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アルスター侯爵家
107.赤くなったその理由
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「なぜそんな恐ろしい者達がアルスター侯爵領に来たのでしょう」
「何かしらきっかけになる事や原因はあったんだと思いますが今のところは分かりません」
マモンの時は『富の洞窟』があったからだが、今回はまだ予測がつかない上に分からないことが多すぎる。
「これからどうするか・・時間が必要だが、オヤジに知られるのは不味いな」
「ジョージに連絡を致しましょう。お父様がまだお帰りでないなら口止め出来ると思います」
エレノアが侍女を母家に行かせ、メイドに部屋の準備を命じた。
「狭い部屋ですが客間があるのでそちらにお泊まり頂きますね。直ぐに準備できると思います」
侯爵家に辿り着いたのは昼過ぎだったが外は既に夜の闇に包まれていた。ルカが一人部屋でミリアとカノンはヴァンとディーと同室。
「ミリアちゃん大丈夫?」
「うん、きっとなんとかなるよ。色々考えなきゃいけないことがあるけどマモンの時と違って時間がありそうだからね」
心配そうなカノンを安心させる為にミリアは元気良く部屋に一つしかないベッドに飛び乗った。
「カノンちゃんと今日は一緒のベッドだね。二人ともちっこいからラッキー」
「ミリアちゃん、自分でちっこいって言ってる」
くすくす笑うカノンを見てミリアは少し安心した。カノンはマモンの時より落ち着いているように見え『慣れって怖い』と苦笑いしたミリアだった。
「それにしてもミリアとカノンがルカのハーレム要員だって言われたのは吃驚だったねー」
姿を現したディーがフワフワと部屋を飛び回りながら話しかけてきた。
「しかも子供好きの変態さんにされてた」
「私って一体何歳くらいに見えるんだろう」
「「・・」」
「みっミリアちゃんは可愛い顔をしてるから」
(答えになってなくない?)
ミリアがジト目でカノンを見ると目を逸らされてしまった。
ヴァンとディーを部屋に残しカノンと二人で階下にある食堂に行くとルカがエレノアと二人で話していた。食欲はなかったが少しだけ料理をつついているとエレノアとルカの話が耳に入ってきた。
「お兄様はずっと冒険者をされているのでしょう? 危険なのではありませんか?」
「まあ、そう言う職業だからある程度は仕方ないかもな」
「あの・・侯爵家に戻られるとかは」
「それはない。オヤジの後はエレノアが継げばいいし。今15歳だよな、そろそろ縁談とかあるんじゃないのか?」
(えっ? まさかの歳下!)
料理を突いていたミリアの手が止まった。
「そう言うお兄様こそ、もう23歳ですもの。特別なお相手とか気になる方はいらっしゃいませんの?」
「・・気に」
ふとミリアの顔が思い浮かんだルカは一気に顔が赤くなり慌てて首を振った。
「1年程冒険者を辞めてたんだ。で、冒険者に戻ったばかりだから今はそっちが楽しくて」
(はあ、やっぱり。知ってた、知ってたけどね!)
カノンはぐっと溜息を堪えたミリアに気付いて後でいっぱい頭を撫でてあげようと心に決めた。
(ルカさんが鈍感なのはにいちゃんの為にはラッキーだけど、ミリアちゃん可哀想)
エレノアは赤くなったルカを見てちょっと鈍感そうな兄の頭に一体誰が思い浮かんだんだろうかと首を傾げていた。
食堂を出てミリアがカノンと一緒に階段を上がろうとすると後ろからルカが声をかけてきた。
「この後ちょっと話さないか?」
「うん」
先程のショックから復活できていないミリアが渋々返事をした。3人揃って階段を上がるとルカの部屋の前で既にヴァンとディーが待っていた。
「すごい勘だな」
苦笑いを浮かべたルカがドアを開けミリア達はルカの部屋に入り、カノンは手を振り一人隣の部屋に入って行った。
一つしかない椅子にミリアが座りルカがベッドの端に腰掛けると、ディーはテーブルの上に胡座をかきヴァンは勢いよくベッドに飛び乗った。
「もう少し詳しく教えてもらえたらと思ってな。さっきベルフェゴールに追従してる理由が分からないって言ってただろ?」
「フェニックスは昔からベルフェゴールに肩入れしてるから分かるんだけど元々カリストー達3人はベルフェゴールとは関係ないの。なのに結構長い間行動を共にしてるでしょう」
「3人はそんなに仲が良いのか?」
「ヘルメースはマイアの館の門を守るくらいだから親子の仲はいいと思う。カリストーは自分の息子を育ててくれたマイアの事好きだと思うし、同じ親に育てられた二人なら仲がいい可能性あるわよね・・」
「と言うと?」
ルカと話しているうちにミリアの頭が少しずつ動きはじめた。
「可能性と言うか単なる想像なんだけど、カリストーは熊に変えられた恨みを持っている。
ヘルメースは嘘や盗み、計略とかの悪巧みが好きで大の女性好きだからベルフェゴールに唆されて暇潰しみたいな感じで参加したのかなあって。
マイアは大好きな息子におねだりされたとか、仲良しのカリストーに誘われたとか?」
「カリストーとヘルメースに関してはありそうだな。となると分からんのはマイアか?」
