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廻る時
三十六
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リーズラント視点
ふと目が覚めるとそこは実家の庭先だった。手元を見れば読みかけの本が風に煽られ勢いよくめくれていた。
いつの間に私は此処に戻ったのだろう?
確か子供が産まれる前に私のお腹の中で亡くなって・・・・
ぼんやりした頭を覚醒させてお腹を触る。何も無いと言うか、私は悲観して手首を切ったはず。それなのに手首のは傷一つ無い。おかしいあの傷の深さでは助からないと思ったのに。
でも、あの時薄れていく意識の中で会ったのは・・・・夫であるソーシアルを少し老けさせた様な人、の筈。
”身体を創る事は出来たが、魂を返してもらわなければいけない。その為に君には協力してもらうよ“
この言葉を聞く限り人間では無いのは確かなんだけど、あの女神と同類なんだろうか?そんな気がしてならない。
協力ってそんなこと言われて喜んで協力する奴なんていないと思う。
なんで私の人生を捧げなければいけないのだ。明確な理由も無しに頷けない。
今回で3回目?になるが、今回は父に言って何とか結婚を回避しようと思う。
今までお世話になっているからこれ以上迷惑はかけられないが、お祖父様の所に行く事を条件にすれば認めてもらえるだろう。
思い立ったが吉日。私はすぐ様父の所に向かった。婚約はまだの筈。そう考えて。
実際私の姿を確認して話を聞いた父は家を出る事を了承してくれた。
喜び勇んで父の書斎を後にしようとすれば声を掛けられた。何事かと思えば、私の本当の父母の事だった。
どうやらこの家もちょっとした呪いがかかっているらしく、私の父がその呪いを引き継いでいたそうだ。その為森の中であり得ない死に方をしたのだという。母を巻き添いにして。
私が助かったのは単に母の加護が強かったせいだと言う。そしてそんな私を引き取り育ててくれたのは、金銭面で父母がかなり援助してくれて、家を立ち直させるのに一役買ってくれたからだと言う。
本来なら貧乏で嫁すら来なかったのだが、家が持ち直したお陰で嫁に来てもらえたのだそうだ。
そうでなくても、私を引き取り育てる事で母方の父、私の祖父がかなりの支援をしてくれているのでかなり助かっているという。
お金の為か。と思わなくもないが、死活問題でもあるため何とも言えない。
養母には説明してある筈なんだが、と養父は苦い顔をしていた。
そんな中ソーシアルが婚約もとい婚姻の申し込みに来たという話がもたらされた。
養父に頼み込んでいたので問題ないかと思いきや、前回は一切関与してこなかったソーシアルの父親がしゃしゃり出てきた。
おかしい。やはり今回は前とは違うのかもしれない。それともあの二回の事は夢だったのか・・・・
考えても埒があかず何事もなかったかのように庭で読書をして過ごす。
久しぶりに爺様から連絡があり隠密として仕事に打ち込んだ。調べ上げたのは嫁ぎ先の侯爵家の事。
確かにあの家は変わっている。ソーシアルは家に寄り付いていないし、父親は領地に篭っている。
調べれば調べる程分からなくなってくる。
例えばあの執事は前王妃にも毒を盛ってクビになっている。
邸に住み着いている義母と義妹は侯爵とは婚姻届すら出しておらず、ただの平民である事。
侯爵は領地で奥様と仲睦まじく過ごしている。只、奥様が領地から出る事は叶わないそうで、それに侯爵が付き添っている形になっているそうだ。
曰く呪いが掛けられているから。それこそ魂を取り戻すのにどうしても必要なもので、結論から言えばその呪いの全てをソーシアルに無理矢理渡したそうだ。
私は?といえば程のいい生贄に近い存在の様なもの。加護を持ち合わせているから狙われたような感じである。
そんな事ばかり調べていると現実味が無くなり、今も夢の中で動いているような感覚に陥る。
侯爵領で現当主様と顔を合わせたときに言われたのは、奥様を連れ出し子を孕ませ産ませた事で、呪いの効果が薄くなってきている様だと。
だが、血を途絶えさせるための呪い故に強力かつ執事の様な人間が傍にいるのだという。
呪いが外に出た事で王家は呪いから解放されているが、国自体は呪われたまま。
掛けられた呪いの力を削ぐ事で、完全に呪いが解けるのだという。
前回死にかけたときに言われた言葉と違う。そう思い夢のことを話せば、業が深いのだと苦笑された。
それで何度も殺される私の身にもなって欲しいものだ。
そんな話を聞けば婚姻は必然で断れるものでは無い。今回どのくらい生きられるのかは分からないが、精一杯自分らしく生きようと思った。そして身体は絶対触らせないとも。
ふと目が覚めるとそこは実家の庭先だった。手元を見れば読みかけの本が風に煽られ勢いよくめくれていた。
いつの間に私は此処に戻ったのだろう?
