夢か現か

黒梟

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廻る時

三十四

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 血の通わない彼女を抱え神殿の中に入る。

 石で出来た椅子の間を通り過ぎていくと燭台に灯が灯されていく。まるで歓迎されているかのように。

 祭壇の前に来ると、リーの身体を祭壇のそっと上に横たえる。このまま死なせてしまうなんてことはさせたく無い。折角前は子供に恵まれたのだから、せめて今度もそうであって欲しい。

 今回子供が流れたのは必然であったように感じてならない。本来なら起こり得ない事だと感じていたから。
 彼女付きの侍女が一日傍を離れるとか、護衛がその時だけ付いていなかったとか・・・・・
 一番は私の帰りが思うより遅くなったこと。本来であれば絶対に無い状況で起こった事。
 政務の見直しや、領地の報告、隣国からの密偵の帰還など普段では考え慣れないことが重なった。誰かの意志が働いているかのように。

『まだだよ、まだパパには力を削いでもらわないといけない』

『じゃないとママが不幸になっちゃう』

 そんな声が神殿内に響き渡った。

 辺りを見回しても誰も居ない。只二つの淡い光が煌めいている。どこかで見たような暖かい光。だけどどこで見たのか分からない。


 祭壇の前に跪き祈りを捧げる。

 今度こそリーズラントと幸せになれるように、子供達とくらせるように。
 名も知らない子供達。抱き上げたかった、その温もりを感じたかった。
 
 燭台の灯りが揺らぎ炎が大きくなる。神殿内を隈なく照らし出すように。

『今回はどうしたのですか?』

「リーズラントが死んだ。毒を盛られて腹の中の子が殺されてしまって・・・」

『(呪いの効果が確実に?)それであなたはどうしたいのですか?』

「もう一度時間を巻き戻してほしい、勿論記憶も」

『混乱して気が狂いませんか?(彼女其処まで精神強かった?)』

「問題ない。サポートする人間はいる」

『その自信がどこから来るのかは分かりませんが、良いでしょう。只今回は私も見張らせてもらいます。まさか亡くなるとは思ってもみませんでしたので』

「それは構わないが、貴女に仕事は無いのか?」

『(彼と同じ事を言うのね・・)私の仕事は恵みを与える事。だからこの国は飢える事をしらないでしょう?
 まあ、仕事を放置しても良いのならそうするけど?』

「いや、すまない。変な事を聞いた。ただ何時も願いを聞いてもらっているように思うからつい」

『ああ、そういうこと。何時も聞いてる訳じゃ無いわよ。実際この神殿に辿り着ける人なんて限られているしね。それに叶える事の出来ない願いもある。
 人の心ほど不安定な物は無いから、この間のも自信を与えたにすぎないのよ?』

「はぁわかりました。では今回彼女は死んでしまいましたが何か対価は必要ですか?」

『そうね・・・(まだ呪いは健在ね、然も威力が増している?)じゃあ、私を楽しませてくれる?どんな生き方をするのか見せてくれたらいい。私は観察するのが大好きだから』

「分かりました、貴女が羨むように頑張りますよ。ではお願いします」

『はいはい、じゃあ今度こそ楽しく生きてね?』


 眩い光と共が彼らを包み込む。

 
 後に残されたのは静寂。そして二つの淡い光。

 私が思っている以上に彼の呪いは強い?掛けられている血筋の者が亡くなることが有ってもまさか伴侶が死ぬなんて
 ・・・呪いの力が周りに悪影響を与えている?でも、神が掛けれる呪いには限度が・・・
 一度確認する方が良いわね



 彼女を生き返らせるのに彼の呪いの力をかなり消費している。それに子供の魂を遺しておくのにもその力を使っている。
 思っているよりも早く呪いが解けると思っていたけどそうでは無い?


 
 取り敢えず一度に行って確認しないと



 バチッ


『きゃあ』


 えっ?なんで?まさか・・・

 バチッ

『うそ・・・外に出る事も出来なくなってる』

 まさか・・・

『・・・・・繋がらない。なんとか連絡を取れるようにしないと。私は良くても彼の魂は護らなければ』




 この神殿で思いつく限りの事をするも、他の神々や創造神に連絡を取れる事は無かった。


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