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第2章〜クルムテント王立学園〜
第36話〜武士〜
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考えたことがある。
ホルトウィリアは、一体何なのか。神でなければどんな存在なのか。
そもそもこの世界は前世とは違う。前世では神が信仰され、崇められ、そして八百万程の神が存在していた。
この世界はどうだ。実際に神は確実にいて、前世とは同じように信仰され、崇められていた。
神とはなんだ。何故、こうやって世界が違えどもそうなる?
学校で天才がいたとして、「凄いな」と他人から思われるように、世界を事実上救ったホルトウィリアも、「凄いな」という感想で終わらないのだろうか。
このふたつを比べると、スケールも違うし、種も違う。ただ、同じことがあって、どちらも他には出来ないことをしているのだ。
更にいえば、やって当然の事でもある。
天才が何故、学校で一目置かれるのかと言えば、学校で勉強し、その結果が周りより良い物になるからだ。
ただ、天才の身として見れば、学校でただ勉強しただけであり、勝手に周りがそう言っているだけ。
神が何故、世界を救って人類から今でも崇められるのかと言えば、勿論、世界を自分の命を守ったからだ。ただ、神としては、自身がこの世界の管理者であり、自分の創ったものが荒らされたから直しただけである。人類を救ったのはその副産物でしかない。
第三者の視点からすれば、全てそうなのだ。本人の気持ちは考えず、結果を見て後は想像しだいで何とでもその人物を見る事が出来、それを更なる三者へと広める。そうすることで、周りはそれを更に三者へ広げる。
百聞は一見にしかず。100回聞いた物事よりも、実際に自分で見た物の方が何倍も信じられる。
だから確かに神はいるのだろう。実際に僕が前世で死んで、この世界に転生させたのはホルトウィリアだ。
ホルトウィリアには感謝しているし、一応、二度も僕の生命を救ってもらっている。
だからこそ、周りよりもどうしても近い存在に感じてしまう。天才に幼馴染や友達がいて、その人たちには天才の苦労が本当の意味で分かるように、僕も神と会話したことで、少しはそれ以外よりもリードがあった。
「ホルトウィリアが転生恩恵の持ち主だったとしたら、どうなんだろうな。」
・・・いや、この考えはおかしいか。それなら世界を救ったホルトウィリアは一体何なのかって答えも出ないし。
だけど、少なくてもこの世界は前世と繋がっているんだよな。目の前にその事実がしっかりあるし。
△▽
この世界には存在しない物、それを振りながら汗を流している者が現れる。
僕の生徒の中では一番この人が大人びて見えるんだよな。
一応、僕が年上ではあるんだけどね。←15歳
「ミットフィー。鍛錬は順調か?」
ルーダン家。武の家系であり、レントアンダス家と同じ王国の中でも古参に属する名門。
その教えはたったひとつの信用と一族しか造れない武器でできている。
「ホワイト殿であるか。すまぬが、もう30回程振らせてもらえるだろうか。・・・ヌンッ!・・・ッハ!」
独特な口調、どこか世間離れした姿。ルーダン家だけが許されるその服を見て、懐かしいと感じながら言われた通り、30回丁度で彼は手を止めた。そして、自身の得物を鞘へとしまい、僕へと向き直る。
「昨日はどうしても体を動かしたかったのでな。すまぬが退席されてもらった。改めてよろしくじゃ、ホワイト先生!」
そして、その重そうな服で深深とお辞儀をした。
「俺はただ、そう指示しただけだ。別に君が謝ることなんてない。君はその指示に従っただけ、これからも体が動かしたいのならそうすれば良い。」
「かたじけない。それではよろしく頼む。」
本当に懐かしい。この礼儀の正しさ、出る言葉、そして彼の持つ物。全てが。
彼は、騎士ではなく、武士だった。それもこの世界ではなく、前世の日本の。
ルーダン家は、今から数百年前に、この世界にやってきた武士が、その時の王に忠誠を誓って出来た家だ。
ミットフィーも、幼い頃から武士として、育成されてきたのだろう。
まぁ、それは後にして。
「早速、やり始めるとしよう。普段はどんな物でやっている?」
「案山子や竹じゃ。ワシほどにもなれば大岩かのぅ。」
本当に14歳かよ!!?
「それがルーダン家の代々伝わる刀か。聞けば、名前があるとか。」
「流石じゃな。この刀を造った父上は、金龍丸だと言った。S級討伐魔物の金の昇り龍、ゴールデンカープのヒゲが素材だそうじゃ。」
カープって、鯉かよ・・・。でもその割にしては彼の持っていた刀身は濁ったような灰色だったが。
「ゴールデンカープは君の父が倒したのか?」
「ワシらは次の世代に与える刀の素材を生きている間に自分で倒さなければいけないのじゃ。父上はゴールデンカープを二十歳に倒しておる。ワシはこれを学園に入る間際に父上より授かった。まだ1ヶ月も経っておらんだが、最早ワシの愛刀であり、心臓よ。」
S級を倒すか。二十歳にそれってことは今はもっと強いってことかな。彼のお父さんは見たことが無いけど、貴族間では有名だろうから、後でムロさんにでも聞いてみるか。
「S級の素材で造られた刀か。なら、これで大丈夫そうだな。」
「?」
頭を少し捻るミットフィーに、僕は火山地帯で手に入れたある物を取り出す。ある意味、ネラフラスと同じく、黒い塊だ。2メートルくらいあるけど。
「火成岩を知っているか?これはその中でも特別硬い黒曜石。この黒曜石の硬さは相当な物でな。君にはこれを」
「居合い六層の段、横凪月。」
スパンッ!
え?ええぇぇぇぇ!!!横に切れたぁぁ!?