確か子供が産まれる前に私のお腹の中で亡くなって・・・・
ぼんやりした頭を覚醒させてお腹を触る。何も無いと言うか、私は悲観して手首を切ったはず。それなのに手首のは傷一つ無い。おかしいあの傷の深さでは助からないと思ったのに。
でも、あの時薄れていく意識の中で会ったのは・・・・夫であるソーシアルを少し老けさせた様な人、の筈。
”身体を創る事は出来たが、魂を返してもらわなければいけない。その為に君には協力してもらうよ“
この言葉を聞く限り人間では無いのは確かなんだけど、あの女神と同類なんだろうか?そんな気がしてならない。
協力ってそんなこと言われて喜んで協力する奴なんていないと思う。
なんで私の人生を捧げなければいけないのだ。明確な理由も無しに頷けない。
今回で3回目?になるが、今回は父に言って何とか結婚を回避しようと思う。
今までお世話になっているからこれ以上迷惑はかけられないが、お祖父様の所に行く事を条件にすれば認めてもらえるだろう。
思い立ったが吉日。私はすぐ様父の所に向かった。婚約はまだの筈。そう考えて。
実際私の姿を確認して話を聞いた父は家を出る事を了承してくれた。
喜び勇んで父の書斎を後にしようとすれば声を掛けられた。何事かと思えば、私の本当の父母の事だった。
どうやらこの家もちょっとした呪いがかかっているらしく、私の父がその呪いを引き継いでいたそうだ。その為森の中であり得ない死に方をしたのだという。母を巻き添いにして。
私が助かったのは単に母の加護が強かったせいだと言う。そしてそんな私を引き取り育ててくれたのは、金銭面で父母がかなり援助してくれて、家を立ち直させるのに一役買ってくれたからだと言う。
本来なら貧乏で嫁すら来なかったのだが、家が持ち直したお陰で嫁に来てもらえたのだそうだ。
そうでなくても、私を引き取り育てる事で母方の父、私の祖父がかなりの支援をしてくれているのでかなり助かっているという。
お金の為か。と思わなくもないが、死活問題でもあるため何とも言えない。
養母には説明してある筈なんだが、と養父は苦い顔をしていた。
そんな中ソーシアルが婚約もとい婚姻の申し込みに来たという話がもたらされた。
養父に頼み込んでいたので問題ないかと思いきや、前回は一切関与してこなかったソーシアルの父親がしゃしゃり出てきた。
おかしい。やはり今回は前とは違うのかもしれない。それともあの二回の事は夢だったのか・・・・
考えても埒があかず何事もなかったかのように庭で読書をして過ごす。
久しぶりに爺様から連絡があり隠密として仕事に打ち込んだ。調べ上げたのは嫁ぎ先の侯爵家の事。
確かにあの家は変わっている。ソーシアルは家に寄り付いていないし、父親は領地に篭っている。
調べれば調べる程分からなくなってくる。
例えばあの執事は前王妃にも毒を盛ってクビになっている。
邸に住み着いている義母と義妹は侯爵とは婚姻届すら出しておらず、ただの平民である事。
侯爵は領地で奥様と仲睦まじく過ごしている。只、奥様が領地から出る事は叶わないそうで、それに侯爵が付き添っている形になっているそうだ。
曰く呪いが掛けられているから。それこそ魂を取り戻すのにどうしても必要なもので、結論から言えばその呪いの全てをソーシアルに無理矢理渡したそうだ。
私は?といえば程のいい生贄に近い存在の様なもの。加護を持ち合わせているから狙われたような感じである。
そんな事ばかり調べていると現実味が無くなり、今も夢の中で動いているような感覚に陥る。
侯爵領で現当主様と顔を合わせたときに言われたのは、奥様を連れ出し子を孕ませ産ませた事で、呪いの効果が薄くなってきている様だと。
だが、血を途絶えさせるための呪い故に強力かつ執事の様な人間が傍にいるのだという。
呪いが外に出た事で王家は呪いから解放されているが、国自体は呪われたまま。
掛けられた呪いの力を削ぐ事で、完全に呪いが解けるのだという。
前回死にかけたときに言われた言葉と違う。そう思い夢のことを話せば、業が深いのだと苦笑された。
それで何度も殺される私の身にもなって欲しいものだ。
そんな話を聞けば婚姻は必然で断れるものでは無い。今回どのくらい生きられるのかは分からないが、精一杯自分らしく生きようと思った。そして身体は絶対触らせないとも。
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