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守り石の精霊
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「自己紹介が、必要だと思います」
重く――子供特有のまだ高い声ではあるが、フィムの中では一番に低いだろう声に契約を結んでいる者達はおやおや、と一番の保護者――教育係として認知されているダンディを見た。
ぐったりと諦めきった様子のダンディはフィムの真後ろに横になり、だらりと伸びきった尾は床に投げ出されている。
一番の古参であるダンディがこれでは誰が何を言ったとて、この馬鹿げた自己紹介を止められはしないだろう。
『まぁ好き勝手に呼ばれるよりは良いかしら?』
最近契約を結んだ妖精がフォローするかの様に首を傾げながらフィムが組んだ両手を置いたテーブルへと降り立つ。
自身の影から取りだした椅子に腰かけ、優雅にお茶を飲む魔術師風の男、ウィーブラは我関せず、とでも言うように傍らに立つビアへお茶のおかわりを催促した。
「自己紹介くらいいいじゃねぇか。フィムが契約についてきちんと理解ないままに契約した奴もいるだろう?」
カップから香る匂いを楽しみながら、ウィーブラはなぁ? と隣に執事の様に立つビアへ問いかける。そうだな、とあっさりと返った返事に気分良くお茶を飲み、腕を組んだままのフィムに冷めるぞ、とお茶を進める。
どうなっているのか、ウィーブラは影から色々な物を取り出す。このお茶もそうで、ビアへ渡せば慣れを感じさせるほど自然に給仕に着いた。
美味しいからいいけど、とフィムは思い香り高いお茶を飲む。
『じゃぁ、貴方達は名乗ったらどうなのさ?』
「エル……」
フン、と腕を組み銀色の髪を大きく揺らすエルの態度に、フィムは悲しそうな声で名を呼んだ。床に付くほどに長い銀の髪と宝石の様に煌めく紫眼をフィムは大変気に入っている。本来の性格も好ましく、両親から贈られた誕生祝いの守り石に宿る精霊のエルの姿を漸く見れる様になったのはつい最近ではあるが、声も聞こえない頃から共に居るエルを親友と思っているフィムは、歳の離れた友や、兄のような、姉のような、と思う皆へのこの態度だけは不満を感じていた。
無理に仲良くして欲しいとは考えていない。言葉をつくしてさえ伝わらない事もある。前世を覚えているからこそ、伝わらない悔しさも、伝えられないふがいなさも多少は理解している。
「君は名乗らないのか」
リン、としっかりとした声に知らず下がっていた顔を上げればビアが、エルを見据えていた。
「達は、と君は言った。君は名乗らないのか?」
クク、とウィーブラの笑いが響き、可笑しそうにビアを、そしてエルを見る。
『僕は名乗る気はない』
「エル!」
「そうか。では君、戻りたまえ」
ビアの言葉には? と返したのはエルだけでなく、フィムもだった。
ウィーブラは吹出し笑いをこらえる様に腹を抱える。ダンディもなるほど、とビアの考えが分かったらしく、そうだな、とビアに同意する。
『僕に命令するな!』
「ふむ。私は命令してはいないのだが……」
なぜ君は怒っているのだ? と単調な声が問いかける。「あ、切れた」ダンディとウンディルがフィムの周りに結界を貼ると同時、ビアへ向け放たれた光の一撃は床にしっかりと穴を開けた。僅かに穴から煙が上がり、焦げた匂いが辺りを包む。閉め切られた空間にはその匂いがやけに鼻に付き、椅子から飛び降りエルの腕を掴み回り込むが、エルの表情は変わらずに苛立ちに満ちている。
「エル、どうしてこんな事するの!」
反省の色がないエルから視線を外し、掴んでいた腕も離すとビアへと向かう。
「ビア、ごめんなさい」
どう避けたのか、両足の間に開けられた穴に当たってないか、と問い怪我をしていなさそうな様子にエルを優先してしまった事を恥ながらフィムが謝ると、ビアはゆっくりと頭を撫でた。
それにまた後ろからエルの光線が飛ぶが、今度はウィーブラが操る影が呑み込む。
「身の程を知れ。お前達石の精霊は俺達には敵わん。そう作られているだろうに」
愚行だ、とウィーブラがエルを見るが、反省どころか、フィムを取られたとでも言いたげにやけに子供っぽい反応を示す。
本来、守り石の精霊達は穏やかな者が多い。
それは最初に石に願うのが母である事が多く、また子供が産まれるその日まで母と共に産まれる子を見守る事が殆どだからだ。髪の長さはその精霊の強さに比例し、長ければ長い程に力は強い。フィムから流れ出る魔力から髪の長さは順当な所ではあろうが、フィムの性格が大人な割にこの精霊は幼過ぎるのだ。
