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27.周りの反応なんて知りません!
「そんな! どうかお許し下さい。そんなつもりではなかったんです。ほんの出来心で⋯⋯父上! 父上の指示ですよね!! 俺は悪くない。フォレスト閣下、それをしたのは俺じゃないんです。父上と母上の指示なんです」
軍法会議は軍人に対して司法権を行使する軍隊内の機関です。『軍隊指揮権を強固に維持し指揮命令系統を守る』事を目的にしていますが兵士の犯罪や軍紀違反の処罰も行います。
通常の裁判との最も大きな違いは刑罰の重さだと言われています。通常の裁判よりも数倍の刑が課されるので『軍法会議』と聞いただけで震え上がる方も多いようです。
ステファン様もわたくしの腕と同じくらいプルプルと震えておられますね。
そろそろグレッグを降ろしたいのですがお猿のように手足でしがみついているのでもう少し頑張ります。
今回の件は『公文書偽造』です。書類を偽造されていてもそれによる実害などは今の所皆無ですから⋯⋯通常の裁判所に提訴すれば恐らく懲役ではなく罰金刑で済むと思いますが、軍法会議だと懲役刑の可能性が高くなりそうです。
「規律を守るべき軍人が『規律』を破って許されると思ったか?」
「ぐ、軍務には関係ないのですから、せめて一般の裁判所での審議をお願いします」
軍人の中で階級が一番上の兵科将校が裁判長をつとめます。つまり今回の場合は目の前で怒髪天を突く勢いで怒りを表しているフォレスト公爵閣下が裁判長のようです。
なむなむ。
「貴様はまだ我が部隊に所属する中尉だと言う事を忘れたか!? 我が部隊の者が犯罪を犯せば我らの手で処罰するのは当然であろう!」
「だって孫の親が平民だなんて嫌だって母上が。父上も母親が誰かなんて気にする奴はいないって。俺は書類を偽造なんてしたくなかった! 俺はそんなことするよりこんな子供なんか孤児院」
「お黙りなさい!! 子供の前でそれを言うのだけは許しません!! フォレスト公爵閣下、大切な議論の最中に申し訳ありませんが子供達を退出させる許可をいただきたく⋯⋯お許し願えますでしょうか」
「配慮が足らず申し訳ない。子供達を労わってあげて欲しい」
顔が引き攣っている自覚がありますが、誰にどう思われようと構いません。
「失礼致します」
礼をする気にもなれず口先だけの挨拶で退出しました。ターニャもハンナもわたくしと同じくらい腹を立てています。
もう少し前に退出するべきでした。細かいところはわからなくてもなんとなくの雰囲気でグレッグは理解してしまったかもしれません。興味本位で話を聞きたがったわたくしの判断ミスです。
今日だけでも何度グレッグに辛い思いをさせてしまったか⋯⋯いつまで経っても成長せず情け無いです。
「グレッグとチェイスはお腹が空いたでしょう? すぐにご飯にしましょうね」
頷きもせずわたくしの胸に張り付いているグレッグをしっかりと抱え直しました。
青の間に戻ると心配そうな顔のメイサがグレッグに手を伸ばしてきましたが、ぎゅっとしがみつくグレッグをそのままにしてソファに腰掛けました。
「急いで食事の準備をお願いできるかしら。思ったより時間がかかったからお腹が空いちゃったわ」
本当は食欲なんてありませんが子供達の前では言えません。指を咥えているチェイスは不安から赤ちゃん返りしているのかも⋯⋯。
ターニャがコップに果実水を入れて持ってきましたがグレッグは顔を背けてしまいました。
「グレッグ、喉が渇いたから半分こしない?」
ターニャからコップを受け取って少し飲んでからグレッグに『はい、どうぞ』と渡しました。素直にチビチビと飲むのが可愛いです。チェイスを見ると勢いがつき過ぎて少し溢していますね。
チェイスの年齢なら大人が怒鳴っていることしかわからなかったでしょうから復活が早いのでしょう。
グレッグがどの程度理解したのか⋯⋯してしまったのかが気に掛かります。
メイサがワゴンを運んで来てターニャと一緒にテーブルに並べはじめました。
「なんだか美味しそうな匂いがするわ。今日はわたくしの大好きなクロワッサンがあるって料理長が話してたのよ。それに甘ーい人参も。朝ごはんの時食べたんだけど忘れちゃったかしら?」
グレッグの反応はありませんが仕方ありません。寝るまでには少し復活できるよう頑張ります。
「よいしょ」
お年寄りのような掛け声が可笑しかったのかグレッグがわたくしの首に顔を埋めて呟きました。
「⋯⋯しょ」
「さあ、今日は何かしら。この匂いはお魚? あら、今日はポタージュスープだわ」
あれこれと気を紛らわすように話しながらグレッグを子供用の椅子に座らせようとしましたがやっぱり離れてくれませんでした。
