夢か現か

黒梟

文字の大きさ
26 / 58
結婚からの

二十五

しおりを挟む

 神殿内には祭壇が有るだけで他には何も無いように見えるが、実際は分からない。

 
 3人で祭壇前に来ると祈りを捧げる様に跪く。この国の祈りの捧げ方は他の国とは違うとされているが、他国に行った事のない私には分からない。


 数日呼びかけるように祈りを捧げていれば、頭の中に声が響いた。

『ごめんね?貴女の願いは聞き入れられないの』

 喧嘩を売っているのだろうか?元々は君の気紛れで私が被害を被っているのに

『あら、でも貴女も楽しんでたんじゃなくて』

 誰が楽しむか、離縁した元夫となんかと

『えっ?』

 えっ?

『離縁って、いつ別れたの?』

 前に私が護衛で王太子に着いてきた一年前

『何それ聞いてない。それより貴女と離縁なんてしたらあの子に掛かっている呪い、また発動しちゃうじゃない』

 知らんがな。呪い?そんなもん私に押し付けるな、全部アイツが悪いんだろ

『あー、んー、折角上手くいくと思ってたのに馬鹿な子ね。
 でも、貴女もう彼の子を産んでるからどうしたって彼から逃げる事は出来ないわよ?』

 は?国境に張ってある変なの解除してくれればそれでいいけど?

『はぁ、それは構わないけど、彼の執着凄いから隣国とか周辺国に戦争ふっかけて貴女を取り戻そうとするけどそれでも良い?』

 貴女が別の女を彼に充がえばいいじゃない?

『・・・・(わかってないわねこの子)まあ、良いわ。結界は解いてあげる。でもそこから先は私は関与しない。だから貴女達がどうなろうと私の知った事では無い。それだけ覚えといて。
 もう私関与しないから』

 分かりました、これ以上貴女を愚弄するの辞めにします
 逃げ切りますから、色々ありがとうございました

『(逃げ切れると良いわね?彼の事だからもう目星つけてそこまで来てそうだけど。
 まあ、私はから、時間を巻き戻すのも厭わ無いわ。
 精々私を楽しませてね?)』

 ?何かを話されたように思ったが気の所為だと思い神殿を後にする。
 
 これで他国に行くことが出来ると意気込み、森の建屋で休憩し終日掛けて森を後にした。

 

 隣国との境にある街で、ウハウハで用意をしていると街中で何処かで見かけた事のある顔を視界の端に捉えた。

 その時は気の所為だと思い宿に帰り、そこから冒険者として活動していたが、隣国に入る手続きをしに役場に来ていたら声をかけられた。

 そう件の元夫

 笑顔で対応していたら、“ラン”と呼ばれた。
 ?が頭の上で飛び交っているそんな表情をしていたのだろう、戸惑われた。

「えっと、その様な名ではありませんよ私。こう言う者です」

 と身分証を渡す。辺境伯の平民の書類なので特別な物では無い。
 苗字はなく名前だけ。リーズラントと。

 爺様曰く平民まで調べたそうなので漏れがあるはずないと思っているだろう。
 実際調べられたのでどうとは思わ無い。
 
 訝し気に見られたが人違いならどうしようもない。その場はそれで終わったのだが、夕食を宿に併設されている食事処では無く、街でも美味しいと評判のお店に子供達と行ってみた。

 育ち盛りなので沢山食べれて味も美味しくとても満足のいく物だった。

 まさかそれを元夫が見ていたとは露にも知らず宿に帰った。


 その晩は珍しく子供達が別で寝たいと言ったので、久しぶりの一人寝。
 勿論部屋は大きいのを借りていたので寝室は別。


 その深夜、彼が入り込んできて襲われるなんて誰が思うだろうか
 しかも媚薬迄使った確信犯



 やっっぱり前の時にヤツのブツを潰しておけばよかった
 防犯の高い宿に泊まれば良かった
 とっとと街を出れば良かった


 どれもこれも後悔後に立たず。意識はあるのに散々な目に遭わされました。


 そして最後にアイツが言った言葉


「結婚しましょう、リーズラント」

 思わず叫んだがな

「君とはもう離縁してる。二度と私に関わるな」



 
 何とか奴を撒いて隣国を跨ぎ違う国に逃亡しました。

 やれやれ


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。

ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」 その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。

ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように

柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」 笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。 夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。 幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。 王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

旦那様、彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです

ましゅぺちーの
恋愛
伯爵夫人フルールは、夫である伯爵と愛人の秘書に長年頭を悩ませていた。 何度夫に苦言を呈しても「彼女は仕事において必要不可欠なパートナーだから」と一切聞く耳を持たない。 困り果てていたそのとき、彼女は突然前世の記憶を取り戻した。 このままだと夫と愛人の真実の愛の犠牲になってしまう。 それだけは御免だ。 結婚五年目にして、彼女はようやく夫を見限り、新たな事業を立ち上げた。 そして事業を成功させたフルールの隣には、いつも同じ男が立っていた。 その男は誰なのかと問い詰める夫に、フルールはニッコリ笑って言った。 「彼は仕事において必要不可欠なパートナーなのです」と。

側近女性は迷わない

中田カナ
恋愛
第二王子殿下の側近の中でただ1人の女性である私は、思いがけず自分の陰口を耳にしてしまった。 ※ 小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

処理中です...