守るべき者の意思に反し、一歩間違えばフィムさえ傷つけかねないその力を平然と、考えなく使う様は力を制御出来ない子供と何も変わらない。
『フィムから離れろ』
話しを聞く耳も持たず、ウィーブラとビアを睨む。
「まったく。マスターの迷惑も考えないとは」
癇癪をおこす子供をウィーブラは冷やかに見下ろす。その瞳の冷たさにフィムも震えてしまうと、ビアがフィムの肩に手を置き、大丈夫だと僅かに微笑んだ。その目は穏やかでウィーブラへの信頼を感じ大丈夫なのだろう、と思えどやはり心配な物は心配だった。
最近、漸く見る事が出来る様になった気配だけの友達とようやく話す事が出来たのだ。フィムはフィムなりに考え、試し、漸く姿を見、話しが出来る様になった。特別な友達が自身によくしてくれる仲間のような、家族のような存在のダンディ達に悪く思われたくない。ただそれだけなのが、どうにもエルにはそれが伝わらない。
「守り石がこれでは、間もなくの試練でフィムを守れんぞ」
ウィーブラの言葉にエルは過剰に、一人で十分だと吠える。
「試練?」
こて、と首を傾げたフィムにそう言えば中途半端にしか教られていなかったか、とダンディがビアの横、フィムの目前へとジャンプしフィムの手を鼻先で突く。
『この国の守護者に認められる事。それが試練だ。守り石は守護者から主人を守り切る事で契約とし、実体を得る』
「触れるの?」
直ぐ様にフィムが反応した個所に、ダンディは笑い、エルは嬉しそうに顔を綻ばせる。
『そうだよ! フィムに触れる様になる! だから、一人でいい。フィムを守るのは僕だけの役目だから!』
「浅はかな」
鋭く、ウィーブラはエルへ更に鋭く睨んだ。
「国の守護者はフィムを殺す気でいる。自身を降す可能性があった者だけは全員殺されてんだ」
聞こえた物騒な言葉に、フィムはダンディを、そしてビアを見た。そして、ウィーブラとエルのやり取りを遠巻きに見守っていた面々を見渡し、その言葉が真実だと皆の目が告げている事を感じた。
「詳しく教えて」
『聞かなくていい! フィムはぼ』
「エル!」
叫んだフィムの声に、ビクリと肩を震わせたエルは見たことのない怖い顔で睨んで来るフィムの勢いに一歩、下がった。
「僕を殺されるのを、皆は黙って見ている訳じゃないの、わかるよ。だから、僕はちゃんと知らないといけないと思う。きっと、皆はどうすればいいか知っているんでしょ? でも、それが危険だからエルは皆に言わせたくないんだ」
流石だ、とウィーブラがフィムへと笑った。そこまで推察出来ればまぁいいだろう、と腕を一振りしテーブルなどを影へと仕舞う。
「国の守護者は待っている。自身の唯一の主人が戻って来る時を。それまで、誰にも縛られぬために縛り付ける可能性がある者を殺す。転生はやすやすと出来る物ではない。それでも魔力と本体の石があれば永遠に待つ事が出来る」
だから、待つ事を邪魔する可能性の全てを殺すのだ、とウィーブラはフィムへしっかりと伝えた。
「じゃぁ、僕が契約しないって伝えればいいって事?」
そうだ、とウィーブラは拍手を送った。
「問題は、年月が経ち過ぎて頭が固くなってんだよ、あの婆」
こっちの話しなんて聞く耳もたねぇだろうな、と笑うウィーブラに、待って、とフィムの顔から血の気が引き、慌ててエルがフィムの手を取り僕が守るから大丈夫だ、と訴える。
『ここから出るまでに殺されずとも、出てからも狙われる。故に、次に扉が開くまでに話しを聞かせ、信じて貰わねばならん』
ダンディが厄介だろう、とフィムへとにや、と笑い掛ける。そういえば好戦的だった、と普段は穏やかな紳士に移るダンディとの出会いを思い出し、やばいそれ、と零す。
「ふむ。時間だ、マスター。どうなるにせよ、私は君を守ろう」
ビアがフィムとエルの両手を掴み、握らせる。握ると言ってもフィムはエルに触れられず、エルもフィムには触れられない。けれど一瞬、ビアの手の中にあったあの一瞬だけ、滑らかな手に確かに触れた。
天井からの唯一の光が消え、部屋全体から魔力が滲みでる。
『動いては駄目ですよ』
ウンディルが二人の周りに水の膜を張ると同時、バチバチと静電気の様な物が水の膜の外に現れた。
魔力が唸るのを感じながら、一番魔力が濃い所を目を凝らして見れば僅かに靄の様な物が見えた。あれが、国の守護者なのかとフィムが思うと同時、魔力が唸り水の膜を攻撃する。
