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週が開けて、月曜日。湊を含めた予備訓練生達は基礎訓練の修了が告げられた。最低限の体力がついたのだ。それは訓練が次の段階へと進んだことを意味する。
訓練生達にとっては待ちに待っていた、悪魔の操縦方法を学ぶためのシミュレーター訓練へと移ったのだ。
通常のデビルサマナーであればこの後は天使の特性を教え込み、それから悪魔の適正を再度調査し、終わった後にようやく、操縦方法や悪魔の特性についてを座学で学んでいくことになる。
実際の操縦訓練に入るのは、悪魔の作戦に関する知識を一通り叩き込んだ後になる。
だが、湊達は通常の衛士育成とは違う。デビルサマナー不足を補うための"年少デビルサマナー速成訓練"としてこの訓練に参加していた。
短期間で、しかも未成人の少年がどれだけの訓練で実戦レベルにまで達するかというデータの収集を主として集められている。
だから上層部は通常の訓練ではなく、また別の方法を武達に受けさせた。
必要とされたのは、最低限の操縦知識と、最低限の戦術機適正の調査のみ。
おざなりともいえる内容を教えた後に、悪魔のシミュレーターの中へと文字通り"叩き"込んでいった。悪魔のような複雑な機構を運用する兵士にとっては無茶な話だが、習うより慣れろという言葉もある。故に最低限の基礎訓練しか受けさせていなかった。これは通常の場合とは明らかに異なっていた。通常、教官がサマナーが悪魔へ召喚させる前には分厚いマニュアルを全て覚えさせている。
いかなる非常時にも対応できるよう、悪魔に出来ることをマニュアルで完璧に覚えさせることを優先するためだ。
人命優先の結果、というものではなく、金と時間をかけて育てた衛士に容易く死なれたくないというコストを意識してのもの。
様々な面で見てもまず正しいといえる方針であろう。まっとうな手順で命の期間を永らえさせる。
誰が見ても真っ当な、非難も出ない方法と言えた。
―――だが湊達は違う。育成に余計な時間をかけないで、最短でどこまで衛士の域にまで近づけさせることができるかという題目のために存在していた。
何よりも速成訓練を主としているが故に。
それほど手もかかっておらず、時間少なく、かかった費用も少ない。
なのにあらびっくり、優秀な衛士のできあがりでござい―――という夢見がちな事を実現できると夢想した何者かが提案した計画だった。
これを愚かな計画であると断じる衛士は多い。当然である。むしろ、反対の意見が8割を占めていた。しかし、この実験には利点があった。代表的なものとしては一つ。例え被験者が死んでも、痛手は小さいということだ。
ただでさえ人員不足である現在、兵士であれば更に人員の無駄使いをと非難の声が直に飛ぶ所だが、外部の子供であれば直接の声は大きくなくなる。
銃後の地ではしゃぎ回る人権家が聞けば卒倒することうけあいだ。が、ユーラシア大陸で天使と戦い続けてもう1ヶ月が経過していた。
敗北の毒が目に見えて現れる頃合い。
倫理というものは外向きの顔があるので少し気にかけるが判断基準にはならない、その程度のものに成り下がっていた。そしてあくまで一部ではあるが、上の人間はこの訓練に対しまた別の目的を持っていた。
しかし、訓練生達は知らない。計画に含まれている表と裏のファクターを察することが出来る程に、“すれて”もいないからだ。だから、今日も彼らは必死になってシミュレーターで戦術機の訓練を受けていた。
「………右に抜けろ、浜草! っとお!?」
仮想小隊の最前衛。
前衛と呼ばれる最前線前にて天使の先鋒を捌く役割についている湊が、仮想敵であるミドル級の突進を間一髪かわした。
幸いにして、スペースには余裕があった。訓練のステージとして選ばれたのは、何もない荒野だ。
この戦場、環境はユーラシア戦線に数多く存在し、ここ1ヶ月の内でも最も戦闘が多く行われた場所でもあった。
