真紅羽 ー薄紅色の翼の少女コーラルの物語ー

きのと

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童話 『リーラひめのものがたり』 (第3話に登場する童話です)

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リーラひめは おてんばな おひめさまです

しょうらい おかあさまのような りっぱなじょうおうになるために たくさんのことを みにつけなければなりません

がいこくご しのろうどく おさいほう しょくじのマナー しゃこうダンス 

まいにち まいにち いろいろな べんきょうをしていました

「もう こんな きゅうくつなせいかつは うんざりだわ」

リーラひめは おしろを とびだしました

しつじや めしつかいたちが おいかけましたが だれもおいつくことができません

リーラひめは かけっこが とくいなのです

あっというまに おってをふりきりました

そのまま はしって はしって おがわのほとりに つきました

さすがに つかれたので こかげで ひとやすみすることにしました

「やったー! もう わたしは じゆうよ」

リーラひめは ぴょんぴょん とびはねて よろこびました

「そうは いきませんよ」

そこには にわしのしょうねん アーチーがいました

「さあ リーラひめ おしろに かえりましょう」

「いやよ」

「にげても むだですよ。 ぼくも あしがはやいのです。 すぐにおいつきます」

「いやなものは いやなの! いやーーーーーーーーーー!!!」

りーらひめは おおきなこえで さけびました

すると きのうえで

「ぎゃ!」

と おどろくこえがして ことりが おちてきました

「だいじょうぶ? ことりさん」

じめんに おちた ことりを リーラひめは やさしく りょうてで すくいあげました

なないろにかがやく きれいなはねを しています

ことりは とても おこっていました

「おまえが おおきなこえをだすから おどろいて おちてしまったじゃないか! なんて うるさい おんなのこ なんだい」

「ごめんなさい」

リーラひめは あやまりました

「あいたたた。 つばさをけがしてしまった。 これでは とぶことができない。 くにに かえれないよ」

ことりは かなしそうに なきました

「ことりさんの くには どこなの?」

「にじのくに だよ。 むこうのやまを こえた さきにあるんだ」

「それなら わたしが にじのくにまで つれていってあげるわ」

「なにを いっているんだい。 とべないおまえに やまを こせるものか」

ことりは ばかにするように いいました

アーチーも いいました

「リーラひめ、 やまは とても きけんです」

「それでも いくわ。 おかあさまも いっていたもの。 じょうおうたるもの こまっている りょうみんがいたら てをさしのべなければ いけないって」

「わかりました それでは ことりを おくりとどけたら すぐに おしろに もどってくださいね」

リーラひめと アーチーと ことりは にじのくにを めざすことになりました



しばらく あるくと のどがかわきました

おなかも すいています

しかし のみものも たべものも なにも もっていません
ひもくれて あたりは だんだん くらくなってきました

リーラひめと アーチーは つかれて しゃがみこんで しまいました

「もしもし どうか されましたか」

はりねずみの おんなのこが こえを かけてきました

「わたしたち のどが からからで おなかも ぺこぺこなの」

「のどが かわいているなら カシのみのジュースが いいですよ」

はりねずみは すぐそばの きを ゆびさしました

カシのきには ちゃいろのまるいおおきな みが なっています

きを ゆすると みが みっつ おちてきました

しかし、みは とてもかたく からを わることが できません

「ヘタを とってください」

カシのみのヘタは ふたのように なっていて はずすと まるく あながあき なかの ジュースを のむことが できました

リーラひめと アーチーと ことりは ごくごく のみました

「おなかが すいたなら イラリのまめが おいしいですよ」

ハリネズミは そばの くさを ゆびさしました

「みためは わるいですが なまでも スープにしても たべられます」

リーラひめは まめを つみとると ぽいと くちに ほおりこみました

「わあ!なんて おいしいの!」

まめを つんでは たべ つんでは たべ おなかいっぱいになりました

「カシのジュースの のみかたも イラリのまめが たべられることも しらなかったわ」

リーラひめは おもいました

「もうすぐ よるに なります。 こんやは わたしの いえで おやすみください」

はりねずみは じぶんの すあなへ つれていってくれました

すあなは ちいさく ぜんいんがはいると ぎゅうぎゅう でした

みんなで からだをよせあって ねむりました

つぎのひ はりねずみは あさのぬので ぬった バッグを くれました

リーラひめは カシのみと イラリのまめを たくさん バッグに つめました

これでもう しょくじの しんぱいは ありません

はりねずみに おれいをいうと にじのくにに むけて しゅっぱつしました




そうげんを ぬけて かわを わたると もりの いりぐちに つきました

もりのなかは まっくらで みちが わかりません

「ことりさん、どちらに いったらいいの?」

リーラひめは ききました

しかし ことりは

「わたしは いつも もりのうえを とんでいるんだ。 みちなど しっているわけが ないだろう」

と あきれたように いいました

「もしもし どうか されましたか」

こえを かけてきたのは フクロウのおじいさん でした

「この もりを ぬけたいのだけど くらくて なにも みえないの」

「ホーホー。 わたしは くらやみでも めが みえます。 あんないしましょう」

フクロウは リーラひめの かたにとまると みちあんないを はじめました

「このまま まっすぐに すすんでください。 すこしあるいたら ひだりに まがってください」

フクロウの いうとおりに まっすぐにすすみ、ひだりにまがり こんどは みぎにまがり さらに まっすぐ すすむと もりの でぐちに たどりつきました

「ありがとう フクロウさん」

「ホーホー。 どういたしまして」

フクロウは もりのなかへ かえっていきました

「よるでも めのみえる とりが いるなんて しらなかったわ」

リーラひめは おもいました




もりを ぬけると ようやく やまのふもとに つきました

このやまをこえたら にじのくには すぐそこです

しかし、やまは けわしいがけに なっていて のぼることが できません

「どうしたら いいの」

リーラひめは とほうにくれました

「もしもし どうか されましたか」

ヤギのかぞくが しんぱいそうに こえを かけて きました

「どうやって がけを のぼれば いいのか わからないの」

「それなら おてつだいしましょう。 わたしたちは がけをのぼるのが とくいなのです。 メエメエ」

おとうさんヤギには リーラひめが、 おかあさんヤギには アーチーが、 こどものヤギには ことりが のりました

「では いきますよ。 しっかり つかまって ください。 メエメエ」

おとうさんヤギを せんとうに ヤギのかぞくは ひょいひょい けいかいに がけを のぼりました

そして あっというまに ちょうじょうに つきました

「ヤギさんたち ありがとう」

「どういたしまして。 メエメエ」

ヤギのかぞくと おわかれしました

「ヤギが がけのぼりが じょうずだなんて しらなかったわ」

リーラひめは おもいました


やまの ちょうじょうから みおろすと とおくに にじいろに ひかりかがやく まちが みえました

これから さきは くだりざかです

ふたりと いちわは さきを いそぎました




そして とうとう にじのくにに たどりつきました

たてものも みちも きも はなも なにもかもが うつくしく にじいろに かがやいています

ふるさとに もどれて ことりは よろこびました

ながい りっぱなおばねをした にじのくにの おうさまが リーラひめとアーチーに おれいを いいました

「わたしの くにの ことりを たすけてくれて ありがとう」

にじいろの おしろの ばんさんかいに まねかれ おいしいしょくじを ごちそうになりました

かえりは たくさんの とりたちが ふたりをブランコにのせ おしろまで はこんでくれました




おしろでは じょうおうさまと めしつかいたちが しんぱいして かえりをまっていました。

「おかあさま みんな。 かってに でかけて ごめんなさい」

リーラひめは あやまりました

そして これまでのことを はなしました

「わたし しらないことが たくさんあったわ。 もっと いろいろなことが しりたくなったの」

つぎのひから リーラひめは べんきょうに はげむように なりました

しりたいきもちが うまれてからは つまらなかった べんきょうが たのしく なりました

かていきょうしから おそわるだけでなく そとへでて りょうみんとはなしをしたり しぜんのことを しらべたりするようになりました



やがて せいちょうした リーラひめは リーラじょうおうになりました

リーラじょうおうは まなんだ ちしきを いかし くには ますます さかえました

りょうみんは みな しあわせに くらしました




おしまい





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