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アルスター侯爵家
115.ヘルメース
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「ねー、そんなにウロウロされたら落ち着かないんですけどー」
「床がすり減りそうじゃな」
『反対せなんだ此奴が悪い』
「くそっ、ジョージは何やってんだ。なあ、遅すぎると思わねえか? もしかして、どっかでくたばってんじゃねえだろうな」
「まだくたばっておりません。ミリア様は無事にパーティー会場に入られ、ヘルメースは今の所ミリア様にベッタリと張り付いておられます」
ルカの顳顬がピキっと音を立て飄々としているジョージを睨みつけた。
「くそ、予想通りじゃねえか!」
青筋を立てたルカが飛び出して行きドアがバンと大きな音を立てて壁にぶつかった。
「あの、お兄様はもしかして・・」
『本人は気づいておらんがな』
「鈍感なルカ様らしくて安心致しました」
何気にルカをディスったジョージが礼をして母家へ帰って行った。
「メリクリウス様、良かったらこちらで私達とお喋りしませんか? この間のお話の続きをお聞ききしたいです」
ミリアが部屋に入った時睨んできた20歳過ぎ位の女性達が声をかけて来た。
「そうだね、後で声をかけるから少し良い子にして遊んでいてくれるかな? 初めてパーティーに参加するこの子に色々説明してあげたいんだ」
「あら、それでしたらメリクリウス様の手を煩わせなくても私達が」
ヘルメースを取り囲んだ女性達はミリアを押し退けてヘルメースの手を引きクッションに座らせた。弾き出されたミリアは後ろからついていきながらマイアと部屋の様子を横目で観察した。
(窓は2箇所。両方共テラスに繋がってるって言ってたからどっちでも大丈夫。でもここからだとちょっと遠すぎるかな?)
ヘルメースはしなだれかかる女性達にそれぞれ微笑みかけながら優雅にワインを口にした。ヘルメースの微笑みに頬を赤らめた女性達は我先にとヘルメースに話しかけ、ミリアの存在は忘れられてしまったように見えた。
暇を持て余したミリアはマイアに声をかけてみようかと思い立ち腰を浮かせかけた。その時待望の言葉が飛び込んできた。
「メリクリウス様、いつものあの杖はお持ちじゃないんですか?」
「マジック見たいです! どうやってやるのか今夜は種明かししてくれますか?」
ゆるゆると笑ったヘルメースは左手を前に出して掌を見せた。女性達がワクワクした顔で見つめる手の上にケーリュケイオンがポンっと飛び出した。
「凄いです! 何度見てもどうやってるのかちっともわかりません」
「分からないからマジックなんだ。簡単に分かったらつまらないだろ?」
(異空間から出しただけですよねー)
「ホントに凄いです。後ろから見てても分からなくて吃驚しました」
ミリアの声に反応したヘルメースが自慢げに後ろを向いてケーリュケイオンを見せびらかした。
「とても珍しい杖だろ?」
「はい、うちの商家でも見たことありません。近くで見ても良いですか?」
勿論と言いながら差し出されたケーリュケイオンに近づき・・ミリアはアイテムバックにケーリュケイオンを入れてしまった。
絶句するヘルメースの横で、女性達はヘルメースがマジックでまた杖を隠したのだと思ってくすくすと笑っていた。
呆然としているヘルメースの前で立ち上がったミリアは窓に向けて駆け出した。
「止まれ!」
ミリアがケーリュケイオンを隠し逃げ出した事に気づいたヘルメースが怒鳴った。ミリアは身体強化をかけて窓をぶち破りテラスに飛び出した後、屋敷の裏の馬場に向かって走り出した。
