うり坊すごろく記 ~もふもふは非常食要員なんじゃないかと最近うたがってます~

青山零

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悪役を演じて見せよ!

猫、ホームからやってきた

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 その日、ソラはこれまでの人生のランキング5に入る位の衝撃に見舞われた。 

 ジュリアン室井は、とまと伯爵の拠点でチームメイトの健康を管理する獣医をしているとっても頭のいい猫だ。
 ポンタ同様、ゲームマスターによって老いが遅くなる呪いをかけてもらっているが、ゲームに参加した時点ですでにおっさん猫だったので加齢臭と常に闘っている。
 そんな彼が目の前にいる。確か彼は拠点で補欠要因としてチームメイトのメディカルチェックをしていたはずだ。

「にゃんで、にゃーここにいるの?」
 ずん胴で足が短く、ちょっと粘着質な猫がやってきた。チームメイトの中ではキワモノ扱いの猫だ。

「おいぃー、なぜなの、何でなの。よりにもよって、何で猫さんが召喚されるんだよー、神は死んだ。他の皆みたいに、天使ほにゃららとか、聖獣ぺけぺけとかが良かった。何か新鮮さがない、おっさん猫が来ちゃったよ」
 ソラは衝撃の余り、大分、失礼なことを言っている。いくらキワモノ猫でも失礼すぎる。

「にゃるほど。召喚魔法の授業でにゃーを呼び出したとそういうわけですにゃ。ふふーん、ソラはにゃーのこと大好きですもんにゃ、おじ様って呼んでもいいにゃ」
 あれだけ失礼なことを言われたのに、ポジティブに受け止めてくれた。そして、状況把握能力がべらぼうに高い。ただ猫のくせして、ジュリアン室井は、ぬちゃあと気持ち悪い笑いを器用に浮かべている。何となく気持ち悪い感じがぷんぷん出ている。
 ちなみに、一人称が[にゃー]だったり、語尾が[にゃ]になっているのは、ビジネスニャーニャーですにゃと言っていた。にゃを使わずとも話せるけど、えて猫っぽく話しているそうだ。

「はっそうだ、今回の救済指令のチームポイントはチーム毎に700だから、猫さんが来ちゃったら、全部で3人で山分けだから、233しかもらえなくなっちゃうよ。しかも割り切れないじゃん、とま伯ー! 確認できているなら、このおじ様猫送り返して!」

 ひらひらり、虚空からメモが舞い降りてきた。
『安心して大丈夫、2人で分けて350だから。室井ちゃんには失敗しても特別御手当220ポイント贈呈。仲良くしてね』
 ぶちゅっと、赤色のキスマークつきだ。何気にこの間のソラの文句を聞きいれて、とまと色のキスマークにしてやがる。

 3年生になったら、今までの魔法の勉強の集大成として召喚魔法の授業が本格的に始まる。何せ、召喚魔法で呼び出された召喚獣は一生の付き合いになることが多いからだ。
 エリヤは天使レリエル、アランは聖獣白虎を呼び出していた。そうして、ソラはジュリアン室井を呼び出したのだ。

「ふむ、なかなか興味深い猫を召喚したな、ソラ。レリエルはしゃべる猫を見たことがあるか?」
「いいえ。申し訳ありませんが、何となく仲良くなれない気がいたします」
「おお、面白そうな猫だな」
「わふっ」
 それぞれ、エリヤとアランが自分の召喚獣と会話している。

「しばらく、よろしくにゃー」
 おじ様猫ことジュリアン室井が仲間に加わった。
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