「そう、仲がいいとかだけで悪魔に手を貸すかしら?」
「マイアの特技は?」
「何かしらきっかけになる事や原因はあったんだと思いますが今のところは分かりません」
マモンの時は『富の洞窟』があったからだが、今回はまだ予測がつかない上に分からないことが多すぎる。
「これからどうするか・・時間が必要だが、オヤジに知られるのは不味いな」
「ジョージに連絡を致しましょう。お父様がまだお帰りでないなら口止め出来ると思います」
エレノアが侍女を母家に行かせ、メイドに部屋の準備を命じた。
「狭い部屋ですが客間があるのでそちらにお泊まり頂きますね。直ぐに準備できると思います」
侯爵家に辿り着いたのは昼過ぎだったが外は既に夜の闇に包まれていた。ルカが一人部屋でミリアとカノンはヴァンとディーと同室。
「ミリアちゃん大丈夫?」
「うん、きっとなんとかなるよ。色々考えなきゃいけないことがあるけどマモンの時と違って時間がありそうだからね」
心配そうなカノンを安心させる為にミリアは元気良く部屋に一つしかないベッドに飛び乗った。
「カノンちゃんと今日は一緒のベッドだね。二人ともちっこいからラッキー」
「ミリアちゃん、自分でちっこいって言ってる」
くすくす笑うカノンを見てミリアは少し安心した。カノンはマモンの時より落ち着いているように見え『慣れって怖い』と苦笑いしたミリアだった。
「それにしてもミリアとカノンがルカのハーレム要員だって言われたのは吃驚だったねー」
姿を現したディーがフワフワと部屋を飛び回りながら話しかけてきた。
「しかも子供好きの変態さんにされてた」
「私って一体何歳くらいに見えるんだろう」
「「・・」」
「みっミリアちゃんは可愛い顔をしてるから」
(答えになってなくない?)
ミリアがジト目でカノンを見ると目を逸らされてしまった。
ヴァンとディーを部屋に残しカノンと二人で階下にある食堂に行くとルカがエレノアと二人で話していた。食欲はなかったが少しだけ料理をつついているとエレノアとルカの話が耳に入ってきた。
「お兄様はずっと冒険者をされているのでしょう? 危険なのではありませんか?」
「まあ、そう言う職業だからある程度は仕方ないかもな」
「あの・・侯爵家に戻られるとかは」
「それはない。オヤジの後はエレノアが継げばいいし。今15歳だよな、そろそろ縁談とかあるんじゃないのか?」
(えっ? まさかの歳下!)
料理を突いていたミリアの手が止まった。
「そう言うお兄様こそ、もう23歳ですもの。特別なお相手とか気になる方はいらっしゃいませんの?」
「・・気に」
ふとミリアの顔が思い浮かんだルカは一気に顔が赤くなり慌てて首を振った。
「1年程冒険者を辞めてたんだ。で、冒険者に戻ったばかりだから今はそっちが楽しくて」
(はあ、やっぱり。知ってた、知ってたけどね!)
カノンはぐっと溜息を堪えたミリアに気付いて後でいっぱい頭を撫でてあげようと心に決めた。
(ルカさんが鈍感なのはにいちゃんの為にはラッキーだけど、ミリアちゃん可哀想)
エレノアは赤くなったルカを見てちょっと鈍感そうな兄の頭に一体誰が思い浮かんだんだろうかと首を傾げていた。
食堂を出てミリアがカノンと一緒に階段を上がろうとすると後ろからルカが声をかけてきた。
「この後ちょっと話さないか?」
「うん」
先程のショックから復活できていないミリアが渋々返事をした。3人揃って階段を上がるとルカの部屋の前で既にヴァンとディーが待っていた。
「すごい勘だな」
苦笑いを浮かべたルカがドアを開けミリア達はルカの部屋に入り、カノンは手を振り一人隣の部屋に入って行った。
一つしかない椅子にミリアが座りルカがベッドの端に腰掛けると、ディーはテーブルの上に胡座をかきヴァンは勢いよくベッドに飛び乗った。
「もう少し詳しく教えてもらえたらと思ってな。さっきベルフェゴールに追従してる理由が分からないって言ってただろ?」
「フェニックスは昔からベルフェゴールに肩入れしてるから分かるんだけど元々カリストー達3人はベルフェゴールとは関係ないの。なのに結構長い間行動を共にしてるでしょう」
「3人はそんなに仲が良いのか?」
「ヘルメースはマイアの館の門を守るくらいだから親子の仲はいいと思う。カリストーは自分の息子を育ててくれたマイアの事好きだと思うし、同じ親に育てられた二人なら仲がいい可能性あるわよね・・」
「と言うと?」
ルカと話しているうちにミリアの頭が少しずつ動きはじめた。
「可能性と言うか単なる想像なんだけど、カリストーは熊に変えられた恨みを持っている。
ヘルメースは嘘や盗み、計略とかの悪巧みが好きで大の女性好きだからベルフェゴールに唆されて暇潰しみたいな感じで参加したのかなあって。
マイアは大好きな息子におねだりされたとか、仲良しのカリストーに誘われたとか?」
「カリストーとヘルメースに関してはありそうだな。となると分からんのはマイアか?」
「そう、仲がいいとかだけで悪魔に手を貸すかしら?」
「マイアの特技は?」
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