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悪役を演じて見せよ!
ひょろ風能力の真価
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魔法学園高等学校、新学期が始まって既に2か月が過ぎたところで、ついに魔法の実践授業が行われることになった。それまでは、上級魔法の歴史などの座学から始まって、上級道具の使い方の講義で実践することがなかったのだ。もちろん3年生は中級までの魔法の実践は終わっていたが、上級魔法は難しいため、準備期間に2か月必要とした。
ところで、ここ最近、ソラは不満に思っていることがある。
彼がすごろくゲームの参加者特典で付加された[ひょろ風を動かし、水を出す能力]がしょぼいと感じたからだ。だって、魔法学園では杖をもって呪文を唱えれば、誰だって風を自由に操り、水を出すことができるのだ。何だったら、ソラの双子の姉レミは呪文をノリノリで唱えられるぞ。
かなりの不満がたまってしまったので、他のメンバーの了承を得てゲームの一時停止機能を使い拠点に戻って、とまと伯爵に愚痴ってみたら、
「こればっかりは本人のやる気次第だから。何でもそうだけど、ゲームの世界で覚えたこととか自分で頑張って得た能力はそのまま残るから、無駄なことなんてない。今回も他の魔法を覚えて使っていったらいいんだって」
もしかしたら新しい能力を付加してもらえるかもと思ったのに、取り付く島もなかった。
こうなったら、この世界で1番の魔法使い目指してやる。そんなわけで、今日から校庭にて魔法の実践授業だ。
「ソラは風と水の魔法が得意だったか。そういや、この前公欠した時、魔法でクラスの女子のスカート捲りをした挙句、制服のシャツに水をかけ下着をスケスケにさせたって本当か? お前、相当な数寄者だったんだな。…まあ、私も見てみたかったが」
「スケスケって言い方、むっつりすけべめ………あー、あれか、あれは女子がきれてたね」
エリヤが公務で欠席した時に起こったことを口にして、アランが苦笑いしている。ソラは一瞬、意識が遠のいた。あの時を思い出すと遠い目をしてしまう。クラス女子の総スカンはさすがに堪えた。
「いやいや、違うから。偶然が重なっただけだから」
一瞬、素が出てしまった。
所謂、悪役令息補正がかかっているのか大抵の事故事件はソラがしたことになってしまっている。今のところ、犯人はソラとして処理されるが、本人に悪気がなくわざとではないと結論付けられるので、厳重注意で済んでいる。
ただ正直なところ、エリヤもアランも友人としていつも一緒にいてくれていることは奇跡に近い。クラスでは完全に変人トラブルメーカー認定されているのだ。
人差し指を立てて左右に振りながら、ソラはちっちっちと言った。
「僕のことはいい。エリヤは光魔法、アランは闇魔法が得意であるとか。うらやましいでござる」
光と闇、ソラの双子の姉レミが喉から手が出るほど手にしたい能力である。よって、とまと伯爵が言った通りにするのは癪だが、ソラも今回のターンでは光や闇といったほかの魔法を覚えてやろうと意気込んでいる。覚えたらレミにも教えてやるんだ。
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かなりの不満がたまってしまったので、他のメンバーの了承を得てゲームの一時停止機能を使い拠点に戻って、とまと伯爵に愚痴ってみたら、
「こればっかりは本人のやる気次第だから。何でもそうだけど、ゲームの世界で覚えたこととか自分で頑張って得た能力はそのまま残るから、無駄なことなんてない。今回も他の魔法を覚えて使っていったらいいんだって」
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