【完結】お姉様!脱お花畑いたしましょう

との

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準備万端

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 私達家族の住んでいる離宮は、学園から馬車で30分ほどの所にあります。

 屋敷の門を抜けて馬車が少し速度を落とし、林の中を走っていきます。
 この辺りは子供の頃、隠れん坊をしていてしょっちゅう迷子になっていたので、あまり好きではありませんの。初春の柔らかい陽射しに輝く白亜の屋敷が、木の間から見え始めるとホッといたします。

 玄関前に着くと、私専属の執事が馬車のドアを開けてくれます。

「御帰りなさいませ。ミリアム様」
「ただ今、お父様はまだ王宮に?」
「はい、本日は奥方様とご一緒に出仕しておられます」
「えっ?お母様も?」
「はい、左様でございます」

 がっかりです。まぁ、お二人が揃って居られる時にご報告したいので、都合が良いと思う事に致しましょう。あまり遅くなられない事を祈ります。
「ではお父様達にお手紙をお書きするので、届けてちょうだい」
「かしこまりました」

「えーっと、リディは? リディはもしかして、もう帰ってきているのかしら?」
「はい。今日はお早いお帰りだったご様子です。今はお部屋にいらっしゃると思いますが、お声をおかけ致しましょうか?」
「ううん、いいの。ちょっと聞いただけだから」
「かしこまりました」

 玄関ホールから2階の自室へ行く途中、妹の部屋の前を通ります。私はこの妹が少しばかり苦手ですの。大切な妹ですし、好きだと・・うん、好きです。勿論ですわ。そう、家族ですものね。
 妹の部屋の前をそーっと通り過ぎる癖があるのは、私の優しさと言う事にしてくださいませ。音に気が付いて、お部屋から出て来られたら嫌だから・・なんて理由では無いのですよ。
 
 無事自室に辿り着きました。ほっと一安心です。

「この手紙をお父様にお届けしてちょうだい。出来るだけ急いでね」
「かしこまりました」
「お召し替えなさいますか?」
「ええお願い。今日はお父様達と、とても大切なお話があるから、部屋着では無くあの新しい緑のドレスがいいわ」

 お日様の元では白銀に輝く、淡い色合いの金髪とエメラルドグリーンの瞳は、お父様譲りです。あの緑のドレスなら、私の瞳の色がいっそう引き立つでしょう。少し大人っぽく見える気もしますしね。
 この国の王家の方々は何故か皆、この色の瞳を持っておられます。なので、市井に出かける際などは、フードを深めに被ったりと中々大変なのですわ。

 因みに妹は、ほんの少し赤味のある金髪に、エメラルドグリーンの瞳をしております。この髪の色はお母さま譲りです。
 私の髪と瞳の色だと、パステルカラーのようなドレスは、ぼやけてしまって似合いませんが、妹は濃い色のドレスも淡い色のドレスも着こなしていて、とても羨ましく思っております。

 さて、お父様達がお帰りになられるまでに、お気に入りのハーブティーで気持ちを落ち着ける事にいたしましょう。

 
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