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第1話 婚約破棄を繰り返す男-1-
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「婚約破棄ですか?」
「ああ、そうだ」
「わかりました。短い間でしたがお世話になりました」
「待て!ミア、どうしてそうなる」
私はミア・アプトン。平民出身の現在19歳。
そして前世は警視庁捜査一課の刑事でプロファイラー。
この世界に転生した時に、人間のどんな些細な変化も見逃さないスキル「観察者」を女神から与えられた。
そして得意の行動心理学を合わせて、人の嘘を見抜くことにはちょっと自信がある。
国王陛下の第二側妃ソフィア様の部屋付きの侍女をしていた時に、後宮で毒殺事件が起こり、それがきっかけでアイザック・ハワード陸軍第七中隊長と知り合った。紆余曲折あり、現在は婚約中である。
結婚を控えて、さすがに侍女を続けることは難しく、泣く泣く退職した。
後宮の使用人用の部屋も使えなくなり、宿無しとなってしまった。しかし、アイザック様の母君であるハワード伯爵夫人のご厚意で、花嫁修業という名目で現在はハワード家にお世話になっている。
アイザック様は仕事柄当直もあり、王宮に寝泊まりすることも多いので、顔を合わせるのは週に1,2回程度だ。
「冗談ですよ。何かあったんですか?」
「ラウルの妹が婚約したんだが、その相手の男がそれまでに何度も婚約破棄を繰り返しているそうだ。妹もそうなるんじゃないかと心配で眠れないらしい。どういうつもりで婚約破棄をしてきたのか、君なら本心を見抜いてくれるんじゃないかと泣きついてきた」
ラウル様はアイザック様の腹心の部下で、私も面識がある。
「ラウル様のお力になれるなら喜んでお手伝いしますけど。でも、ただの女好きで飽きっぽいとか、いざ結婚が近づくと怖気づいてしまうとか、そんな理由かもしれませんよ」
「それならそれでいい。原因がわかれば対策を立てられるからな」
「わかりました。ご期待に沿えるかはわかりませんができる限りやってみます」
翌日、さっそく私たちはラウル様のご実家のお屋敷を訪ねた。
「ラウル様、ご無沙汰しております」
「ミアさん、お久しぶりです。すっかり令嬢らしくなられて」
「もう、お世辞は要らないですよ」
「まさか!ミアさんに嘘をつく度胸はありませんよ!!」
なにその言い草。
なんでそこでアイザック様も頷いているかな。
今ちょうど婚約破棄男が、ラウル様の妹カーラ嬢に会いに来ている。
『偶然、兄の上司とその婚約者が訪ねてきたので、せっかくだから一言、婚約のお祝いを言わせて欲しい』という設定にした。
直接対決する前にすこし情報を仕入れておく。
疑惑の婚約者の名前はマイケル・スタンリー。スタンリー伯爵の長男で、26歳。
過去6年で7回も婚約破棄をしている。
「ラウル様、結婚詐欺の可能性はありますか?いままで金品を要求されたことは?」
「いや、ありませんね」
「婚約破棄されたご令嬢たちもそうでしょうか」
「そのようです。むしろ違約金を払ったこともあるそうなので、金銭が目当てということはないように思います」
今はサロンで二人でお茶を楽しんでいるという。
ラウル様に紹介してもらい、私たちも同席することになった。
「ああ、そうだ」
「わかりました。短い間でしたがお世話になりました」
「待て!ミア、どうしてそうなる」
私はミア・アプトン。平民出身の現在19歳。
そして前世は警視庁捜査一課の刑事でプロファイラー。
この世界に転生した時に、人間のどんな些細な変化も見逃さないスキル「観察者」を女神から与えられた。
そして得意の行動心理学を合わせて、人の嘘を見抜くことにはちょっと自信がある。
国王陛下の第二側妃ソフィア様の部屋付きの侍女をしていた時に、後宮で毒殺事件が起こり、それがきっかけでアイザック・ハワード陸軍第七中隊長と知り合った。紆余曲折あり、現在は婚約中である。
結婚を控えて、さすがに侍女を続けることは難しく、泣く泣く退職した。
後宮の使用人用の部屋も使えなくなり、宿無しとなってしまった。しかし、アイザック様の母君であるハワード伯爵夫人のご厚意で、花嫁修業という名目で現在はハワード家にお世話になっている。
アイザック様は仕事柄当直もあり、王宮に寝泊まりすることも多いので、顔を合わせるのは週に1,2回程度だ。
「冗談ですよ。何かあったんですか?」
「ラウルの妹が婚約したんだが、その相手の男がそれまでに何度も婚約破棄を繰り返しているそうだ。妹もそうなるんじゃないかと心配で眠れないらしい。どういうつもりで婚約破棄をしてきたのか、君なら本心を見抜いてくれるんじゃないかと泣きついてきた」
ラウル様はアイザック様の腹心の部下で、私も面識がある。
「ラウル様のお力になれるなら喜んでお手伝いしますけど。でも、ただの女好きで飽きっぽいとか、いざ結婚が近づくと怖気づいてしまうとか、そんな理由かもしれませんよ」
「それならそれでいい。原因がわかれば対策を立てられるからな」
「わかりました。ご期待に沿えるかはわかりませんができる限りやってみます」
翌日、さっそく私たちはラウル様のご実家のお屋敷を訪ねた。
「ラウル様、ご無沙汰しております」
「ミアさん、お久しぶりです。すっかり令嬢らしくなられて」
「もう、お世辞は要らないですよ」
「まさか!ミアさんに嘘をつく度胸はありませんよ!!」
なにその言い草。
なんでそこでアイザック様も頷いているかな。
今ちょうど婚約破棄男が、ラウル様の妹カーラ嬢に会いに来ている。
『偶然、兄の上司とその婚約者が訪ねてきたので、せっかくだから一言、婚約のお祝いを言わせて欲しい』という設定にした。
直接対決する前にすこし情報を仕入れておく。
疑惑の婚約者の名前はマイケル・スタンリー。スタンリー伯爵の長男で、26歳。
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「ラウル様、結婚詐欺の可能性はありますか?いままで金品を要求されたことは?」
「いや、ありませんね」
「婚約破棄されたご令嬢たちもそうでしょうか」
「そのようです。むしろ違約金を払ったこともあるそうなので、金銭が目当てということはないように思います」
今はサロンで二人でお茶を楽しんでいるという。
ラウル様に紹介してもらい、私たちも同席することになった。
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