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ルーメン 暁のダンジョン
140.賢者は聞き、愚者は語る byソロモン
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3人の男達は顔色は悪いものの防具・武器共に傷ひとつなく輝いているが、部屋の隅に倒れ伏した男は焼け焦げ破れた衣服を着て全身傷だらけになり顔が腫れあがっていた。
「そんな事よりここからどうやって出るつもりだ? 外の魔物はどうなった? お前ら荷物は? 食いもんは持ってないのか?」
ロングソードの先を揺らし威嚇する男は目をぎらつかせて矢継ぎ早に質問を繰り出した。
「こっちの質問に答えねえ奴に教えてやる義理はねえな。何で1人だけ怪我をしてる? 見たとこ後ろにはヒーラーがいるじゃねえか」
部屋の外からは時折ヨルムガンドの攻撃が壁に当たったらしい轟音とバチバチというウコバクの攻撃音が聞こえてきた。
「・・随分と偉そうだな。俺達はAランクパーティーの《白銀の嵐》だ。ここでお前らを無礼打ちにしても良いんだぜ」
(その名前には反吐が出る・・このままお仕置きしてもいいが、ちょっと喋らせてみるか)
「ほー、俺達は食糧を持ってるぜ?」
ルカはアイテムバックから肉と野菜を挟んだ温かい白パンを取り出した。
「どこから・・今どこから出した!」
フルアーマーの大男が叫び前に飛び出してきた時、部屋の外からバリバリと大きな音が聞こえミリア達がいる小部屋がミシミシと音を立て大男が立ち竦んだ。
「俺達はアイテムバックを持ってる」
「そうか。そういう事なら話は早い。俺はリーダーのグレッグ。この大男はギャビンで後ろにいるのはチャック。仲良くやろうじゃないか」
「へえ、何で俺達がお前らと仲良くすると思うんだ?」
「隠しても無駄だ。お前らは仲間を向こうに置き去りにしてきたんだろ? 仲間を囮にして2人だけでここに逃げ込んだ」
「・・」
「なあ、ここに来るまでの敵はお前らの敵う相手じゃなかっただろ? 一体どうやってここまで降りてきた?」
「・・お前らは?」
「そこのバケモノには通用しなかったが、俺達には強力な魔物避けの護符があったんだ」
「で、そこの怪我人は? 服装からするとポーターかなんかか?」
「そうだ、コイツは自分が助かる為に俺達の荷物を捨てた上に仲間の魔法使いを盾にしやがったんだ。お陰で俺達は食糧も護符もなくしてここから逃げ出すことも出来なくなった。お前らが食料を分けてくれるなら協力してやってもいい」
ベラベラと喋るグレッグは胡散臭い笑みを浮かべ左手を伸ばしてきた。
「食糧は分けてやってもいいが、どうやってここを抜けるつもりだ?」
「知ってるぜ、お前らにはその方法があるからそんなに余裕をかましてるんだろ? 俺達を一緒にここから脱出させてくれれば分け前をやる。いい話だろ?」
リーダーのグレッグは後ろの衣装箱を指差した。衣装箱は大の大人が余裕で寝そべることができそうなほど大きく、山のようにお宝が積まれていた。その横には3人が脱ぎ捨てたらしい焼け焦げた服とあちこちが溶けた防具や武器が落ちていた。
「お前らの狙いはあれだろ? だが俺達が先に見つけたんだ。欲しけりゃ俺達に従うんだな」
「分け前が欲しけりゃ食糧を出して脱出させろってか?」
「手ぶらで帰るよりはマシだと思うが?」
「あんまり旨味がねえ話だな」
「なら、ここで終わりだな。せっかく仲間を見殺しにしたのにここで俺達に殺られるとはな」
グレッグとギャビンが剣を構えた。
