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2話
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この世界には、神に願いを叶えて貰う為の手段がある。
一つの儀式として残るその大会は、どこの国もが参加する。
参加者はチームを組み、大会運営国での登録をすませればそれで終了となる。
伝書蝶が試合場所を提示し、まずはそこへと辿り着く事が一。
互いに辿り着いたならば試合後、勝てば二。
最後の一チームが決まるまで繰り返し、そして三、最後の儀式は、神の住まう地へと辿り着く事であった。
細かなルールはあれど、過去の儀式からこうであろう、という羅列に過ぎず、明確でない。
しかし、神が認めずして勝者となったとして、最後の道が開かぬ故にまとめられた事象であった。
大会参加者はそれぞれの体質から六つにその力を分ける事が出来る。
まず、荒猟師――ハンター。武器を使い戦う者。
次に、魔法師――ウィザー。ハンターと対し、魔術での攻撃を得意とする者。
三、治療師――ヒーラー。治療を専門に行う者であり、試合に参加せず、サポートとして参加している者が多い。
四、祝福を与え、技を強化する者、祝福者――ブレッサー。
五、生き物を自在に操る、魅了者――チャーマー。六、呪いを使う者としか解っていない、呪術師――ソーサラー。
そして、招霊師――コンシュラー。外界の力を招き使う者。
しかし、その力を持つ者は存在せず、チームリーダーを指す言葉となっているのが現状である。
「七に別れると言うのが伝統だが、実際は招霊師が名前だけなのが現実だ。だから、六つに別れる、となっている」
で、とウェスタは召喚された少女を見た。
一夏に肩を抱かれ、共に腰掛ける少女の衣服は女王国、樊籠の民族衣装と良く似た着物姿だった。
召喚の際に乱れた髪を一夏に整えられた姿は、お世辞にも争い事が得意には見えない。
「茶桜、だったか? これは伝書蝶」
ひら、とウェスタの人差し指で羽を休めていた蝶が茶桜に向かい飛ぶ。
ひら、ひら、と舞いながら、その羽が橙から黄色へと変わって行く。
ひら、と茶桜の頭へと止まり羽を休めれば、羽の隅々まで黄色に変わっていた。
「どうやら、茶桜さんは祝福者の様ですね」
伝言蝶の前へ指を出せば、ひら、と舞い青へと色を変える。
さて、と伝言蝶へ籠を向ければ、大人しく入り、静かに制止し、その色は黒に戻っていた。
「すまないが、お前は登録されてしまった。この試合が終わるまでは付き合って貰うしかない」
えっと、と口ごもる茶桜の肩を撫で、大丈夫ですよ、と一夏は笑う。
「召喚されたばかりで、とても混乱されているでしょうが、休戦が終われば試合が再開されます」
まずは、私から離れぬように、と一夏は優しく話す。
「ウェスタ、私が茶桜さんを守ります。一人で大丈夫ですか?」
心配などしていない声で、一夏がウェスタを見た。それに返すウェスタの視線もまた、迷いなく強い。
「無論。元々、一人でもと思っていた事だ」
二人が頷き合う様を見ながら、ぼんやりとただただ反射的に飛び交う質問に茶桜は答えた。
一つの儀式として残るその大会は、どこの国もが参加する。
参加者はチームを組み、大会運営国での登録をすませればそれで終了となる。
伝書蝶が試合場所を提示し、まずはそこへと辿り着く事が一。
互いに辿り着いたならば試合後、勝てば二。
最後の一チームが決まるまで繰り返し、そして三、最後の儀式は、神の住まう地へと辿り着く事であった。
細かなルールはあれど、過去の儀式からこうであろう、という羅列に過ぎず、明確でない。
しかし、神が認めずして勝者となったとして、最後の道が開かぬ故にまとめられた事象であった。
大会参加者はそれぞれの体質から六つにその力を分ける事が出来る。
まず、荒猟師――ハンター。武器を使い戦う者。
次に、魔法師――ウィザー。ハンターと対し、魔術での攻撃を得意とする者。
三、治療師――ヒーラー。治療を専門に行う者であり、試合に参加せず、サポートとして参加している者が多い。
四、祝福を与え、技を強化する者、祝福者――ブレッサー。
五、生き物を自在に操る、魅了者――チャーマー。六、呪いを使う者としか解っていない、呪術師――ソーサラー。
そして、招霊師――コンシュラー。外界の力を招き使う者。
しかし、その力を持つ者は存在せず、チームリーダーを指す言葉となっているのが現状である。
「七に別れると言うのが伝統だが、実際は招霊師が名前だけなのが現実だ。だから、六つに別れる、となっている」
で、とウェスタは召喚された少女を見た。
一夏に肩を抱かれ、共に腰掛ける少女の衣服は女王国、樊籠の民族衣装と良く似た着物姿だった。
召喚の際に乱れた髪を一夏に整えられた姿は、お世辞にも争い事が得意には見えない。
「茶桜、だったか? これは伝書蝶」
ひら、とウェスタの人差し指で羽を休めていた蝶が茶桜に向かい飛ぶ。
ひら、ひら、と舞いながら、その羽が橙から黄色へと変わって行く。
ひら、と茶桜の頭へと止まり羽を休めれば、羽の隅々まで黄色に変わっていた。
「どうやら、茶桜さんは祝福者の様ですね」
伝言蝶の前へ指を出せば、ひら、と舞い青へと色を変える。
さて、と伝言蝶へ籠を向ければ、大人しく入り、静かに制止し、その色は黒に戻っていた。
「すまないが、お前は登録されてしまった。この試合が終わるまでは付き合って貰うしかない」
えっと、と口ごもる茶桜の肩を撫で、大丈夫ですよ、と一夏は笑う。
「召喚されたばかりで、とても混乱されているでしょうが、休戦が終われば試合が再開されます」
まずは、私から離れぬように、と一夏は優しく話す。
「ウェスタ、私が茶桜さんを守ります。一人で大丈夫ですか?」
心配などしていない声で、一夏がウェスタを見た。それに返すウェスタの視線もまた、迷いなく強い。
「無論。元々、一人でもと思っていた事だ」
二人が頷き合う様を見ながら、ぼんやりとただただ反射的に飛び交う質問に茶桜は答えた。
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