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第二章・アイゼンリウト騒乱編
第50話 冒険者、門番たちに遭遇する
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城内に突入した俺達は、以前訪れた奥の間に行って見たがそこには誰もおらず、姫の案内で最上階を目指す。
「まって」
イーリスの声に俺達は足を止める。次の瞬間、納めていた黒隕剣が鞘から抜け、それを咄嗟に掴んで引き抜いた。黒隕剣に任せると何かを弾く。
「ふぅむ。ワタクシの遊び相手にしては中々上等」
ズン、という音と共に目の前に現れたのは、ビッドのような筋肉質で巨大な魔族だった。赤い肌に天を突かんとするように真上に伸びた角。口髭を蓄え犬歯が口から飛び出るまで伸びている。銀の鎧を腰から下に着ているが上半身は裸だ。翼があるから邪魔、と言う訳でも無いだろうに。やはり人間相手だから余裕だと踏んだのか。
「レッサーデーモンね」
「ならここは」
アリスとイーリスが前に出ようとしたが、ダンディスさんが前に出て制止する。
「ビッドの旦那に良い所持ってかれたんだ。ここは俺に任せてもらおうか」
「ダンディスさん……」
「レッサーデーモンは並の魔族とは訳が違うわ。知能含め総合力は圧倒的に上よ」
「なら俺も残ろう。それなら文句あるまい」
リードルシュさんも前に出て、ダンディスさんと並んだ。
「文句あるんデスヨねぇ。お前達ごときがワタクシと対等に渡り合えると思えるナンてナンセンスデス!」
レッサーデーモンが飛びかかってきたが、ダンディスさんは斬撃で迎え撃つ。そして次にリードルシュさんが抜刀術で追い打ちをかける。レッサーデーモンは両腕を交差させてそれを防いだ。切り傷は与えられず蚯蚓腫れに留まってしまう。何て頑丈な肌してるんだ。
「ホウ、ヤルではないデスか。ただしどれほど持つものデスかねぇ」
腕を組みながら首を振るレッサーデーモン。ノーダメージでは無かったのにこの余裕は凄まじい慢心なのか、それとも圧倒的な優位を確信しているからなのか。慢心であってくれればと祈る他無い。
「さぁ旦那方。先に言ってくれ」
「そうだ。ビッド達の為にも早く行け」
俺は返事をせず頷き、二人の背中に一礼してからファニーと姫、イーリスとアリスを連れ迂回して進む。
「オンやぁ? 何処へイカレるんですかぁ? ワタクシから逃げられると思ってないデショウねぇ?」
俺達の前に立ちふさがるレッサーデーモン。だが俺は止まらず進む。
「自ら首を差し出すとは、良い心掛けデス」
レッサーデーモンは、その太い腕を振り下ろすも俺は無視して進む。
「ぐほあ!?」
レッサーデーモンはダンディスさんとリードルシュさんの攻撃を受け、俺達の横へ吹き飛ばされた。あのデカいのを吹き飛ばすなんて流石だ。
「やったぜ。あの王には利かなくとも、あれ程度なら俺の剣技も使えるわ」
「当然だろう」
ダンディスさんとリードルシュさんはスカッとした顔をしていた。あの王との戦いは絶望を抱かせるには十分だったが、二人がこうして立ち上がり共に立ち向かってくれて感謝しかない。この化け物をぶっ飛ばして少しは鬱憤を晴らせて何よりだ。
二人は俺達を挟むように立ち、先へ行くよう手で促す。
「必ず」
「当然」
「ああ」
俺とダンディスさん、リードルシュさんは短く言葉を交わして別れた。まだ本番はこれからだ。あの王を俺一人で倒せるとは思えないし、ここから先も刺客は必ず出てくる。
二人の力は必ず必要になるから待っている、そう短く言い二人はしっかり受け取って答えてくれた。それを信じ先に進む。
「コウ殿こちらです」
姫に先導してもらい、俺達は頂上にある王座の間へ行く為最短コースを行く。考えるに王はこのコースを取ると当然予想している。そしてこのコースは姫の部屋へ行く広間に一旦出る。そこに敵が居ると踏んでいた。