「さぁーて、やるぜ、マスター!」
ウィーブラが杖を真っ直ぐに靄へと構えた。彼も見えているのだろう。
「うん! 皆、命大事に、だよ!」
重く――子供特有のまだ高い声ではあるが、フィムの中では一番に低いだろう声に契約を結んでいる者達はおやおや、と一番の保護者――教育係として認知されているダンディを見た。
ぐったりと諦めきった様子のダンディはフィムの真後ろに横になり、だらりと伸びきった尾は床に投げ出されている。
一番の古参であるダンディがこれでは誰が何を言ったとて、この馬鹿げた自己紹介を止められはしないだろう。
『まぁ好き勝手に呼ばれるよりは良いかしら?』
最近契約を結んだ妖精がフォローするかの様に首を傾げながらフィムが組んだ両手を置いたテーブルへと降り立つ。
自身の影から取りだした椅子に腰かけ、優雅にお茶を飲む魔術師風の男、ウィーブラは我関せず、とでも言うように傍らに立つビアへお茶のおかわりを催促した。
「自己紹介くらいいいじゃねぇか。フィムが契約についてきちんと理解ないままに契約した奴もいるだろう?」
カップから香る匂いを楽しみながら、ウィーブラはなぁ? と隣に執事の様に立つビアへ問いかける。そうだな、とあっさりと返った返事に気分良くお茶を飲み、腕を組んだままのフィムに冷めるぞ、とお茶を進める。
どうなっているのか、ウィーブラは影から色々な物を取り出す。このお茶もそうで、ビアへ渡せば慣れを感じさせるほど自然に給仕に着いた。
美味しいからいいけど、とフィムは思い香り高いお茶を飲む。
『じゃぁ、貴方達は名乗ったらどうなのさ?』
「エル……」
フン、と腕を組み銀色の髪を大きく揺らすエルの態度に、フィムは悲しそうな声で名を呼んだ。床に付くほどに長い銀の髪と宝石の様に煌めく紫眼をフィムは大変気に入っている。本来の性格も好ましく、両親から贈られた誕生祝いの守り石に宿る精霊のエルの姿を漸く見れる様になったのはつい最近ではあるが、声も聞こえない頃から共に居るエルを親友と思っているフィムは、歳の離れた友や、兄のような、姉のような、と思う皆へのこの態度だけは不満を感じていた。
無理に仲良くして欲しいとは考えていない。言葉をつくしてさえ伝わらない事もある。前世を覚えているからこそ、伝わらない悔しさも、伝えられないふがいなさも多少は理解している。
「君は名乗らないのか」
リン、としっかりとした声に知らず下がっていた顔を上げればビアが、エルを見据えていた。
「達は、と君は言った。君は名乗らないのか?」
クク、とウィーブラの笑いが響き、可笑しそうにビアを、そしてエルを見る。
『僕は名乗る気はない』
「エル!」
「そうか。では君、戻りたまえ」
ビアの言葉には? と返したのはエルだけでなく、フィムもだった。
ウィーブラは吹出し笑いをこらえる様に腹を抱える。ダンディもなるほど、とビアの考えが分かったらしく、そうだな、とビアに同意する。
『僕に命令するな!』
「ふむ。私は命令してはいないのだが……」
なぜ君は怒っているのだ? と単調な声が問いかける。「あ、切れた」ダンディとウンディルがフィムの周りに結界を貼ると同時、ビアへ向け放たれた光の一撃は床にしっかりと穴を開けた。僅かに穴から煙が上がり、焦げた匂いが辺りを包む。閉め切られた空間にはその匂いがやけに鼻に付き、椅子から飛び降りエルの腕を掴み回り込むが、エルの表情は変わらずに苛立ちに満ちている。
「エル、どうしてこんな事するの!」
反省の色がないエルから視線を外し、掴んでいた腕も離すとビアへと向かう。
「ビア、ごめんなさい」
どう避けたのか、両足の間に開けられた穴に当たってないか、と問い怪我をしていなさそうな様子にエルを優先してしまった事を恥ながらフィムが謝ると、ビアはゆっくりと頭を撫でた。
それにまた後ろからエルの光線が飛ぶが、今度はウィーブラが操る影が呑み込む。
「身の程を知れ。お前達石の精霊は俺達には敵わん。そう作られているだろうに」
愚行だ、とウィーブラがエルを見るが、反省どころか、フィムを取られたとでも言いたげにやけに子供っぽい反応を示す。
本来、守り石の精霊達は穏やかな者が多い。
それは最初に石に願うのが母である事が多く、また子供が産まれるその日まで母と共に産まれる子を見守る事が殆どだからだ。髪の長さはその精霊の強さに比例し、長ければ長い程に力は強い。フィムから流れ出る魔力から髪の長さは順当な所ではあろうが、フィムの性格が大人な割にこの精霊は幼過ぎるのだ。
