性転換・とある過疎村の秘儀神事

あけ

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三日三晩のひみつの神事

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過疎地域にある閉鎖的なこの村は、特に女と子どもが少なかった。
故にそこでは特異な風習があった。
 
そんな中で同い年の少年が2人、16歳を迎えていた。




 ***


1月の夕方5時、あたりがすっかり暗くなった頃、
村の中心となっている神社の敷地内に祝詞が流れてそれは始まった。

孝明たかあきは赤い袴、
洸太こうたは水色の袴を着けた着物姿で拝殿に座りそれを静かに聴く。

祈祷が終わった後、
孝明と洸太は社務所内の一室で神事中用の獣肉が入っていない夕餉をとっていた。


孝明は箸を置いて仏頂面を最大限申し訳なさそうに歪め、洸太に頭を下げた。 

「こんな古臭い風習、無理にやらなくていいのに
 …付き合わせてしまって悪い。」

「お前が主役になるんだろぉ? そっちの方が大変だって聞いたぜ?
 まぁ気にすんなよ。」

孝明とは対照的に柔和な笑顔でヘラリと返した。

「それにさ、三日三晩友達といられるなんて修学旅行じゃないけどさ、
 ワクワクすんじゃん!」

孝明は優しい洸太の返しに心がほんの少し軽くなる。



この村で1月に行われる神事は、成長期の少年2人が神社内に三日三晩篭って行う秘儀だった。
その神事によって1年の収穫が占われるという。

今年は孝明が主役の神子、耕太がその補佐役として任命された。
神社を任されているのは孝明の家で、孝明が神事のことになると駆り出されることは当然であり、
同じ年頃の少年は幼馴染の洸太しかいなかった故の配役である。


「ところで補佐役って何してればいいんだ?
 外から物の受け取りとか、主役の世話とは言われてるんだけどさ。
 まさか飯の受け渡しだけじゃないだろ?」

「飯の他に、俺がやる役が飲む秘薬がこの後渡されるはずだ。
 どうもその薬を飲むと結構しんどいらしくて、その世話が必要なんだと…。」

「えっ。 大丈夫かよその薬……。 ヤバイやつなんじゃないか?」

「親父も飲んだことはあるらしいが、
 作用自体は一時的なものだから問題ないって…。」


2人はすっかり青ざめていた。


食事が終わり、洸太が社務所の勝手口に膳を下げると、
そこには既に液体の入った小さな徳利が置かれていた。

「これが秘薬か……。」

「食後2時間後、就寝前には飲むこと」と注意書きが添えられていた。


 ***
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