今後近い内に起こるであろう戦闘の環境に合わせたのだ。
自分の機動の確保と火器制御だけで精一杯という、悪魔召喚たてほやほやの彼ら訓練生にとっては、うってつけのステージと言えた。
これが例えば、建物の廃墟群や市街地であれば話が違ってくる。
通常の戦闘行動の他に、ビームを取り回しする際のスペースの確認や近接武器を振るう場合の斬撃軌道の確保など。
閉所で戦闘を行う場合の知識と技術が別に必要となるのだ。
しかし、そのステージでの訓練は行われていない。まずは基礎を固めるのが優先と、グロッケン教官が判断したためだ。一個小隊、4人。後方に戦車部隊が待機しているという状況の中、同じく小隊規模の天使と対峙するというシミュレーションである。
ステージは何も無い平原、あるいは荒野と呼ばれる場所だ。
敵である天使は前衛にミドル級、中衛はスモール級、そして後衛がミディアム級という侵攻時に取る陣形だ。
これは防衛戦において相手をする天使群の、最も基本的な配置である。
6人の訓練兵のうち、小隊員ではない余った2人は外からその戦闘内容をモニターしていた。
他者のデビルサマナーの動きを見るのも、また別の意味での訓練になるからだ。
「そこ!」
掛け声とともに、湊がすれ違ったミドル級の背中に悪魔の手ひらを向けてビームを放つ。
命中率もそこそこに、手のひらから放たれた多数の魔力ビームがミドル級の背中を貫いていく。
「こっちもだ!」
隊長機に乗っている浜草もまた、後ろから魔力ビームを放った。しかし命中精度は悪く、散々ばらまいても数発しか直撃しない。
撃ち漏らしたミドル級は止まらず、後方にある仮想の戦車部隊へ突っ込んでいく。
「機甲部隊、損害2割………3割………っ糞ぉ!」
前面に強固な装甲を持ち、高速で突進してくる突撃級。
天使という群れの切っ先である奴らの勢いを削ぐ、あるいは後方に控えている戦車部隊の露払いとして。
いの一番に突っ込んでくる猪をやり過ごし、柔らかい後頭部を叩いて仕留めるのは、デビルサマナーに求められている重要な役割の中の一つ。
基本ともいえよう。それなのに、こんな基本的なことさえ満足にこなせない。情けない自分に、湊が罵声を向けた。
だが気を取られている暇はなかった。まだ悪魔は健在、つまり戦闘は続いているのである。
それを分からせるかのように、距離を開けていたスモール級が、突っ込んできた。
「は、反転を! このスモール級だけは後ろに逸らすんじゃあないぞ!」
「「「了解!」」
隊長機からの指示に合わせ、小隊が反転した。
前衛である湊が長刀で切り込み、それ以外の中衛・後衛が別のスモール級に向けて射撃を行う。
しかし3人の銃口は一方向に定まらず、タイミングも合っていない。火線を集中しきれず、スモール級を仕留め切れない。
その、残ったスモール級は最前衛にいる湊機へと側面から襲いかかった。
前腕部が振り上げられ、湊のコックピット向けて振り下ろされる。
「う、わ!?」
長刀で切り伏せた直後、襲ってきた前腕に何とか反応した湊は、反射的に悪魔を傾けさせた。
スモール級の一撃が空を切る。しかし、湊機は無茶な挙動のせいでバランスを崩し、倒れこむ。
「っ、なろぉ!」
湊は、倒れる直前で姿勢制御の噴射。姿勢制御を効かせ、何とか元の状態までリカバリーした。
そしてすかさず持っていた長刀を一薙ぎし、仕掛けてきたスモール級の頭部を切り飛ばした。気持ち悪い色をした、仮想の液体が飛び散った。
だが、直後にまた別のスモール級が武機に向けて間合いを詰めてくる。
武には先程よりは余裕があった。視界の端に見えたスモール級とその間合いを確認した武は、噴射跳躍で一端距離をあけようとする。
無理に刀で戦わず、魔力ビームで撃ち殺そうというのだ。
しかし―――跳躍しようとする寸前、湊の視界が赤に染まった。
悪魔にレッドアラートのメッセージが並ぶ。
「………悪魔破壊、判定?」
示されたのは自分の番号で、悪魔破壊の文字。つまりは、自機がやられたのだ。