守るべき者の意思に反し、一歩間違えばフィムさえ傷つけかねないその力を平然と、考えなく使う様は力を制御出来ない子供と何も変わらない。
『フィムから離れろ』
話しを聞く耳も持たず、ウィーブラとビアを睨む。
「まったく。マスターの迷惑も考えないとは」
癇癪をおこす子供をウィーブラは冷やかに見下ろす。その瞳の冷たさにフィムも震えてしまうと、ビアがフィムの肩に手を置き、大丈夫だと僅かに微笑んだ。その目は穏やかでウィーブラへの信頼を感じ大丈夫なのだろう、と思えどやはり心配な物は心配だった。
最近、漸く見る事が出来る様になった気配だけの友達とようやく話す事が出来たのだ。フィムはフィムなりに考え、試し、漸く姿を見、話しが出来る様になった。特別な友達が自身によくしてくれる仲間のような、家族のような存在のダンディ達に悪く思われたくない。ただそれだけなのが、どうにもエルにはそれが伝わらない。
「守り石がこれでは、間もなくの試練でフィムを守れんぞ」
ウィーブラの言葉にエルは過剰に、一人で十分だと吠える。
「試練?」
こて、と首を傾げたフィムにそう言えば中途半端にしか教られていなかったか、とダンディがビアの横、フィムの目前へとジャンプしフィムの手を鼻先で突く。
『この国の守護者に認められる事。それが試練だ。守り石は守護者から主人を守り切る事で契約とし、実体を得る』
「触れるの?」
直ぐ様にフィムが反応した個所に、ダンディは笑い、エルは嬉しそうに顔を綻ばせる。
『そうだよ! フィムに触れる様になる! だから、一人でいい。フィムを守るのは僕だけの役目だから!』
「浅はかな」
鋭く、ウィーブラはエルへ更に鋭く睨んだ。
「国の守護者はフィムを殺す気でいる。自身を降す可能性があった者だけは全員殺されてんだ」
聞こえた物騒な言葉に、フィムはダンディを、そしてビアを見た。そして、ウィーブラとエルのやり取りを遠巻きに見守っていた面々を見渡し、その言葉が真実だと皆の目が告げている事を感じた。
「詳しく教えて」
『聞かなくていい! フィムはぼ』
「エル!」
叫んだフィムの声に、ビクリと肩を震わせたエルは見たことのない怖い顔で睨んで来るフィムの勢いに一歩、下がった。
「僕を殺されるのを、皆は黙って見ている訳じゃないの、わかるよ。だから、僕はちゃんと知らないといけないと思う。きっと、皆はどうすればいいか知っているんでしょ? でも、それが危険だからエルは皆に言わせたくないんだ」
流石だ、とウィーブラがフィムへと笑った。そこまで推察出来ればまぁいいだろう、と腕を一振りしテーブルなどを影へと仕舞う。
「国の守護者は待っている。自身の唯一の主人が戻って来る時を。それまで、誰にも縛られぬために縛り付ける可能性がある者を殺す。転生はやすやすと出来る物ではない。それでも魔力と本体の石があれば永遠に待つ事が出来る」
だから、待つ事を邪魔する可能性の全てを殺すのだ、とウィーブラはフィムへしっかりと伝えた。
「じゃぁ、僕が契約しないって伝えればいいって事?」
そうだ、とウィーブラは拍手を送った。
「問題は、年月が経ち過ぎて頭が固くなってんだよ、あの婆」
こっちの話しなんて聞く耳もたねぇだろうな、と笑うウィーブラに、待って、とフィムの顔から血の気が引き、慌ててエルがフィムの手を取り僕が守るから大丈夫だ、と訴える。
『ここから出るまでに殺されずとも、出てからも狙われる。故に、次に扉が開くまでに話しを聞かせ、信じて貰わねばならん』
ダンディが厄介だろう、とフィムへとにや、と笑い掛ける。そういえば好戦的だった、と普段は穏やかな紳士に移るダンディとの出会いを思い出し、やばいそれ、と零す。
「ふむ。時間だ、マスター。どうなるにせよ、私は君を守ろう」
ビアがフィムとエルの両手を掴み、握らせる。握ると言ってもフィムはエルに触れられず、エルもフィムには触れられない。けれど一瞬、ビアの手の中にあったあの一瞬だけ、滑らかな手に確かに触れた。
天井からの唯一の光が消え、部屋全体から魔力が滲みでる。
『動いては駄目ですよ』
ウンディルが二人の周りに水の膜を張ると同時、バチバチと静電気の様な物が水の膜の外に現れた。
魔力が唸るのを感じながら、一番魔力が濃い所を目を凝らして見れば僅かに靄の様な物が見えた。あれが、国の守護者なのかとフィムが思うと同時、魔力が唸り水の膜を攻撃する。
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