俺の隣にいるのはキミがいい

空乃 ひかげ

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第三章

騎馬戦

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私の出番が終わって次はいよいよ注目されてる1つの種目、騎馬戦だ。

3人の男子が騎馬戦の準備をしてテントから出ようとする。
「腕まくりしてやる気満々じゃん」
蛍がからかう様に3人を見て不敵に笑った。

「当たり前だろ、ひなたにカッコわりぃ所見せらんねぇからな」
強気に、でもまっすぐ私を見ながらニッと軽く笑って答える瑠夏。
その言葉に少しドキッとしてしまう。

「瑠夏にも負けてられないからね。
本気で行かせてもらうよ」
額にギュッと白のハチマキを巻いて気合いを入れる天音。
応援団の時も思ったけど、白が良くお似合いで。

「怪我しないでね、3人とも」
騎馬戦といったら結構激しい取っ組み合いをするし、騎馬の安定性も良いわけじゃないから落ちないか心配になる。

私の心配する顔が暗く見えたのか、悠理がポンっと私の頭に手を置いてトントンと軽く叩いた。
「心配すんな、俺たち運動神経はいい方だし。
紅組の勝利持ち帰ってやっから、楽しみにしとけよ?」

いつもの余裕な笑みを見せて笑う悠理に、私の不安な気持ちがサッと晴れ渡った気がした。
「…うん、3人とも行ってらっしゃい!」
手を振って今度は見送る。

誰も怪我しません様に…。
そう祈りながら、蛍と一緒にテントで3人の応援をする心の準備を始めた。

騎馬戦は1回戦と2回戦、2回に分けて行われる。
瑠夏達3人には2回戦目で出る感じだった。

笛の音と共に1回戦目が始まる。
男子生徒の唸り声と掛け声、色んな声が混ざり合ってグランドはお互いの組みでもみくちゃになっていた。

やっぱり男子の種目は迫力あるなぁ…。
何か地響きがするもん。

紅も白も、負けじとお互いのハチマキを取っていく。
…これって、夢中になってるからその時は気づかないだけで、下手したら髪の毛事引っ張られて抜けてそう。
…想像しただけでゾッとした。

そうこうしてる間に1回戦目が終わり、次はいよいよ2回戦目。
瑠夏達の番だ。

「瑠夏ー!天音ー!悠理ー!
がんばれー!」
出せる限りの声を張って応援する。
他の声援で私の声が届いてるかはわからないけど。

「あー、落ちて怪我しないかハラハラする…」
勝負よりどっちかと言うと私は、怪我しないかの方が心配だった。

「ひなた、心配しすぎだよ」
「だって…」
「男子達を信じてあげな?
かすり傷は作れど、ひなたを悲しませる様な大きな傷は作ってこないと思うよ」

隣で蛍が少し呆れ気味に小さく笑って、短いため息をこぼす。
「うっ…そうだね」
心配ばかりしててもしょうがないし、信じてしっかり3人の活躍を見届けよう。

騎馬戦で次々と他の騎馬からハチマキを取っていく3人は、2回戦目の圧倒的戦力になっていた。
そして瑠夏と天音が直接ぶつかり合う。

手を伸ばしたり曲げたりして攻防を繰り返している。
あと、2人とも口が動いてるのが見えるから何か言ってる…?
流石に声はここまで届かない。

まぁ攻防戦繰り広げてたら何かしら言うか。
特に深く気にすることなく2人の戦いを見ていると、瑠夏の攻撃に加勢する様に、悠理が2人の元へ向かっていた。

そして3人で騎馬の上で取っ組み合いまがいな、ハチマキをかけた争いが始まる。
瑠夏と悠理は紅組だから、白組の天音1人じゃ不利だ。

どうなるのかハラハラしながら釘付けになって見ていた所、時間が来てしまったのか結局決着がつくことなく陣営に戻ってしまった。

まぁ、結果として悠理と瑠夏、天音は大量に他の生徒から奪い取ってだけど…。
凄いな、あの3人。

騎馬戦の勝負、結果は…紅の勝ち!
戻ってきた3人は出ていく前と比べると少しボロボロだった。

「お疲れ様、みんなに怪我がなくて良かったよ」
「おう、ただいま。
ちゃんと紅組の勝利持ち帰ってやったろ?」
「うん、凄いね」
戻ってきた悠理が小さく微笑んで、くしゃりと私の頭をひと撫でしてテントの中に入る。

続けて瑠夏と天音も「ただいま」と言って、疲れたのか3人ともテントの中で座り込んだ。

「はー、マジキッツ。
腕が痛てぇ」
「俺も同感だ。
当分しばらく動けねぇ」
「瑠夏も悠理も2人して俺の所に来るから、ハチマキ守るのにいっぱいいっぱいだったよ」

3人がダラっとしながら各々愚痴る。
やっぱり騎馬戦って体力使うんだな。

「そういや、お前らちゃんと見てたか?」
悠理が顔を上げて、私と蛍の顔を覗く。
私は蛍と顔を見合わせて、ぷっと吹き出した。

「見てた見てた。
3人とも頑張ってたね」
「まぁ3人の勝負がつかなかったのは惜しかったよね」
笑顔で私と蛍は感想を述べた。

「3人ともカッコよかったよ」
微笑んで素直な感想を述べると、悠理も瑠夏も天音も、満足気に笑っていた。

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