広間の敵を放置すれば、王座の間に乱入される可能性がある。そうなれば勝率を下げることにもなりかねない。敢えてしっかり確認して迎撃する。それがリムンやビッド、そしてダンディスさんとリードルシュさんを護ることにもつながる。
「あらまぁやっぱりあのダメ魔族はアンタ達を通しちゃったのか」
広間に着くと案の定次の敵が居た。しかしそれは想像するよりも遥かにデカイ奴だった。
「おやおや、まさか居ないだろうなんて思わないよな。竜は別にファフニールの専売特許じゃねーからな」
「お前は一体……」
「俺もあの王に召喚されたクチだ。カースドラゴン。まぁ魔竜の中でも中の上ってとこだな」
それは広間の先に羽根を羽ばたかせて浮いており、真っ黒な鱗に覆われた、解り易い竜だった。ただファニーの竜の状態よりも小さい。
「口惜しや……魔族に付き添いを頼まねばならんとは……」
「ですね……」
ファニーと姫が前へ出る。
「二人とも」
「早く行けコウ。こいつは我らでしか倒せまい」
「そうです。本来なら私がコウ殿と共に、父上の元へと行きたいのですが、竜には竜の武器が効果が高いのです」
「そうだ。それにこいつを野放しにしては、リムンとビッドが危ない」
二人は俺に笑顔を見せると前へ向き直り、構えた。
「我はファフニールではない! ファニーだ」
「アイゼンリウト第一姫イリア、参る!」
二人は竜を落とさんと攻撃を開始する。
「二人とも安心なさい。あの王を倒すまで、コウは生かしておいてあげるわ」
「そうよ。でも王を倒した後は保証しないから、助けたいならさっさと片付けてくる事ね」
イーリスとアリスは背中を見せるファニーと姫にそう告げて発破を掛けた。
「言われなくとも!」
「当然です!」
ファニーと姫はそう声を上げ、カースドラゴンに仕掛けていく。
「行くわよコウ」
「ほら、早く!」
イーリスとアリスに促され、俺は広間を後にした。ファニーとは目と目で会話出来たと思う。約束は忘れていない。必ず果たすと眼で伝えられたと思う。皆……必ず王を倒すから無事でいてくれよ。
俺とイーリス、アリスの三人は王が待つ王座の間へと走る。
「まって」
イーリスの声に俺達は足を止める。次の瞬間、納めていた黒隕剣が鞘から抜け、それを咄嗟に掴んで引き抜いた。黒隕剣に任せると何かを弾く。
「ふぅむ。ワタクシの遊び相手にしては中々上等」
ズン、という音と共に目の前に現れたのは、ビッドのような筋肉質で巨大な魔族だった。赤い肌に天を突かんとするように真上に伸びた角。口髭を蓄え犬歯が口から飛び出るまで伸びている。銀の鎧を腰から下に着ているが上半身は裸だ。翼があるから邪魔、と言う訳でも無いだろうに。やはり人間相手だから余裕だと踏んだのか。
「レッサーデーモンね」
「ならここは」
アリスとイーリスが前に出ようとしたが、ダンディスさんが前に出て制止する。
「ビッドの旦那に良い所持ってかれたんだ。ここは俺に任せてもらおうか」
「ダンディスさん……」
「レッサーデーモンは並の魔族とは訳が違うわ。知能含め総合力は圧倒的に上よ」
「なら俺も残ろう。それなら文句あるまい」
リードルシュさんも前に出て、ダンディスさんと並んだ。
「文句あるんデスヨねぇ。お前達ごときがワタクシと対等に渡り合えると思えるナンてナンセンスデス!」
レッサーデーモンが飛びかかってきたが、ダンディスさんは斬撃で迎え撃つ。そして次にリードルシュさんが抜刀術で追い打ちをかける。レッサーデーモンは両腕を交差させてそれを防いだ。切り傷は与えられず蚯蚓腫れに留まってしまう。何て頑丈な肌してるんだ。
「ホウ、ヤルではないデスか。ただしどれほど持つものデスかねぇ」
腕を組みながら首を振るレッサーデーモン。ノーダメージでは無かったのにこの余裕は凄まじい慢心なのか、それとも圧倒的な優位を確信しているからなのか。慢心であってくれればと祈る他無い。