そして湊の網膜に、原因を示した文が浮かんだ。
―――後背部からの攻撃により撃墜、と
訓練生達にとっては待ちに待っていた、悪魔の操縦方法を学ぶためのシミュレーター訓練へと移ったのだ。
通常のデビルサマナーであればこの後は天使の特性を教え込み、それから悪魔の適正を再度調査し、終わった後にようやく、操縦方法や悪魔の特性についてを座学で学んでいくことになる。
実際の操縦訓練に入るのは、悪魔の作戦に関する知識を一通り叩き込んだ後になる。
だが、湊達は通常の衛士育成とは違う。デビルサマナー不足を補うための"年少デビルサマナー速成訓練"としてこの訓練に参加していた。
短期間で、しかも未成人の少年がどれだけの訓練で実戦レベルにまで達するかというデータの収集を主として集められている。
だから上層部は通常の訓練ではなく、また別の方法を武達に受けさせた。
必要とされたのは、最低限の操縦知識と、最低限の戦術機適正の調査のみ。
おざなりともいえる内容を教えた後に、悪魔のシミュレーターの中へと文字通り"叩き"込んでいった。悪魔のような複雑な機構を運用する兵士にとっては無茶な話だが、習うより慣れろという言葉もある。故に最低限の基礎訓練しか受けさせていなかった。これは通常の場合とは明らかに異なっていた。通常、教官がサマナーが悪魔へ召喚させる前には分厚いマニュアルを全て覚えさせている。
いかなる非常時にも対応できるよう、悪魔に出来ることをマニュアルで完璧に覚えさせることを優先するためだ。
人命優先の結果、というものではなく、金と時間をかけて育てた衛士に容易く死なれたくないというコストを意識してのもの。
様々な面で見てもまず正しいといえる方針であろう。まっとうな手順で命の期間を永らえさせる。
誰が見ても真っ当な、非難も出ない方法と言えた。
―――だが湊達は違う。育成に余計な時間をかけないで、最短でどこまで衛士の域にまで近づけさせることができるかという題目のために存在していた。
何よりも速成訓練を主としているが故に。
それほど手もかかっておらず、時間少なく、かかった費用も少ない。
なのにあらびっくり、優秀な衛士のできあがりでござい―――という夢見がちな事を実現できると夢想した何者かが提案した計画だった。
これを愚かな計画であると断じる衛士は多い。当然である。むしろ、反対の意見が8割を占めていた。しかし、この実験には利点があった。代表的なものとしては一つ。例え被験者が死んでも、痛手は小さいということだ。
ただでさえ人員不足である現在、兵士であれば更に人員の無駄使いをと非難の声が直に飛ぶ所だが、外部の子供であれば直接の声は大きくなくなる。
銃後の地ではしゃぎ回る人権家が聞けば卒倒することうけあいだ。が、ユーラシア大陸で天使と戦い続けてもう1ヶ月が経過していた。
敗北の毒が目に見えて現れる頃合い。
倫理というものは外向きの顔があるので少し気にかけるが判断基準にはならない、その程度のものに成り下がっていた。そしてあくまで一部ではあるが、上の人間はこの訓練に対しまた別の目的を持っていた。
しかし、訓練生達は知らない。計画に含まれている表と裏のファクターを察することが出来る程に、“すれて”もいないからだ。だから、今日も彼らは必死になってシミュレーターで戦術機の訓練を受けていた。
「………右に抜けろ、浜草! っとお!?」
仮想小隊の最前衛。
前衛と呼ばれる最前線前にて天使の先鋒を捌く役割についている湊が、仮想敵であるミドル級の突進を間一髪かわした。
幸いにして、スペースには余裕があった。訓練のステージとして選ばれたのは、何もない荒野だ。
この戦場、環境はユーラシア戦線に数多く存在し、ここ1ヶ月の内でも最も戦闘が多く行われた場所でもあった。
今後近い内に起こるであろう戦闘の環境に合わせたのだ。
自分の機動の確保と火器制御だけで精一杯という、悪魔召喚たてほやほやの彼ら訓練生にとっては、うってつけのステージと言えた。
