俺の隣にいるのはキミがいい

空乃 ひかげ

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第三章

自分を見て欲しい

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天音の公開告白から少しして、午後の部が始まる。
あの後蛍の明るめのいじりなどで、雰囲気は氷点下のように冷たくなることはなかったけど、空気は未だにピリピリとしてる感じだった。

「あ…午後って確か騎馬戦あるよね?
3人共出るんだよね?
頑張って…」
後ろを振り返って歩いていた3人に笑顔で応援を伝えるものの、3人の間の空気が悪すぎて最後は声が小さくなってしまった。

特に瑠夏と天音の間の空気。
悠理はいつものの様に余裕そうな笑みを浮かべてるけど、瑠夏と天音に挟まれて居心地が悪そうだった。

「ひなた、ありがとな。
俺のカッコいい所ちゃんと見とけよ?」
「あ?
悠理ばっか見んなよ?」
「ひなた、俺の活躍もちゃんと見てて欲しい」

3人にぐっと迫られて少し困りつつ、両手を振りながら苦笑いして答える。
「だ、大丈夫だよ。
3人の事ちゃんと応援してるし、見とくから」

3人は何か腑に落ちないのか、天音は小さく頬をかきながら苦笑いし、ユーリははぁ…と短いため息を漏らして首の後ろをかき、瑠夏はフンっと鼻を鳴らして腕を組んでそっぽを向いてしまった。

ど、どういう反応なんだろう…。
困惑していると、すかさず蛍が私の腕を組みながらにこやかに
「3人ともそんなにひなたに見て欲しいんだね、熱いね~?」
と3人を煽っていた。

「蛍、今そういう事言ったら…」
余計空気が悪くなりそう。
そう言おうとしてチラッと3人を見ると、瑠夏と天音、おまけに何故か悠理までそれぞれ視線をそらして少し顔を赤くしていた。

今のどこに照れる要素があったのだろうか…?
「とりあえずさ、テント行って他の子達応援しに行こうよ。
ひなたが出る借り物競争の後に騎馬戦だっけ?」
「うん、借り物競争は午後の部の3番目だからもうちょっとだよ」

歩き出しながら蛍の問いに答える。
後ろには男子3人も黙って着いて来ていた。

「借り物競争ってさ、定番あるよね」
「定番?」
首を傾げながら蛍を見ると、蛍はニヤッと笑った。
「えー?
定番って言ったらもちろん…お題に"好きな人"があるでしょ」
ピクッと後ろの3人の男子達が反応した気がした。
「すっ!?」

今そんな話題を出されたら、さっき告白された私とタイムリーな話だし、思い出しちゃうじゃん…!
少し動揺しながらも軽く笑って受け流す。

「ははっ、でも私が引くとは限らないし、そもそもそのお題があるかどうか…」
「だから今からフラグ立てとくんだよ。
ひなたがもしそのお題引いたら、誰を連れて走るのか楽しみだなぁ」
にっこりと微笑んだ後、後ろの3人に目を移す蛍。

3人共『なんだ』と言わんばかりの表情をしている。

はぁ…。
そのお題が出ない事を願うばかりだ。
それかもし万が一にでも引いてしまったら、蛍を連れて行こう。
うん、それが1番無難で平和だよね。

1人うんうんと頷きながら、私は心の中で即決するのであった。
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