これは仕方ありません、腕はプルプルですがもうひと頑張りします。
軍法会議は軍人に対して司法権を行使する軍隊内の機関です。『軍隊指揮権を強固に維持し指揮命令系統を守る』事を目的にしていますが兵士の犯罪や軍紀違反の処罰も行います。
通常の裁判との最も大きな違いは刑罰の重さだと言われています。通常の裁判よりも数倍の刑が課されるので『軍法会議』と聞いただけで震え上がる方も多いようです。
ステファン様もわたくしの腕と同じくらいプルプルと震えておられますね。
そろそろグレッグを降ろしたいのですがお猿のように手足でしがみついているのでもう少し頑張ります。
今回の件は『公文書偽造』です。書類を偽造されていてもそれによる実害などは今の所皆無ですから⋯⋯通常の裁判所に提訴すれば恐らく懲役ではなく罰金刑で済むと思いますが、軍法会議だと懲役刑の可能性が高くなりそうです。
「規律を守るべき軍人が『規律』を破って許されると思ったか?」
「ぐ、軍務には関係ないのですから、せめて一般の裁判所での審議をお願いします」
軍人の中で階級が一番上の兵科将校が裁判長をつとめます。つまり今回の場合は目の前で怒髪天を突く勢いで怒りを表しているフォレスト公爵閣下が裁判長のようです。
なむなむ。
「貴様はまだ我が部隊に所属する中尉だと言う事を忘れたか!? 我が部隊の者が犯罪を犯せば我らの手で処罰するのは当然であろう!」
「だって孫の親が平民だなんて嫌だって母上が。父上も母親が誰かなんて気にする奴はいないって。俺は書類を偽造なんてしたくなかった! 俺はそんなことするよりこんな子供なんか孤児院」
「お黙りなさい!! 子供の前でそれを言うのだけは許しません!! フォレスト公爵閣下、大切な議論の最中に申し訳ありませんが子供達を退出させる許可をいただきたく⋯⋯お許し願えますでしょうか」
「配慮が足らず申し訳ない。子供達を労わってあげて欲しい」
顔が引き攣っている自覚がありますが、誰にどう思われようと構いません。
「失礼致します」
礼をする気にもなれず口先だけの挨拶で退出しました。ターニャもハンナもわたくしと同じくらい腹を立てています。
もう少し前に退出するべきでした。細かいところはわからなくてもなんとなくの雰囲気でグレッグは理解してしまったかもしれません。興味本位で話を聞きたがったわたくしの判断ミスです。
今日だけでも何度グレッグに辛い思いをさせてしまったか⋯⋯いつまで経っても成長せず情け無いです。
「グレッグとチェイスはお腹が空いたでしょう? すぐにご飯にしましょうね」
頷きもせずわたくしの胸に張り付いているグレッグをしっかりと抱え直しました。
青の間に戻ると心配そうな顔のメイサがグレッグに手を伸ばしてきましたが、ぎゅっとしがみつくグレッグをそのままにしてソファに腰掛けました。
「急いで食事の準備をお願いできるかしら。思ったより時間がかかったからお腹が空いちゃったわ」
本当は食欲なんてありませんが子供達の前では言えません。指を咥えているチェイスは不安から赤ちゃん返りしているのかも⋯⋯。
ターニャがコップに果実水を入れて持ってきましたがグレッグは顔を背けてしまいました。
「グレッグ、喉が渇いたから半分こしない?」
ターニャからコップを受け取って少し飲んでからグレッグに『はい、どうぞ』と渡しました。素直にチビチビと飲むのが可愛いです。チェイスを見ると勢いがつき過ぎて少し溢していますね。
チェイスの年齢なら大人が怒鳴っていることしかわからなかったでしょうから復活が早いのでしょう。
グレッグがどの程度理解したのか⋯⋯してしまったのかが気に掛かります。
メイサがワゴンを運んで来てターニャと一緒にテーブルに並べはじめました。
「なんだか美味しそうな匂いがするわ。今日はわたくしの大好きなクロワッサンがあるって料理長が話してたのよ。それに甘ーい人参も。朝ごはんの時食べたんだけど忘れちゃったかしら?」
グレッグの反応はありませんが仕方ありません。寝るまでには少し復活できるよう頑張ります。
「よいしょ」
お年寄りのような掛け声が可笑しかったのかグレッグがわたくしの首に顔を埋めて呟きました。
「⋯⋯しょ」
「さあ、今日は何かしら。この匂いはお魚? あら、今日はポタージュスープだわ」
あれこれと気を紛らわすように話しながらグレッグを子供用の椅子に座らせようとしましたがやっぱり離れてくれませんでした。
これは仕方ありません、腕はプルプルですがもうひと頑張りします。
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