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第三章
5人の大切な時間
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神社の奥へ進むほど紅葉の赤は深まり、まるで世界が燃えているみたいに鮮やかだった。
さっきまでは少しバタバタしちゃったけど、今は瑠夏も天音も穏やかな顔をしていて、悠理もいつものように涼しい顔で後ろを歩いている。
隣には大好きな蛍。
この5人で歩く時間は、やっぱり何物にも代えがたい。
「わあ、見て!
綺麗……!」
「だねー!
真っ赤に燃えてるみたい!」
「ほら、お参りすんぞ。
一番高いところまで来たんだからな」
瑠夏が賽銭箱の前で立ち止まり、紅葉に見惚れてる私と蛍を呼ぶ。
5人並んで静かにお辞儀をして手を合わせた。
鈴の音がチリンと高く響いて、境内の静寂に溶けていく。
……これからも、みんなとこうして笑い合えますように。
私は心の中でそう願って、そっと目を開けた。
隣で3人の男子たちと蛍が何を願ったのかはわからないけれど、みんな真剣な横顔をしていた。
「よし、次は運試しだね。
おみくじ引きに行こうか」
天音が微笑んで提案し、私たちは社務所へ向かった。
「せーの、で開けよ!
せーの!」
蛍の合図で、みんなで一斉に広げる。
「おっ、俺大吉だ。
『勝負事:望みのままに叶う』
…もう叶ったようなもんだな」
瑠夏が拳を握ってニッと喜ぶ。
リレーに続いて運気も絶好調みたい。
「俺は小吉かな。
『失物:出ず。されど代わりが見つかる』
失物…何だろう」
天音は私をちらりと見て、真剣な顔をしていた。
「俺は中吉か。
『待ち人:来る。驚くことあり』
……へぇ、悪くねぇな」
悠理はニヤリと笑って、どこか納得したように頷いている。
「私は吉ー!
微妙すぎて草!
」
私は、なんと大吉だった。
「『恋愛:誠意を尽くせば通ず。迷うべからず』
……へへっ、いいこと書いてある」
そう言って笑うと、なぜか男子3人が一斉に顔を赤くして
「「……っ」」
「……そうか」
と視線を泳がせた。
そんな3人の様子を見て、蛍が
「あはは、みんな単純すぎ!」
と笑い飛ばす。
そんな賑やかな帰り道、参道の端っこの日向ぼっこをしている先客を見つけた。
「あ、猫……!」
「本当だ!
可愛い~!」
茶トラの野良猫が、石畳の上で丸くなっていた。
私と蛍は吸い寄せられるように駆け寄って、姿勢を低くする。
「おいで~、怖くないよ……」
そっと手を伸ばすと猫は気持ちよさそうに目を細めて、私の掌に頭を擦り寄せてきた。
「ふふ、あったかい。
蛍、こっちも撫でてみて」
「わ~!
ふわふわだね~」
夢中で猫を撫でていると、少し離れたところで瑠夏、天音、悠理の3人が足を止めて私たちをじっと見守っていた。
「……あいつ、本当に動物に好かれんな」
「ひなたが優しいからだよ。
2人を見てるだけで、こっちまで穏やかな気持ちになるね」
「……だな。
猫になりてぇって言う奴の気持ちが、ちょっと分かったわ」
3人の優しい視線が背中に刺さる。
あのおんぶの時の瑠夏の温もり。
体育祭で天音がくれた言葉。
そしてさっき悠理と手を繋いで聞いた好きなところ。
全部が、この秋の景色と一緒に私の宝物になっていく。
「ひなた、蛍、そろそろ行くぞ。
集合時間に遅れる」
瑠夏の呼びかけに「はーい!」と二人で返事をして立ち上がった。
振り返ると、夕陽に変わりかけた太陽に淡く照らされた3人が、優しい顔で待ってくれていた。
「また、みんなで来ようね」
私の言葉に、みんながそれぞれのやり方で頷いてくれる。
紅葉の赤が深まる秋の神社の帰り道。
私たちの笑い声は、いつまでも真っ赤に燃えた紅葉と静かな神社の中に響いていた。
さっきまでは少しバタバタしちゃったけど、今は瑠夏も天音も穏やかな顔をしていて、悠理もいつものように涼しい顔で後ろを歩いている。
隣には大好きな蛍。
この5人で歩く時間は、やっぱり何物にも代えがたい。
「わあ、見て!
