアの元に走ってきた。
「ミリア、怪我は?」
悲壮な顔でミリアの全身をくまなくチェックするウォーカーに苦笑いを浮かべ、
「平気、何も問題ないからね。こんな時間に来てくれてありがとう」
「それは構わないが、何でミリアはそいつと手なんか繋いでるの?」
ウォーカーがバリバリと放電する中、手を繋ぎっぱなしだった事にミリアとルカは初めて気がついた。
慌てて手を離しオロオロする二人にセオドラが声をかけてきた。
「よう、随分派手にやったな」
「遅えんだよ、後始末は任せる」
ルカが睨みを効かせるとセオドラは眉間に皺を寄せて考え込んだ。
「任せるって、いったいどーすりゃ」
「ここに礼拝堂を建てられるかな? 大聖堂の倉庫の隅に押し込められてる僕の像を安置する事が出来れば封印は解けないんだけど」
「へっ? えっ、はっ羽根が」
「セオドラ、気付いてなかったのかよ。紹介するぜ、大天使のラファエル様だ」
ルカがニヤニヤと笑いながらセオドラの背中を叩いた。
「・・ミリア、今度は大天使様かよ」
セオドラは連れてきた一団の中から数人の職員と冒険者を連れて、元凶の一人である新任の司教をボコボコにすると息巻いて大聖堂へと出発した。
「終わったよー。あっ、リンドだ! カノンちゃんならヨルムガンドが見張ってるから大丈夫だからねー」
「あっうん、ありがとう。あのこれって一体何が・・」
焼け野原と化した一帯とガッツリと削られぽっかりと空いた大穴が剥き出しになった山の成れの果てに、全員が同じ気持ちだった事は言うまでもない。
慌てて目を逸らすミリアと、ミリアの前に立ち塞がって周りの者を睨むウォーカー。
「一回で済ませたいからみんな揃うまで待ってくれるか?
それに誰もミリアを責めちゃいねえ。話を聞いたら感謝して跪くんじゃねえか?」
アレンがノームを連れて前に出てきた。
「あの穴を潰すって言ってもさ、流石にノーム一人じゃ穴がデカすぎてキツいんじゃね」
腕を組んで首を傾げるアレンの横でノームがそっくり同じポーズで首を傾げている。
(可愛い・・)
「私が手伝うよ」
エメラルドグリーンの光を放ったラファエルは、少し癖のあるブロンドと紺色の目をした少年のような姿で現れた。
ラファエルはイスラーフィールやラビエルとも呼ばれる。
ラファエルの紺色の目は内なる目と呼ばれるサードアイを持つ印と言われており、直感力や想像力に優れていると言われる。
第三階級の座天使であるラファエルは、天界の医師と呼ばれ神や天使の病気や傷を治す役割を持ち、人間の子供の病気や怪我をも治すと言われている。
・癒しを行う者
・人の魂を守る者
・医学天使
・外科医天使
・旅人を護る者
・最後の審判でラッパを吹く者
四柱の大天使が四方を守っているが、
・大天使ミカエルが火で方位は南
・大天使ウリエルが土で北
・大天使ガブリエルが水で西
・大天使ラファエルは風で東
彼の属性は風だが所持している武器には炎を纏っている。
「マモンをやり込めるなんて凄い子がいたね。正直この地はもう駄目かもしれないと思いはじめていたんだ」
ラファエルが嬉しそうに笑い、白い羽根をゆったりと動かして周りを見回した。
「問題はまだ残っていて、この大穴をどうすれば良いのか悩んでいます」
「君の仲間に頼むといいよ。ノームに大穴を埋めさせて結界の護符を張り巡らせるんだ。僕からウリエルに頼んでおくから」
大天使ウリエルは土の属性なので、ノームの力を高めてくれるとラファエルが話してくれた。
結界が壊れたのはやはり大聖堂の改築が影響しているのかもしれないと思いながら、ミリアは通信の魔道具でディエチミーラに連絡を取った。
「兄さん、ちょっと頼みがあるんだけど」
『いいよ、何でも言って』
「ノームにちょっと仕事を頼んでもらいたいのと、ロビンに結界の護符を沢山作ってもらえないかと」
『・・今度は何を仕出かしたんだい?』
ウォーカーの声に警戒心が混ざりミリアの心拍数がどんどん上がっていった。
「仕出かし・・たかなぁ。えーっと頼める?」
『勿論だけど、ノームには何を頼むんだい?』
「大穴をね塞いで欲しいの」
『ふうーん、何の大穴か聞いてもいい?』
「富の洞窟?」
ガタンと何かを取り落としたような音がして、ウォーカーの怒鳴り声が聞こえてきた。
『くそ、直ぐに行く! じっとしてろ、これ以上何もするな。絶対だぞ!』
ぶちりと通信が切れミリアは呆然とルカを見上げた。
「兄さん、ヤバいかも」
蒼白になったミリアの頭をルカが右手で撫でて、
「心配すんな、そん時は一緒に電撃喰らってやるから」
「さて、ここを何とかするには人手がいるよね。ミリアの友達に連れてきてもらおう」
ミリアが首を傾げルカが不審げな顔をすると目の前にヴァンとディーが転移してきた。
「我慢してくれてありがとう。君が懸命な判断をしてくれて助かった。
それでね、ここに来ようとして慌てふためいている一団を連れてきてくれるかな?」
『うむ』
「ドリアードには生垣を作ってもらいたいんだ」
「うん、いいよー」
ヴァンが転移して行き見物人が入ってこられないようにディーが木魔法で生垣を作り上げている時、ディエチミーラとセオドラ一行が転移してきた。
全員が呆然と辺りを見回している時、ウォーカーがミリアの元に走ってきた。
「ミリア、怪我は?」
悲壮な顔でミリアの全身をくまなくチェックするウォーカーに苦笑いを浮かべ、
「平気、何も問題ないからね。こんな時間に来てくれてありがとう」
「それは構わないが、何でミリアはそいつと手なんか繋いでるの?」
ウォーカーがバリバリと放電する中、手を繋ぎっぱなしだった事にミリアとルカは初めて気がついた。
慌てて手を離しオロオロする二人にセオドラが声をかけてきた。
「よう、随分派手にやったな」
「遅えんだよ、後始末は任せる」
ルカが睨みを効かせるとセオドラは眉間に皺を寄せて考え込んだ。
「任せるって、いったいどーすりゃ」
「ここに礼拝堂を建てられるかな? 大聖堂の倉庫の隅に押し込められてる僕の像を安置する事が出来れば封印は解けないんだけど」
「へっ? えっ、はっ羽根が」
「セオドラ、気付いてなかったのかよ。紹介するぜ、大天使のラファエル様だ」
ルカがニヤニヤと笑いながらセオドラの背中を叩いた。
「・・ミリア、今度は大天使様かよ」
セオドラは連れてきた一団の中から数人の職員と冒険者を連れて、元凶の一人である新任の司教をボコボコにすると息巻いて大聖堂へと出発した。
「終わったよー。あっ、リンドだ! カノンちゃんならヨルムガンドが見張ってるから大丈夫だからねー」
「あっうん、ありがとう。あのこれって一体何が・・」
焼け野原と化した一帯とガッツリと削られぽっかりと空いた大穴が剥き出しになった山の成れの果てに、全員が同じ気持ちだった事は言うまでもない。
慌てて目を逸らすミリアと、ミリアの前に立ち塞がって周りの者を睨むウォーカー。
「一回で済ませたいからみんな揃うまで待ってくれるか?
それに誰もミリアを責めちゃいねえ。話を聞いたら感謝して跪くんじゃねえか?」
アレンがノームを連れて前に出てきた。
「あの穴を潰すって言ってもさ、流石にノーム一人じゃ穴がデカすぎてキツいんじゃね」
腕を組んで首を傾げるアレンの横でノームがそっくり同じポーズで首を傾げている。
(可愛い・・)
「私が手伝うよ」
6
あなたにおすすめの小説
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
お姉さまに挑むなんて、あなた正気でいらっしゃるの?
中崎実
ファンタジー
若き伯爵家当主リオネーラには、異母妹が二人いる。
殊にかわいがっている末妹で気鋭の若手画家・リファと、市中で生きるしっかり者のサーラだ。
入り婿だったのに母を裏切って庶子を作った父や、母の死後に父の正妻に収まった継母とは仲良くする気もないが、妹たちとはうまくやっている。
そんな日々の中、暗愚な父が連れてきた自称「婚約者」が突然、『婚約破棄』を申し出てきたが……
※第2章の投稿開始後にタイトル変更の予定です
※カクヨムにも同タイトル作品を掲載しています(アルファポリスでの公開は数時間~半日ほど早めです)
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる