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4.逆転無罪
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「陛下、証拠の提出準備の為に少しばかりお時間を頂けますでしょうか?」
「おお、構わんとも。
もしかして“あれ” か?」
「少しばかり改良も加えてございます。お楽しみいただければ幸いに存じます」
陛下と王妃は、子供のように目を輝かせ前のめりになり、アンダーソン公爵夫妻は頭を抱えてしまった。
「そのような時間稼ぎをしても無駄だとわからないなど。卑劣な上に愚か者とは救いようがないな」
「ギルバート様ぁ、エミリアをとっとと牢屋に入れちゃってください。
あんな人がいるとぉ、サンドラ怖くて外を歩けませんわぁ」
ギルバートとサンドラの余興が終わる頃、子供の背丈程の機械がパーティー会場に運び込まれた。
「お待たせいたしました。再生してくれるかしら?」
ギルバートとイチャイチャしていたサンドラが、
「えっ? 再生? もしかしてあんた・・」
機械から大音響で流れてきたのは、
【君のように地味で冴えない人が婚約者だなんて恥ずかしくてしょうがないのに、その上性格も悪いなんて最悪だからね。
僕が矯正してあげるよ】
【あんたはメイドで私がギルバートの奥様になるの】
【教科書破ったり色々面倒くさかったんだから。
あんたが何にもやらないから、全部私がセッティングしてあげたのよ】
【そうそう、あれは痛かったわ~。あんたが階段下にいたのは誤算だったけど、ギルバートは気付いてなかったからあんたに落とされたって信じてるしー】
ギルバートとサンドラが真っ青になっている。
「如何でしょうか? お二方の声を記録させて頂いておりましたの」
会場中が騒めき始めた。
「なに今の、ギルバート様とサンドラさんの声だわ」
「うっ嘘だ、こんなのあり得ない。陛下、騙されないでください。人の声を記録するなんてあり得ない」
「他にも沢山ございますわ。お二方の暴言ですとか」
陛下が貴賓席からいそいそと降りてきて、機械の周りを回りながら、
「随分と小さくなったのだな」
「はい、以前ご覧頂いたものだと大きすぎて移動が困難でしたので、この一ヶ月で改良を加えました」
「そんなものは証拠でもな「エミリアよ、今ここで試してみてはどうかな?」」
「御意にございます。
ギルバート様、この機械は人の声を記録する為のもので、同様の物を既に陛下に献上致しておりますの」
「そんな、だったらそれは本物か?」
機械が再生を始めた。
【そんな、だったらそれは本物か?】
「!」
「これで私の無実は証明されたと存じます。
さて、今度は私から断罪と婚約破棄させて頂きましょう。
婚約者がいるにもかかわらず、ギルバート様は別の女性と通じておられたこと。
数々の暴言や、このような公の場所で土下座を申しつけるなど、婚約破棄の上慰謝料の請求をさせて頂きます」
「だっ騙されたんだ。僕はサンドラに騙されてただけだから。僕は悪くない」
「例えそうだったとしても、結果は変わりませんわ。
元々この婚約自体不正なやり方で行われたものですし」
「その話は余も聞き及んでおる。アンダーソン公爵、それは誠か?」
「あっあの、それは」
「アンダーソン公爵様は、お父様を酒で酔わせ婚姻契約書にサインさせたのでしたね」
「アンダーソン公爵、余の前で申し開きしてみよ。
其方はこの音声を記録する装置の利権を狙い、フィッツロイ伯爵を嵌めたのであろう?」
「もっ申し訳ありません。どうかお赦しを」
「衛兵、アンダーソン公爵夫妻とそこの愚か者達を連れて行け」
壁際に整列していた衛兵達が4人を捕縛し連行しようとした。
「エミリア! すまなかった、許してくれ。僕が本当に好きなのはエミリアだけなんだ。頼む、助けてくれ!」
「私はなにも知らなかったのよ。旦那様が勝手にした事なんだから。
エミリア、私だけでも助けてちょうだい」
「アンダーソン夫人、あなたの暴言も記録していますの。利権だけ寄越せば婚約破棄してやるって仰ったでしょう? 他にもありますわ」
「そんな・・」
「エミリア、あんたも転生者ね! 仲間じゃない、助けなさいよ」
「何のことだか分かりかねますわ」
「音声を記録する装置なんてこの国の奴らが思いつくわけないじゃん。コイツらみんな頭悪いんだから」
「私は偶々この機械のこと、古文書で見つけましたの。まあ、その文書は行方しれずになってしまいましたけど」
「この嘘つき! 巫山戯るな、私はヒロインなんだから、悪役令嬢のあんたに負けるわけないじゃん」
「最近は悪役令嬢の方が善人のパターン、結構ありますわよ」
「やっぱり知ってんじゃんか。離せ、あたしはコイツに嵌められたんだ。
やめろ! 触んじゃねぇ」
「見苦しい、さっさと連れて行くが良い」
「おお、構わんとも。
もしかして“あれ” か?」
「少しばかり改良も加えてございます。お楽しみいただければ幸いに存じます」
陛下と王妃は、子供のように目を輝かせ前のめりになり、アンダーソン公爵夫妻は頭を抱えてしまった。
「そのような時間稼ぎをしても無駄だとわからないなど。卑劣な上に愚か者とは救いようがないな」
「ギルバート様ぁ、エミリアをとっとと牢屋に入れちゃってください。
あんな人がいるとぉ、サンドラ怖くて外を歩けませんわぁ」
ギルバートとサンドラの余興が終わる頃、子供の背丈程の機械がパーティー会場に運び込まれた。
「お待たせいたしました。再生してくれるかしら?」
ギルバートとイチャイチャしていたサンドラが、
「えっ? 再生? もしかしてあんた・・」
機械から大音響で流れてきたのは、
【君のように地味で冴えない人が婚約者だなんて恥ずかしくてしょうがないのに、その上性格も悪いなんて最悪だからね。
僕が矯正してあげるよ】
【あんたはメイドで私がギルバートの奥様になるの】
【教科書破ったり色々面倒くさかったんだから。
あんたが何にもやらないから、全部私がセッティングしてあげたのよ】
【そうそう、あれは痛かったわ~。あんたが階段下にいたのは誤算だったけど、ギルバートは気付いてなかったからあんたに落とされたって信じてるしー】
ギルバートとサンドラが真っ青になっている。
「如何でしょうか? お二方の声を記録させて頂いておりましたの」
会場中が騒めき始めた。
「なに今の、ギルバート様とサンドラさんの声だわ」
「うっ嘘だ、こんなのあり得ない。陛下、騙されないでください。人の声を記録するなんてあり得ない」
「他にも沢山ございますわ。お二方の暴言ですとか」
陛下が貴賓席からいそいそと降りてきて、機械の周りを回りながら、
「随分と小さくなったのだな」
「はい、以前ご覧頂いたものだと大きすぎて移動が困難でしたので、この一ヶ月で改良を加えました」
「そんなものは証拠でもな「エミリアよ、今ここで試してみてはどうかな?」」
「御意にございます。
ギルバート様、この機械は人の声を記録する為のもので、同様の物を既に陛下に献上致しておりますの」
「そんな、だったらそれは本物か?」
機械が再生を始めた。
【そんな、だったらそれは本物か?】
「!」
「これで私の無実は証明されたと存じます。
さて、今度は私から断罪と婚約破棄させて頂きましょう。
婚約者がいるにもかかわらず、ギルバート様は別の女性と通じておられたこと。
数々の暴言や、このような公の場所で土下座を申しつけるなど、婚約破棄の上慰謝料の請求をさせて頂きます」
「だっ騙されたんだ。僕はサンドラに騙されてただけだから。僕は悪くない」
「例えそうだったとしても、結果は変わりませんわ。
元々この婚約自体不正なやり方で行われたものですし」
「その話は余も聞き及んでおる。アンダーソン公爵、それは誠か?」
「あっあの、それは」
「アンダーソン公爵様は、お父様を酒で酔わせ婚姻契約書にサインさせたのでしたね」
「アンダーソン公爵、余の前で申し開きしてみよ。
其方はこの音声を記録する装置の利権を狙い、フィッツロイ伯爵を嵌めたのであろう?」
「もっ申し訳ありません。どうかお赦しを」
「衛兵、アンダーソン公爵夫妻とそこの愚か者達を連れて行け」
壁際に整列していた衛兵達が4人を捕縛し連行しようとした。
「エミリア! すまなかった、許してくれ。僕が本当に好きなのはエミリアだけなんだ。頼む、助けてくれ!」
「私はなにも知らなかったのよ。旦那様が勝手にした事なんだから。
エミリア、私だけでも助けてちょうだい」
「アンダーソン夫人、あなたの暴言も記録していますの。利権だけ寄越せば婚約破棄してやるって仰ったでしょう? 他にもありますわ」
「そんな・・」
「エミリア、あんたも転生者ね! 仲間じゃない、助けなさいよ」
「何のことだか分かりかねますわ」
「音声を記録する装置なんてこの国の奴らが思いつくわけないじゃん。コイツらみんな頭悪いんだから」
「私は偶々この機械のこと、古文書で見つけましたの。まあ、その文書は行方しれずになってしまいましたけど」
「この嘘つき! 巫山戯るな、私はヒロインなんだから、悪役令嬢のあんたに負けるわけないじゃん」
「最近は悪役令嬢の方が善人のパターン、結構ありますわよ」
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