95 / 96
悪役を演じて見せよ!
悪演のエピローグ
しおりを挟む
その日、アイランは古い友人を訪ねた。顔に似合わず、旧ネシぐるみのストラップを常に愛用のサックスケースにつけている友人。彼はギャルだった妻と結婚し、愛妻家で有名でもある。
古い友人を訪ねたら、その友人との共通の友人を思い出した。忘れることのできない、もう会うことのできない友人だ。彼は、自分を初めて出来た友人だと言っていた、自分にとっても彼が初めて出来た友人だったと思う。
渋いと散々馬鹿にされた趣味を笑うこともなく、一緒に歌を歌ったり、スイカ割りをしたり、たくさんの楽しい思い出が作れた。自分の孫と同じ位の時に出会った彼は今どうしているだろうか…、たまに思い出すと少し切なくなる。
帰り道、ふっと盆栽美術館によってみた。あそこの五葉松は未だ朽ちることなく、歳を重ねている。不思議な五葉松は不思議と友人を思い起こした。
窓からの柔らかな光を浴びて、白く枯れた部分は美しく輝き、生きている部分は雄々しく未だ脈打っている。アイランが瞬きすると、館内なのにひょろっとした風のいたずらが起こった。
さようならは言わなかった、またきっと会えるとは思えないけど、忘れない。
古い友人を訪ねたら、その友人との共通の友人を思い出した。忘れることのできない、もう会うことのできない友人だ。彼は、自分を初めて出来た友人だと言っていた、自分にとっても彼が初めて出来た友人だったと思う。
渋いと散々馬鹿にされた趣味を笑うこともなく、一緒に歌を歌ったり、スイカ割りをしたり、たくさんの楽しい思い出が作れた。自分の孫と同じ位の時に出会った彼は今どうしているだろうか…、たまに思い出すと少し切なくなる。
帰り道、ふっと盆栽美術館によってみた。あそこの五葉松は未だ朽ちることなく、歳を重ねている。不思議な五葉松は不思議と友人を思い起こした。
窓からの柔らかな光を浴びて、白く枯れた部分は美しく輝き、生きている部分は雄々しく未だ脈打っている。アイランが瞬きすると、館内なのにひょろっとした風のいたずらが起こった。
さようならは言わなかった、またきっと会えるとは思えないけど、忘れない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる