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制服管理課のドルマ
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「あら、カイルさん、・・これまたものすごい穴ですね。これは雷魔術ですか?」
制服管理課の扉をたたくと、いつものごとくハンザが仕事の手を止めて対応してくれた。
ハンザの後ろの衝立の奥に人の気配を感じる。
人の到来に怯えて、ドルマがこの衝立の奥で震えて隠れているのかと思うと、マティアスは早く用事をすませてこの部屋から退出してやりたくなるような気持ちになる。
(まるで怖がりのネコみたいだな)
誰にも姿を見せたがらないが、見たことのある連中はみな、小柄で可愛い女の子で、その上、笑うとえくぼまであるという。
正直、恥ずかしがり屋で小柄で、その上えくぼがあるだなんて、マティアスの好みのど真ん中だ。
(・・是非一度会って顔を見て、許されるならゆっくりと話しをしてみたいなあ)
そんな事をマティアスが考えている横で、カイルがハンザに答えた。
「ああ、ハンザちゃんご名答。そうなんだ。ここにいるマティが雷魔術をしくじってね。よく分かったね」
「えへ、うちの家は代々、弱いんですけど雷魔術が使えるんです。よく上の兄が失敗した時にこういう焦げを作ってましたよ。上の兄はその甲斐あって、今王都で魔法騎士部隊の見習いに入ったんです!」
「へえ!すごいね、ハンザの家は立派な魔法一族なんだね」
どうやらハンザはとても実家を誇りにしているらしい。
褒めてもらって嬉しくて仕方がないという面持ちでカイルに大きな笑顔を見せている。
「ハンザは雷の魔法か何か、使えるの?」
「私ですか? 私は雷が落とせるほどではないんですけれど、猫よけぐらいの結界なら張れるんです。この間も頼まれて、中庭のニワトリ小屋の周りに雷の結界を張ったんです。猫が悪さをしようとしたら、びりびり!ってなるように」
「ひゃー、それじゃハンザちゃんのご両親も安心だね、不埒なヤカラがハンザちゃんの部屋にでも入ろうとしたら、びりびりにできる能力をもってるもんな!」
「そうですよ!カイルさんのおひげを燃やすくらいは朝飯前ですよ!」
「やあ、そりゃ怖いな、ハンザちゃんを口説く時は気をつけよう」
どうやらハンザとカイルの会話を衝立の後ろでドルマは聞いているらしい。
少し衝立の後ろから笑ったような声がした。
(あ、笑った)
マティアスの心は衝立の後ろに持っていかれてしまう。
(いかん。いかん。私はこのドルマという娘の作業を観察するためにここに来たのだった)
マティアスはなんとか、そう頭をぶんぶんと振って、訪問の目的やっと口にした。
「悪いが、ちょっとカイルの今すぐ仕上げてもらってもいいかな、今日の午後、領主様の所の文官に契約書の事でよばれてるんだけどさ、他の制服はまだ洗濯から帰ってきてなくてさ。簡単でいいからさ」
「あら、それは大変ね、ええ、っと・・ちょっとまってね、ドルマに聞いてみる」
カイルは大変な大柄なので、制服の予備などハンザの在庫に無い。
ハンザは衝立の後ろのドルマにカイルの穴のあいたパンツを持ってゆくと、何やらと声を掛けた。
衝立超しに、ドルマの影が首を縦に振ってくれたのが見える。
ハンザは衝立から出てきて、カイルに言った。
「ドルマは良いっていってくれてるけど、今回だけよ。それでなくともここの連中はドルマにみんな甘えるから、この子仕事が増えて大変なんだから。この間なんてドルマを放っておいたら仕事が終わった後に、自分の寮の部屋に持って帰って繕い物をしてたんだから」
「ごめん。引き受けてくれて本当に助かるよ、恩に着る。ここで仕上がるまで待たせてもらっても?」
「いいけど、絶対にドルマの邪魔をしないでね、この子は怖がりなの。待ちたいなら湖の側にいいスポットがあるから、そこでみんなさぼる時は昼寝してるわよ、そっちの方がいいんじゃないの?」
そう言うだけ言うと、ハンザはサッサと自分の作業に戻ってしまった。
自分の実家にも、今の自分の仕事にも誇りを持っているのだろう。
ハンザはドルマの仕事のお陰で浮いた予算をぎっちりため込んで、近衛兵のそれと同じくらい上質の冬の靴を仲間に贈ったほどの、若い女傑だ。
「いや、迷惑でなければドルマちゃんの作業が終わるのをここで待っているよ」
ドルマの影が衝立の向こうで静かに動き出したのが見える。
どうやらこの三人が、危険な人物でも、ドルマを脅かすものでもないと認識したらしい。
布の擦れる音と、針と糸が布を通ってゆくかすかな音が、静かな部屋に響いた。
ドルマの影の動きを眺めているだけでも、この娘がいかに丁寧な手仕事をほどこしているのかが事がうかがえる。
ドルマは開いた穴を少しじっくりと眺めているかと思うと、丁寧に裏に布を当てて、何度も何度も針を交差させている。魔法を発動させている気配は見えない。
三人は息を殺して、ドルマの作業に意識を集中させる事にした。
しばらくするち衝立の奥から小さな声がして、ハンザが衝立の奥に入ってゆく。しばらくすると大きなパンツを手にしたハンザがカイルの前に出てきた。
「ほら、できたって」
ハンザが穴の見事に繕われたパンツをカイルに手渡した。
「それからドルマがね、雷は膝に当たると後が怖いですからね、気をつけてくださいね。ってさ」
「あ、ありがとう」
どうやらドルマとは直接でなければ、会話は成り立つ様子だ。カイルの手の中にある繕われたパンツを観察してみる。とても丁寧に繕われてあるし、素晴らしい仕上がりだ。だが、特に特別に守護や防御魔法や、特別な縫い方など、何かが施された気配はない。
(うーん、確かに、自分が開けた穴を、こうも丁寧に、大切そうにこの小柄で怖がりの女の子が繕ってくれているのはテンションが上がるといえばテンションが上がる)
マティアスはニマの言葉を思い出した。
実際に目の前のカイルはなんだか、モジモジと嬉しそうでなんとなく腹が立つ。
制服管理課の扉をたたくと、いつものごとくハンザが仕事の手を止めて対応してくれた。
ハンザの後ろの衝立の奥に人の気配を感じる。
人の到来に怯えて、ドルマがこの衝立の奥で震えて隠れているのかと思うと、マティアスは早く用事をすませてこの部屋から退出してやりたくなるような気持ちになる。
(まるで怖がりのネコみたいだな)
誰にも姿を見せたがらないが、見たことのある連中はみな、小柄で可愛い女の子で、その上、笑うとえくぼまであるという。
正直、恥ずかしがり屋で小柄で、その上えくぼがあるだなんて、マティアスの好みのど真ん中だ。
(・・是非一度会って顔を見て、許されるならゆっくりと話しをしてみたいなあ)
そんな事をマティアスが考えている横で、カイルがハンザに答えた。
「ああ、ハンザちゃんご名答。そうなんだ。ここにいるマティが雷魔術をしくじってね。よく分かったね」
「えへ、うちの家は代々、弱いんですけど雷魔術が使えるんです。よく上の兄が失敗した時にこういう焦げを作ってましたよ。上の兄はその甲斐あって、今王都で魔法騎士部隊の見習いに入ったんです!」
「へえ!すごいね、ハンザの家は立派な魔法一族なんだね」
どうやらハンザはとても実家を誇りにしているらしい。
褒めてもらって嬉しくて仕方がないという面持ちでカイルに大きな笑顔を見せている。
「ハンザは雷の魔法か何か、使えるの?」
「私ですか? 私は雷が落とせるほどではないんですけれど、猫よけぐらいの結界なら張れるんです。この間も頼まれて、中庭のニワトリ小屋の周りに雷の結界を張ったんです。猫が悪さをしようとしたら、びりびり!ってなるように」
「ひゃー、それじゃハンザちゃんのご両親も安心だね、不埒なヤカラがハンザちゃんの部屋にでも入ろうとしたら、びりびりにできる能力をもってるもんな!」
