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悪役を演じて見せよ!
1,2,3ビートボックス担当
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いよいよ、乙女ゲーム世界のメインイベント音楽祭が迫ってきた!
ソラは自由枠でアビゲールと出場することが決まっている。女の子と2人きりなんてチキンハートには耐えられないので、仲間を募集したところ、なんとまさかの梅組3人組[にのまえ、したなが、みつ]が一緒に参加してくれることになった。
「やっぱ、弟分の面倒はみてやんねーとな」
とのことだった。男気が熱い。彼らは楽器なんてできないとのことで、ビートボックス担当をしてくれることになった。それはそれですごい。
基本、放課後は用務員室で反省会をしているので、お昼休みにほぼ毎日集まって練習することになった。他の皆も放課後は部活や魔法研究に忙しいので、ちょうどよかったらしい。
初日の練習風景。音楽室の個室を借りている。アビーは女子1人だが、何だかんださっそく3人組と打ち解けている。距離感はまだまだ微妙だけど。
「課題曲どうすんよ?」
「やっぱロックじゃね?」
「いや、演歌も捨てがたいっす、漁師の男気を歌った歌とかこぶしがぱねえっすよ、最後は散りゆく愛に変わっちゃうんすけどね、これがなかなか」
漁師の歌がどんな歌か、気になるところではあるが、音楽祭向きではないので却下された。
「じゃあ、ソラはいい案あんのか?」
「えっと、春の鯉歌とかいいと思いまっす!」
「「「…(恋?)」」」
「じゃあ、アビゲールはいい案ある?」
ソラの案はつるっとまるっと無視された。
「えっ、なして無反応、何で僕泳がされたの?」
とりあえず、聞いてくれた体みたいだが、ソラには恋の歌は似合わないと思われてしまったようで無視されてしまったようだった。
「はい、じゃあ、ええっと、ソラが言っていた春の鯉歌がいいと思うの、こいはこいでも魚の鯉の歌なの。3人は座敷童のぶーちゃん知ってる?」
アビゲールがソラの提案を拾ってくれた。いい子だ、惚れてまうやろ。
「ぶーちゃん?」
「豚?」
「ぶりっこ?」
知らないようだ。というか、ぶりっことか悪口からきているニックネームとか普通にいやである。
「ぶーちゃんは課外授業で知り合ったブレネリっていう妖怪の女の子なんだけど、めっちゃ歌がうまくて、歌に魔法をのせる方法を教えてくれた賢い子なんす、アビー一緒にぶーちゃんの教えてくれた歌、歌ってくれない?」
ぶすくれながらソラがぶーちゃんについて説明して、ついでにどんな歌かアビゲールと歌ってみることにした。
「いいとは思うけど、パンチがないな」
「なんだ鯉か、漁師に通じるもんはあるけど…」
「うーん、微妙…ソウルを感じねっす」
微妙な反応だ、やはりぶーちゃんが歌うのとソラ達が歌うのでは何かが違うのか。
「だったら、ゼロ翔けるソラは?」
キタ…、あんまり広めたくなかった『ゼロ翔けるソラ』、というか、なんでアビゲールはこの歌知っているのかな…。まさかのぶーちゃんの裏切りをソラは感じた、他ではあんまり歌わないでねって言ったのに。
そして、アビゲールが歌ってくれた。
「「「いい!」」」
なぜか、全会一致した。課外授業でのソラ達班の子たちの反応と全く逆だ。果たして、梅組の感性がおかしいのか何なのか。
「にしても、歌に魔法をのせるなんておもしれーな!」
「だな、なにげに勉強になったぜ」
「これ歌えば、梅組女子も抑えられるっしょ。ソラがポンコツって伝わる、いい歌っすね」
こうして歌う曲も決まり、順調な滑り出しとなった。
ソラは自由枠でアビゲールと出場することが決まっている。女の子と2人きりなんてチキンハートには耐えられないので、仲間を募集したところ、なんとまさかの梅組3人組[にのまえ、したなが、みつ]が一緒に参加してくれることになった。
「やっぱ、弟分の面倒はみてやんねーとな」
とのことだった。男気が熱い。彼らは楽器なんてできないとのことで、ビートボックス担当をしてくれることになった。それはそれですごい。
基本、放課後は用務員室で反省会をしているので、お昼休みにほぼ毎日集まって練習することになった。他の皆も放課後は部活や魔法研究に忙しいので、ちょうどよかったらしい。
初日の練習風景。音楽室の個室を借りている。アビーは女子1人だが、何だかんださっそく3人組と打ち解けている。距離感はまだまだ微妙だけど。
「課題曲どうすんよ?」
「やっぱロックじゃね?」
「いや、演歌も捨てがたいっす、漁師の男気を歌った歌とかこぶしがぱねえっすよ、最後は散りゆく愛に変わっちゃうんすけどね、これがなかなか」
漁師の歌がどんな歌か、気になるところではあるが、音楽祭向きではないので却下された。
「じゃあ、ソラはいい案あんのか?」
「えっと、春の鯉歌とかいいと思いまっす!」
「「「…(恋?)」」」
「じゃあ、アビゲールはいい案ある?」
ソラの案はつるっとまるっと無視された。
「えっ、なして無反応、何で僕泳がされたの?」
とりあえず、聞いてくれた体みたいだが、ソラには恋の歌は似合わないと思われてしまったようで無視されてしまったようだった。
「はい、じゃあ、ええっと、ソラが言っていた春の鯉歌がいいと思うの、こいはこいでも魚の鯉の歌なの。3人は座敷童のぶーちゃん知ってる?」
アビゲールがソラの提案を拾ってくれた。いい子だ、惚れてまうやろ。
「ぶーちゃん?」
「豚?」
「ぶりっこ?」
知らないようだ。というか、ぶりっことか悪口からきているニックネームとか普通にいやである。
「ぶーちゃんは課外授業で知り合ったブレネリっていう妖怪の女の子なんだけど、めっちゃ歌がうまくて、歌に魔法をのせる方法を教えてくれた賢い子なんす、アビー一緒にぶーちゃんの教えてくれた歌、歌ってくれない?」
ぶすくれながらソラがぶーちゃんについて説明して、ついでにどんな歌かアビゲールと歌ってみることにした。
「いいとは思うけど、パンチがないな」
「なんだ鯉か、漁師に通じるもんはあるけど…」
「うーん、微妙…ソウルを感じねっす」
微妙な反応だ、やはりぶーちゃんが歌うのとソラ達が歌うのでは何かが違うのか。
「だったら、ゼロ翔けるソラは?」
キタ…、あんまり広めたくなかった『ゼロ翔けるソラ』、というか、なんでアビゲールはこの歌知っているのかな…。まさかのぶーちゃんの裏切りをソラは感じた、他ではあんまり歌わないでねって言ったのに。
そして、アビゲールが歌ってくれた。
「「「いい!」」」
なぜか、全会一致した。課外授業でのソラ達班の子たちの反応と全く逆だ。果たして、梅組の感性がおかしいのか何なのか。
「にしても、歌に魔法をのせるなんておもしれーな!」
「だな、なにげに勉強になったぜ」
「これ歌えば、梅組女子も抑えられるっしょ。ソラがポンコツって伝わる、いい歌っすね」
こうして歌う曲も決まり、順調な滑り出しとなった。
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