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廻る時
三十三
しおりを挟む血の通わない冷たくなった彼女を抱きしめ私は慟哭した。
その姿を見ていた王太子や侍従等は医者の手配をしてくれていた。
リーズラント付きの侍女は主に連絡をしていた。彼が来るのは直ぐだろう。何時も予想よりも早く行動する方だから。
彼女をベッドまで運ぶと医師が到着するのを待った。その間私はリーズラントに謝罪を繰り返した。
こんな筈では無かった。傍に居て欲しかった。笑って欲しかった。一緒に子育てしたかった。一緒に年を取り余生を過ごしたかった。
医師が彼女を診た後、彼女の身体をきれに清め衣類を新しくした。
そうこうしているうちに彼が息を切らせてやって来た。私は彼に殴られることを覚悟し只リーズラントの寝顔を見つめていた。
だが何時まで経っても衝撃は来ない。訝し気に彼の方を見ると変わった質問をされてしまった。
「お主もリーズラントの後を追うのか?」
その質問に私は目を見開き彼の顔をまじまじ見つめてしまった。
「いや、お主のリーに対する執着が凄まじい物だったからついな。
命を絶つので無いのなら良いが、他に何か考えでもあるのか?
いや何、今回何故か時間が巻き戻っておった様で気持ち悪かったのでな」
「前回の記憶を持っているのですね?」
「その口ぶりだとお主が時間を戻させたのか」
「ええそうです。どうしても彼女と一緒になりたかった。彼女に隣に居て貰いたかったので・・・・・・こんなことになるとは思いもしなかったですが」
「で?これからどうするのだ?」
「もう一度女神の神殿に行きます。まだ、そうまだやり直せる。いや、やり直して幸せになるまで続けます。例え世界の理を変える事になっても」
「リーも連れて行くのか?」
「ええ。身体を修復してもらわないといけませんから。
もしまた記憶を持っていたら手伝って貰っても構いませんか?」
「リーが幸せになるのなら」
「ええ、必ず」
「そこに私達は含まれていないのだな」
「王太子殿下を巻き込む訳にはいきませんから」
「何を勘違いしている。事の発端はとある神を王族の祖先が手にかけたことが始まりなのだ。協力しない訳にはいかないだろう?
それにこれは王族に掛けられた呪いが原因なのだから協力するのは当然だ」
「王族に掛けられた呪い、ですか?」
「そうだ、殺された神の魂を回復させるためにこの国の王族に彼魂が入れられているそうだ。
真偽は不明だが、王家には身体が弱く離宮から出る事すら叶わない者が必ずと言って良いほど一人生まれる。
その者は一生を離宮で過ごす。それ自体が呪いなのだ。
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「なんだか結局は貴方のためと言っているように思いますが気のせいですか?」
「いいや?私と其方の父が内政に関与してくれるように持っていきたいだけだ。そうすれば其方も休みが取れるだろう?」
「都合良い様に言ってるだけでは無いのですね?」
「いや?私の為だ」
「率直なご意見ありがとうございます」
なんだか怒るに怒れない。巻き込まれたのか巻き込んだのか分からなくなってくる。
まあ、それで皆が満足出来るならそれで良い。
私は彼女の身体を持って再度神殿を訪れた。
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