「そうですよ!カイルさんのおひげを燃やすくらいは朝飯前ですよ!」
「やあ、そりゃ怖いな、ハンザちゃんを口説く時は気をつけよう」
どうやらハンザとカイルの会話を衝立の後ろでドルマは聞いているらしい。
少し衝立の後ろから笑ったような声がした。
(あ、笑った)
マティアスの心は衝立の後ろに持っていかれてしまう。
(いかん。いかん。私はこのドルマという娘の作業を観察するためにここに来たのだった)
マティアスはなんとか、そう頭をぶんぶんと振って、訪問の目的やっと口にした。
「悪いが、ちょっとカイルの今すぐ仕上げてもらってもいいかな、今日の午後、領主様の所の文官に契約書の事でよばれてるんだけどさ、他の制服はまだ洗濯から帰ってきてなくてさ。簡単でいいからさ」
「あら、それは大変ね、ええ、っと・・ちょっとまってね、ドルマに聞いてみる」
カイルは大変な大柄なので、制服の予備などハンザの在庫に無い。
ハンザは衝立の後ろのドルマにカイルの穴のあいたパンツを持ってゆくと、何やらと声を掛けた。
衝立超しに、ドルマの影が首を縦に振ってくれたのが見える。
ハンザは衝立から出てきて、カイルに言った。
「ドルマは良いっていってくれてるけど、今回だけよ。それでなくともここの連中はドルマにみんな甘えるから、この子仕事が増えて大変なんだから。この間なんてドルマを放っておいたら仕事が終わった後に、自分の寮の部屋に持って帰って繕い物をしてたんだから」
「ごめん。引き受けてくれて本当に助かるよ、恩に着る。ここで仕上がるまで待たせてもらっても?」
「いいけど、絶対にドルマの邪魔をしないでね、この子は怖がりなの。待ちたいなら湖の側にいいスポットがあるから、そこでみんなさぼる時は昼寝してるわよ、そっちの方がいいんじゃないの?」
そう言うだけ言うと、ハンザはサッサと自分の作業に戻ってしまった。
自分の実家にも、今の自分の仕事にも誇りを持っているのだろう。
ハンザはドルマの仕事のお陰で浮いた予算をぎっちりため込んで、近衛兵のそれと同じくらい上質の冬の靴を仲間に贈ったほどの、若い女傑だ。
「いや、迷惑でなければドルマちゃんの作業が終わるのをここで待っているよ」
ドルマの影が衝立の向こうで静かに動き出したのが見える。
どうやらこの三人が、危険な人物でも、ドルマを脅かすものでもないと認識したらしい。
布の擦れる音と、針と糸が布を通ってゆくかすかな音が、静かな部屋に響いた。
ドルマの影の動きを眺めているだけでも、この娘がいかに丁寧な手仕事をほどこしているのかが事がうかがえる。
ドルマは開いた穴を少しじっくりと眺めているかと思うと、丁寧に裏に布を当てて、何度も何度も針を交差させている。魔法を発動させている気配は見えない。
三人は息を殺して、ドルマの作業に意識を集中させる事にした。
しばらくするち衝立の奥から小さな声がして、ハンザが衝立の奥に入ってゆく。しばらくすると大きなパンツを手にしたハンザがカイルの前に出てきた。
「ほら、できたって」
ハンザが穴の見事に繕われたパンツをカイルに手渡した。
「それからドルマがね、雷は膝に当たると後が怖いですからね、気をつけてくださいね。ってさ」
「あ、ありがとう」
どうやらドルマとは直接でなければ、会話は成り立つ様子だ。カイルの手の中にある繕われたパンツを観察してみる。とても丁寧に繕われてあるし、素晴らしい仕上がりだ。だが、特に特別に守護や防御魔法や、特別な縫い方など、何かが施された気配はない。
(うーん、確かに、自分が開けた穴を、こうも丁寧に、大切そうにこの小柄で怖がりの女の子が繕ってくれているのはテンションが上がるといえばテンションが上がる)
マティアスはニマの言葉を思い出した。
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