怒りに燃えたヘルメースがミリアの後を追ってテラスに飛び出すと、ジョージが使用人達を連れて部屋に雪崩れ込んできた。使用人達が女性達を1箇所にまとめている間に呆然と立ち尽くすマイアの元にジョージがやって来た。
「マイア様、カリストー様の元へご案内致します」
走るミリアに追いついたヘルメースがミリアの前に降り立った。
「悪戯はお終いだ。俺のケーリュケイオンはどこだ!」
ミリアはヘルメースの言葉を無視して【ウインドランス】で吹き飛ばし再び走りはじめた。何度も【ウインドランス】でヘルメースを追い払いながら必死で走って行く。
屋敷の近くで戦うと集まっている村の女性達に被害が出る恐れがあるので、ミリアは魔法を使いながらヘルメースを馬場まで引き付けた。
(馬場にはルカがいる。それまで持ち堪えなきゃ)
ヘルメースがショーテルを空から叩きつけて来た。【ウインドカッター】で躱し吹き飛んだヘルメースを尻目に走り出すと月に照らされたルカの姿が見えた。
「ちび!」
ミリアの元に駆けつけたルカにバフをかけながら叫んだ。
「ケーリュケイオン奪えた!」
今回のミリアの役割はケーリュケイオンを盗みヘルメースを馬場へ連れ出す事と、接近戦をするルカのサポート。
「やったな。今度は俺の番だ」
頷いたミリアが後方に下がると、ルカが右脇に剣を構え刃先を地面に向けて腰を落とした。ショーテルを振りかぶったヘルメースがルカに切り掛かり、ギリギリで躱したルカがクレイモアを横に薙ぎ払った。
ヘルメースの脇腹を傷つけたが体勢を崩させるのがやっとで、ヘルメースは空に逃げショーテルをブンブンと振りルカを睨みつけた。
「人間の分際で俺に勝てると思ってるのか?!」
「知るか! こちとら神と戦うのは初めてなんでね」
「ケーリュケイオンを返せば手加減してやろう。さっきのガキはお前の仲間だな」
「そんなとこに逃げてねえでさっさとかかってこい。女を集めるしか脳のない弱虫野郎が」
ルカの挑発に怒ったヘルメースの髪が揺らいだ。ショーテルを構えヘルメースは猛スピードでルカに切り掛かった。
刃先がルカの足を掠めズボンが切れ血が流れたが、ルカのクレイモアもヘルメースの腰に傷をつけた。
「床がすり減りそうじゃな」
『反対せなんだ此奴が悪い』
「くそっ、ジョージは何やってんだ。なあ、遅すぎると思わねえか? もしかして、どっかでくたばってんじゃねえだろうな」
「まだくたばっておりません。ミリア様は無事にパーティー会場に入られ、ヘルメースは今の所ミリア様にベッタリと張り付いておられます」
ルカの顳顬がピキっと音を立て飄々としているジョージを睨みつけた。
「くそ、予想通りじゃねえか!」
青筋を立てたルカが飛び出して行きドアがバンと大きな音を立てて壁にぶつかった。
「あの、お兄様はもしかして・・」
『本人は気づいておらんがな』
「鈍感なルカ様らしくて安心致しました」
何気にルカをディスったジョージが礼をして母家へ帰って行った。
「メリクリウス様、良かったらこちらで私達とお喋りしませんか? この間のお話の続きをお聞ききしたいです」
ミリアが部屋に入った時睨んできた20歳過ぎ位の女性達が声をかけて来た。
「そうだね、後で声をかけるから少し良い子にして遊んでいてくれるかな? 初めてパーティーに参加するこの子に色々説明してあげたいんだ」
「あら、それでしたらメリクリウス様の手を煩わせなくても私達が」
ヘルメースを取り囲んだ女性達はミリアを押し退けてヘルメースの手を引きクッションに座らせた。弾き出されたミリアは後ろからついていきながらマイアと部屋の様子を横目で観察した。
(窓は2箇所。両方共テラスに繋がってるって言ってたからどっちでも大丈夫。でもここからだとちょっと遠すぎるかな?)