「さぁ旦那方。先に言ってくれ」
「そうだ。ビッド達の為にも早く行け」
俺は返事をせず頷き、二人の背中に一礼してからファニーと姫、イーリスとアリスを連れ迂回して進む。
「オンやぁ? 何処へイカレるんですかぁ? ワタクシから逃げられると思ってないデショウねぇ?」
俺達の前に立ちふさがるレッサーデーモン。だが俺は止まらず進む。
「自ら首を差し出すとは、良い心掛けデス」
レッサーデーモンは、その太い腕を振り下ろすも俺は無視して進む。
「ぐほあ!?」
レッサーデーモンはダンディスさんとリードルシュさんの攻撃を受け、俺達の横へ吹き飛ばされた。あのデカいのを吹き飛ばすなんて流石だ。
「やったぜ。あの王には利かなくとも、あれ程度なら俺の剣技も使えるわ」
「当然だろう」
ダンディスさんとリードルシュさんはスカッとした顔をしていた。あの王との戦いは絶望を抱かせるには十分だったが、二人がこうして立ち上がり共に立ち向かってくれて感謝しかない。この化け物をぶっ飛ばして少しは鬱憤を晴らせて何よりだ。
二人は俺達を挟むように立ち、先へ行くよう手で促す。
「必ず」
「当然」
「ああ」
俺とダンディスさん、リードルシュさんは短く言葉を交わして別れた。まだ本番はこれからだ。あの王を俺一人で倒せるとは思えないし、ここから先も刺客は必ず出てくる。
二人の力は必ず必要になるから待っている、そう短く言い二人はしっかり受け取って答えてくれた。それを信じ先に進む。
「コウ殿こちらです」
姫に先導してもらい、俺達は頂上にある王座の間へ行く為最短コースを行く。考えるに王はこのコースを取ると当然予想している。そしてこのコースは姫の部屋へ行く広間に一旦出る。そこに敵が居ると踏んでいた。
広間の敵を放置すれば、王座の間に乱入される可能性がある。そうなれば勝率を下げることにもなりかねない。敢えてしっかり確認して迎撃する。それがリムンやビッド、そしてダンディスさんとリードルシュさんを護ることにもつながる。
「あらまぁやっぱりあのダメ魔族はアンタ達を通しちゃったのか」
広間に着くと案の定次の敵が居た。しかしそれは想像するよりも遥かにデカイ奴だった。
「おやおや、まさか居ないだろうなんて思わないよな。竜は別にファフニールの専売特許じゃねーからな」
「お前は一体……」
「俺もあの王に召喚されたクチだ。カースドラゴン。まぁ魔竜の中でも中の上ってとこだな」
それは広間の先に羽根を羽ばたかせて浮いており、真っ黒な鱗に覆われた、解り易い竜だった。ただファニーの竜の状態よりも小さい。
「口惜しや……魔族に付き添いを頼まねばならんとは……」
「ですね……」
ファニーと姫が前へ出る。
「二人とも」
「早く行けコウ。こいつは我らでしか倒せまい」
「そうです。本来なら私がコウ殿と共に、父上の元へと行きたいのですが、竜には竜の武器が効果が高いのです」
「そうだ。それにこいつを野放しにしては、リムンとビッドが危ない」
二人は俺に笑顔を見せると前へ向き直り、構えた。
「我はファフニールではない! ファニーだ」
「アイゼンリウト第一姫イリア、参る!」
二人は竜を落とさんと攻撃を開始する。
「二人とも安心なさい。あの王を倒すまで、コウは生かしておいてあげるわ」
「そうよ。でも王を倒した後は保証しないから、助けたいならさっさと片付けてくる事ね」
イーリスとアリスは背中を見せるファニーと姫にそう告げて発破を掛けた。
「言われなくとも!」
「当然です!」
ファニーと姫はそう声を上げ、カースドラゴンに仕掛けていく。
「行くわよコウ」
「ほら、早く!」
イーリスとアリスに促され、俺は広間を後にした。ファニーとは目と目で会話出来たと思う。約束は忘れていない。必ず果たすと眼で伝えられたと思う。皆……必ず王を倒すから無事でいてくれよ。
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