「本当はポーターを囮にするつもりだったんだろ? ところが運悪く魔法使いの方がやられたって訳だ。その恨みでボコボコにしたのか?」
「ああ、ポーターの野郎が往生際悪くしがみついたせいで仲間がやられたんだ。大人しくくたばってりゃいいのによお」
「んで、俺達がいなくなったらお前らはここでお宝と一緒に飢え死にするつもりか?」
「アイテムバックを奪やぁ食糧も転移の護符も手に入る」
「転移の護符を持ってるって言ったか?」
「持ってないならただの役立たず。どっちにしろ生かしとく意味はねえし、少なくとも食糧は手に入る」
「ふーん、そんだけベラベラ喋るとこみるとどうせ俺達を殺るつもりなんだろ?」
「わかってんなら大人しくアイテムバックを寄越しな」
「そういやあ自己紹介がまだだったな。俺達はギルド本部の依頼でやって来たSランクパーティー《ジェルソミーノ》のミリアとルカだ。外にいるのは勿論俺達の仲間だ」
「ふん、そんな戯言を誰が信じるかよ。さっさと荷物を寄越しやがれ!」
グレッグとギャビンが同時に切り掛かってきたがルカの結界に弾き飛ばされ衣装箱に背中をぶつけた。
「ぎゃっ!」「ぐえっ」「ひいっ!」
尻餅をついたグレッグとギャビンを無視してチャックは壁際まで後退りスタッフを握りしめてワナワナと震えた。
「たっ、助けて・・」
「ルカさん、そろそろ良い?」
「ああ、聞きたいことはわかったしな」
ミリアが手を前に出し【バインド】で一気に3人を拘束した。
「なっ、何だこれは! くそっ、巫山戯るな」
意識なく倒れているポーターに駆け寄ったミリアは怪我の状態を調べはじめた。ポーターは全身の骨が折れ浅い息をしている。
「なんて酷い! ルカさん・・」
ミリアの声かけの意味を理解したルカが突然拘束されて足掻いている3人を端から殴りつけ気絶させた。
「身体中の骨が砕けてて多分内蔵にもいってる」
ミリアはエリクサーを出しポーターに口移しで飲ませようとしたがルカがミリアを止めた。
「それは俺がやる」
「そんな事よりここからどうやって出るつもりだ? 外の魔物はどうなった? お前ら荷物は? 食いもんは持ってないのか?」
ロングソードの先を揺らし威嚇する男は目をぎらつかせて矢継ぎ早に質問を繰り出した。
「こっちの質問に答えねえ奴に教えてやる義理はねえな。何で1人だけ怪我をしてる? 見たとこ後ろにはヒーラーがいるじゃねえか」
部屋の外からは時折ヨルムガンドの攻撃が壁に当たったらしい轟音とバチバチというウコバクの攻撃音が聞こえてきた。
「・・随分と偉そうだな。俺達はAランクパーティーの《白銀の嵐》だ。ここでお前らを無礼打ちにしても良いんだぜ」
(その名前には反吐が出る・・このままお仕置きしてもいいが、ちょっと喋らせてみるか)
「ほー、俺達は食糧を持ってるぜ?」
ルカはアイテムバックから肉と野菜を挟んだ温かい白パンを取り出した。
「どこから・・今どこから出した!」
フルアーマーの大男が叫び前に飛び出してきた時、部屋の外からバリバリと大きな音が聞こえミリア達がいる小部屋がミシミシと音を立て大男が立ち竦んだ。
「俺達はアイテムバックを持ってる」
「そうか。そういう事なら話は早い。俺はリーダーのグレッグ。この大男はギャビンで後ろにいるのはチャック。仲良くやろうじゃないか」
「へえ、何で俺達がお前らと仲良くすると思うんだ?」
「隠しても無駄だ。お前らは仲間を向こうに置き去りにしてきたんだろ? 仲間を囮にして2人だけでここに逃げ込んだ」
「・・」
「なあ、ここに来るまでの敵はお前らの敵う相手じゃなかっただろ? 一体どうやってここまで降りてきた?」
「・・お前らは?」
「そこのバケモノには通用しなかったが、俺達には強力な魔物避けの護符があったんだ」
「で、そこの怪我人は? 服装からするとポーターかなんかか?」
「そうだ、コイツは自分が助かる為に俺達の荷物を捨てた上に仲間の魔法使いを盾にしやがったんだ。お陰で俺達は食糧も護符もなくしてここから逃げ出すことも出来なくなった。お前らが食料を分けてくれるなら協力してやってもいい」
ベラベラと喋るグレッグは胡散臭い笑みを浮かべ左手を伸ばしてきた。
「食糧は分けてやってもいいが、どうやってここを抜けるつもりだ?」
「知ってるぜ、お前らにはその方法があるからそんなに余裕をかましてるんだろ? 俺達を一緒にここから脱出させてくれれば分け前をやる。いい話だろ?」
リーダーのグレッグは後ろの衣装箱を指差した。衣装箱は大の大人が余裕で寝そべることができそうなほど大きく、山のようにお宝が積まれていた。その横には3人が脱ぎ捨てたらしい焼け焦げた服とあちこちが溶けた防具や武器が落ちていた。
「お前らの狙いはあれだろ? だが俺達が先に見つけたんだ。欲しけりゃ俺達に従うんだな」
「分け前が欲しけりゃ食糧を出して脱出させろってか?」
「手ぶらで帰るよりはマシだと思うが?」
「あんまり旨味がねえ話だな」
「なら、ここで終わりだな。せっかく仲間を見殺しにしたのにここで俺達に殺られるとはな」
グレッグとギャビンが剣を構えた。
「本当はポーターを囮にするつもりだったんだろ? ところが運悪く魔法使いの方がやられたって訳だ。その恨みでボコボコにしたのか?」
「ああ、ポーターの野郎が往生際悪くしがみついたせいで仲間がやられたんだ。大人しくくたばってりゃいいのによお」
「んで、俺達がいなくなったらお前らはここでお宝と一緒に飢え死にするつもりか?」
「アイテムバックを奪やぁ食糧も転移の護符も手に入る」
「転移の護符を持ってるって言ったか?」
「持ってないならただの役立たず。どっちにしろ生かしとく意味はねえし、少なくとも食糧は手に入る」
「ふーん、そんだけベラベラ喋るとこみるとどうせ俺達を殺るつもりなんだろ?」
「わかってんなら大人しくアイテムバックを寄越しな」
「そういやあ自己紹介がまだだったな。俺達はギルド本部の依頼でやって来たSランクパーティー《ジェルソミーノ》のミリアとルカだ。外にいるのは勿論俺達の仲間だ」
「ふん、そんな戯言を誰が信じるかよ。さっさと荷物を寄越しやがれ!」
グレッグとギャビンが同時に切り掛かってきたがルカの結界に弾き飛ばされ衣装箱に背中をぶつけた。
「ぎゃっ!」「ぐえっ」「ひいっ!」
尻餅をついたグレッグとギャビンを無視してチャックは壁際まで後退りスタッフを握りしめてワナワナと震えた。
「たっ、助けて・・」
「ルカさん、そろそろ良い?」
「ああ、聞きたいことはわかったしな」
ミリアが手を前に出し【バインド】で一気に3人を拘束した。
「なっ、何だこれは! くそっ、巫山戯るな」
意識なく倒れているポーターに駆け寄ったミリアは怪我の状態を調べはじめた。ポーターは全身の骨が折れ浅い息をしている。
「なんて酷い! ルカさん・・」
ミリアの声かけの意味を理解したルカが突然拘束されて足掻いている3人を端から殴りつけ気絶させた。
「身体中の骨が砕けてて多分内蔵にもいってる」
ミリアはエリクサーを出しポーターに口移しで飲ませようとしたがルカがミリアを止めた。
「それは俺がやる」
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