ヘルメースはしなだれかかる女性達にそれぞれ微笑みかけながら優雅にワインを口にした。ヘルメースの微笑みに頬を赤らめた女性達は我先にとヘルメースに話しかけ、ミリアの存在は忘れられてしまったように見えた。
暇を持て余したミリアはマイアに声をかけてみようかと思い立ち腰を浮かせかけた。その時待望の言葉が飛び込んできた。
「メリクリウス様、いつものあの杖はお持ちじゃないんですか?」
「マジック見たいです! どうやってやるのか今夜は種明かししてくれますか?」
ゆるゆると笑ったヘルメースは左手を前に出して掌を見せた。女性達がワクワクした顔で見つめる手の上にケーリュケイオンがポンっと飛び出した。
「凄いです! 何度見てもどうやってるのかちっともわかりません」
「分からないからマジックなんだ。簡単に分かったらつまらないだろ?」
(異空間から出しただけですよねー)
「ホントに凄いです。後ろから見てても分からなくて吃驚しました」
ミリアの声に反応したヘルメースが自慢げに後ろを向いてケーリュケイオンを見せびらかした。
「とても珍しい杖だろ?」
「はい、うちの商家でも見たことありません。近くで見ても良いですか?」
勿論と言いながら差し出されたケーリュケイオンに近づき・・ミリアはアイテムバックにケーリュケイオンを入れてしまった。
絶句するヘルメースの横で、女性達はヘルメースがマジックでまた杖を隠したのだと思ってくすくすと笑っていた。
呆然としているヘルメースの前で立ち上がったミリアは窓に向けて駆け出した。
「止まれ!」
ミリアがケーリュケイオンを隠し逃げ出した事に気づいたヘルメースが怒鳴った。ミリアは身体強化をかけて窓をぶち破りテラスに飛び出した後、屋敷の裏の馬場に向かって走り出した。
怒りに燃えたヘルメースがミリアの後を追ってテラスに飛び出すと、ジョージが使用人達を連れて部屋に雪崩れ込んできた。使用人達が女性達を1箇所にまとめている間に呆然と立ち尽くすマイアの元にジョージがやって来た。
「マイア様、カリストー様の元へご案内致します」
走るミリアに追いついたヘルメースがミリアの前に降り立った。
「悪戯はお終いだ。俺のケーリュケイオンはどこだ!」
ミリアはヘルメースの言葉を無視して【ウインドランス】で吹き飛ばし再び走りはじめた。何度も【ウインドランス】でヘルメースを追い払いながら必死で走って行く。
屋敷の近くで戦うと集まっている村の女性達に被害が出る恐れがあるので、ミリアは魔法を使いながらヘルメースを馬場まで引き付けた。
(馬場にはルカがいる。それまで持ち堪えなきゃ)
ヘルメースがショーテルを空から叩きつけて来た。【ウインドカッター】で躱し吹き飛んだヘルメースを尻目に走り出すと月に照らされたルカの姿が見えた。
「ちび!」
ミリアの元に駆けつけたルカにバフをかけながら叫んだ。
「ケーリュケイオン奪えた!」
今回のミリアの役割はケーリュケイオンを盗みヘルメースを馬場へ連れ出す事と、接近戦をするルカのサポート。
「やったな。今度は俺の番だ」
頷いたミリアが後方に下がると、ルカが右脇に剣を構え刃先を地面に向けて腰を落とした。ショーテルを振りかぶったヘルメースがルカに切り掛かり、ギリギリで躱したルカがクレイモアを横に薙ぎ払った。
ヘルメースの脇腹を傷つけたが体勢を崩させるのがやっとで、ヘルメースは空に逃げショーテルをブンブンと振りルカを睨みつけた。
「人間の分際で俺に勝てると思ってるのか?!」
「知るか! こちとら神と戦うのは初めてなんでね」
「ケーリュケイオンを返せば手加減してやろう。さっきのガキはお前の仲間だな」
「そんなとこに逃げてねえでさっさとかかってこい。女を集めるしか脳のない弱虫野郎が」
ルカの挑発に怒ったヘルメースの髪が揺らいだ。ショーテルを構えヘルメースは猛スピードでルカに切り掛かった。
刃先がルカの足を掠めズボンが切れ血が流れたが、ルカのクレイモアもヘルメースの腰に傷をつけた。
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