綺麗……!」
「だねー!
真っ赤に燃えてるみたい!」
「ほら、お参りすんぞ。
一番高いところまで来たんだからな」
瑠夏が賽銭箱の前で立ち止まり、紅葉に見惚れてる私と蛍を呼ぶ。
5人並んで静かにお辞儀をして手を合わせた。
鈴の音がチリンと高く響いて、境内の静寂に溶けていく。
……これからも、みんなとこうして笑い合えますように。
私は心の中でそう願って、そっと目を開けた。
隣で3人の男子たちと蛍が何を願ったのかはわからないけれど、みんな真剣な横顔をしていた。
「よし、次は運試しだね。
おみくじ引きに行こうか」
天音が微笑んで提案し、私たちは社務所へ向かった。
「せーの、で開けよ!
せーの!」
蛍の合図で、みんなで一斉に広げる。
「おっ、俺大吉だ。
『勝負事:望みのままに叶う』
…もう叶ったようなもんだな」
瑠夏が拳を握ってニッと喜ぶ。
リレーに続いて運気も絶好調みたい。
「俺は小吉かな。
『失物:出ず。されど代わりが見つかる』
失物…何だろう」
天音は私をちらりと見て、真剣な顔をしていた。
「俺は中吉か。
『待ち人:来る。驚くことあり』
……へぇ、悪くねぇな」
悠理はニヤリと笑って、どこか納得したように頷いている。
「私は吉ー!
微妙すぎて草!
」
私は、なんと大吉だった。
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……へへっ、いいこと書いてある」
そう言って笑うと、なぜか男子3人が一斉に顔を赤くして
「「……っ」」
「……そうか」
と視線を泳がせた。
そんな3人の様子を見て、蛍が
「あはは、みんな単純すぎ!」
と笑い飛ばす。
そんな賑やかな帰り道、参道の端っこの日向ぼっこをしている先客を見つけた。
「あ、猫……!」
「本当だ!
可愛い~!」
茶トラの野良猫が、石畳の上で丸くなっていた。
私と蛍は吸い寄せられるように駆け寄って、姿勢を低くする。
「おいで~、怖くないよ……」
そっと手を伸ばすと猫は気持ちよさそうに目を細めて、私の掌に頭を擦り寄せてきた。
「ふふ、あったかい。
蛍、こっちも撫でてみて」
「わ~!
ふわふわだね~」
夢中で猫を撫でていると、少し離れたところで瑠夏、天音、悠理の3人が足を止めて私たちをじっと見守っていた。
「……あいつ、本当に動物に好かれんな」
「ひなたが優しいからだよ。
2人を見てるだけで、こっちまで穏やかな気持ちになるね」
「……だな。
猫になりてぇって言う奴の気持ちが、ちょっと分かったわ」
3人の優しい視線が背中に刺さる。
あのおんぶの時の瑠夏の温もり。
体育祭で天音がくれた言葉。
そしてさっき悠理と手を繋いで聞いた好きなところ。
全部が、この秋の景色と一緒に私の宝物になっていく。
「ひなた、蛍、そろそろ行くぞ。
集合時間に遅れる」
瑠夏の呼びかけに「はーい!」と二人で返事をして立ち上がった。
振り返ると、夕陽に変わりかけた太陽に淡く照らされた3人が、優しい顔で待ってくれていた。
「また、みんなで来ようね」
私の言葉に、みんながそれぞれのやり方で頷いてくれる。
紅葉の赤が深まる秋の神社の帰り道。
私たちの笑い声は、いつまでも真っ赤に燃えた紅葉と静かな神社の中に響いていた。
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