これが例えば、建物の廃墟群や市街地であれば話が違ってくる。
通常の戦闘行動の他に、ビームを取り回しする際のスペースの確認や近接武器を振るう場合の斬撃軌道の確保など。
閉所で戦闘を行う場合の知識と技術が別に必要となるのだ。
しかし、そのステージでの訓練は行われていない。まずは基礎を固めるのが優先と、グロッケン教官が判断したためだ。一個小隊、4人。後方に戦車部隊が待機しているという状況の中、同じく小隊規模の天使と対峙するというシミュレーションである。
ステージは何も無い平原、あるいは荒野と呼ばれる場所だ。
敵である天使は前衛にミドル級、中衛はスモール級、そして後衛がミディアム級という侵攻時に取る陣形だ。
これは防衛戦において相手をする天使群の、最も基本的な配置である。
6人の訓練兵のうち、小隊員ではない余った2人は外からその戦闘内容をモニターしていた。
他者のデビルサマナーの動きを見るのも、また別の意味での訓練になるからだ。
「そこ!」
掛け声とともに、湊がすれ違ったミドル級の背中に悪魔の手ひらを向けてビームを放つ。
命中率もそこそこに、手のひらから放たれた多数の魔力ビームがミドル級の背中を貫いていく。
「こっちもだ!」
隊長機に乗っている浜草もまた、後ろから魔力ビームを放った。しかし命中精度は悪く、散々ばらまいても数発しか直撃しない。
撃ち漏らしたミドル級は止まらず、後方にある仮想の戦車部隊へ突っ込んでいく。
「機甲部隊、損害2割………3割………っ糞ぉ!」
前面に強固な装甲を持ち、高速で突進してくる突撃級。
天使という群れの切っ先である奴らの勢いを削ぐ、あるいは後方に控えている戦車部隊の露払いとして。
いの一番に突っ込んでくる猪をやり過ごし、柔らかい後頭部を叩いて仕留めるのは、デビルサマナーに求められている重要な役割の中の一つ。
基本ともいえよう。それなのに、こんな基本的なことさえ満足にこなせない。情けない自分に、湊が罵声を向けた。
だが気を取られている暇はなかった。まだ悪魔は健在、つまり戦闘は続いているのである。
それを分からせるかのように、距離を開けていたスモール級が、突っ込んできた。
「は、反転を! このスモール級だけは後ろに逸らすんじゃあないぞ!」
「「「了解!」」
隊長機からの指示に合わせ、小隊が反転した。
前衛である湊が長刀で切り込み、それ以外の中衛・後衛が別のスモール級に向けて射撃を行う。
しかし3人の銃口は一方向に定まらず、タイミングも合っていない。火線を集中しきれず、スモール級を仕留め切れない。
その、残ったスモール級は最前衛にいる湊機へと側面から襲いかかった。
前腕部が振り上げられ、湊のコックピット向けて振り下ろされる。
「う、わ!?」
長刀で切り伏せた直後、襲ってきた前腕に何とか反応した湊は、反射的に悪魔を傾けさせた。
スモール級の一撃が空を切る。しかし、湊機は無茶な挙動のせいでバランスを崩し、倒れこむ。
「っ、なろぉ!」
湊は、倒れる直前で姿勢制御の噴射。姿勢制御を効かせ、何とか元の状態までリカバリーした。
そしてすかさず持っていた長刀を一薙ぎし、仕掛けてきたスモール級の頭部を切り飛ばした。気持ち悪い色をした、仮想の液体が飛び散った。
だが、直後にまた別のスモール級が武機に向けて間合いを詰めてくる。
武には先程よりは余裕があった。視界の端に見えたスモール級とその間合いを確認した武は、噴射跳躍で一端距離をあけようとする。
無理に刀で戦わず、魔力ビームで撃ち殺そうというのだ。
しかし―――跳躍しようとする寸前、湊の視界が赤に染まった。
悪魔にレッドアラートのメッセージが並ぶ。
「………悪魔破壊、判定?」
示されたのは自分の番号で、悪魔破壊の文字。つまりは、自機がやられたのだ。
そして湊の網膜に、原因を示した文が浮かんだ。
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