「この大きさは初めてじゃったが、成程のぅ。まだまだ鍛錬は足りないようじゃ。一瞬刀が止まったのぅ。」
そう言うミットフィーの刀に刃こぼれは一切無し。僕が今回用に用意してきた黒曜石の塊は綺麗に半分に裂けた。まるで紙のように。
というか、この大きさは初めてって。経験したことあんのかよ!!
「ワシはまだまだ鍛錬が足りないことが分かった。ホワイト先生、ありがとう。ワシにそれを気付かさせてくれて。」
「あ、あぁ。」
か、勝手にのびるタイプだなぁ、この人。だ、だけど、この世界にはまだ硬い物がある!
「次はこれを切ってもらおう。オリハルコ」
「居合い六層の段、横凪月。」
させるかよ!「アイテムメイク、付与。硬度100倍。」
刀は常人の目では追えないほどの速さでオリハルコンの塊にぶつかった。そしてーーー
ガキンッ!
「ぬっ!?ホワイト先生、これは酷いではないか?ワシは切れたぞ?」
知ってるよ。君の恩恵の【居合い】の凄さはだいたい分かったからね。
「言い訳か?」
「何?」
「誇り高き、武士である君は、ドーピングを少しされた程度のただの塊も切れないか?」
彼のプライドを少し擽るような言葉を言ってやる。
僕の黒曜石ちゃんを切った仕返しだ!
「・・・やってやろうではないか。武士として、ホワイト先生のこの課題、超えて見せようぞ!」
いいや、まだだね。
「これを付けろ。」
用意していた重り。中には大量の砂が入っている。手と足、四肢に付けられるようになっている。その重さは100キロだ。
「君への課題は100倍の硬さになったオリハルコンを100キロの重りをつけて切ることだ。有無は言わせない。」
本当だったら黒曜石ちゃんでやる予定だったけどね。
さすがに、怒ると思ったが、何故か彼は笑みを崩していなかった。
「面白い。面白いぞホワイト先生!この大壁、ワシの最強の剣技をもって、超えて見せようぞ!!」
僕はそういう人嫌いじゃないよ。
ホルトウィリアは、一体何なのか。神でなければどんな存在なのか。
そもそもこの世界は前世とは違う。前世では神が信仰され、崇められ、そして八百万程の神が存在していた。
この世界はどうだ。実際に神は確実にいて、前世とは同じように信仰され、崇められていた。
神とはなんだ。何故、こうやって世界が違えどもそうなる?
学校で天才がいたとして、「凄いな」と他人から思われるように、世界を事実上救ったホルトウィリアも、「凄いな」という感想で終わらないのだろうか。
このふたつを比べると、スケールも違うし、種も違う。ただ、同じことがあって、どちらも他には出来ないことをしているのだ。
更にいえば、やって当然の事でもある。
天才が何故、学校で一目置かれるのかと言えば、学校で勉強し、その結果が周りより良い物になるからだ。
ただ、天才の身として見れば、学校でただ勉強しただけであり、勝手に周りがそう言っているだけ。
神が何故、世界を救って人類から今でも崇められるのかと言えば、勿論、世界を自分の命を守ったからだ。ただ、神としては、自身がこの世界の管理者であり、自分の創ったものが荒らされたから直しただけである。人類を救ったのはその副産物でしかない。
第三者の視点からすれば、全てそうなのだ。本人の気持ちは考えず、結果を見て後は想像しだいで何とでもその人物を見る事が出来、それを更なる三者へと広める。そうすることで、周りはそれを更に三者へ広げる。
百聞は一見にしかず。100回聞いた物事よりも、実際に自分で見た物の方が何倍も信じられる。
だから確かに神はいるのだろう。実際に僕が前世で死んで、この世界に転生させたのはホルトウィリアだ。
ホルトウィリアには感謝しているし、一応、二度も僕の生命を救ってもらっている。
だからこそ、周りよりもどうしても近い存在に感じてしまう。天才に幼馴染や友達がいて、その人たちには天才の苦労が本当の意味で分かるように、僕も神と会話したことで、少しはそれ以外よりもリードがあった。
「ホルトウィリアが転生恩恵の持ち主だったとしたら、どうなんだろうな。」
・・・いや、この考えはおかしいか。それなら世界を救ったホルトウィリアは一体何なのかって答えも出ないし。
だけど、少なくてもこの世界は前世と繋がっているんだよな。目の前にその事実がしっかりあるし。
△▽
この世界には存在しない物、それを振りながら汗を流している者が現れる。
僕の生徒の中では一番この人が大人びて見えるんだよな。
一応、僕が年上ではあるんだけどね。←15歳
「ミットフィー。鍛錬は順調か?」
ルーダン家。武の家系であり、レントアンダス家と同じ王国の中でも古参に属する名門。
その教えはたったひとつの信用と一族しか造れない武器でできている。
「ホワイト殿であるか。すまぬが、もう30回程振らせてもらえるだろうか。・・・ヌンッ!・・・ッハ!」
独特な口調、どこか世間離れした姿。ルーダン家だけが許されるその服を見て、懐かしいと感じながら言われた通り、30回丁度で彼は手を止めた。そして、自身の得物を鞘へとしまい、僕へと向き直る。
「昨日はどうしても体を動かしたかったのでな。すまぬが退席されてもらった。改めてよろしくじゃ、ホワイト先生!」
そして、その重そうな服で深深とお辞儀をした。
「俺はただ、そう指示しただけだ。別に君が謝ることなんてない。君はその指示に従っただけ、これからも体が動かしたいのならそうすれば良い。」
「かたじけない。それではよろしく頼む。」
本当に懐かしい。この礼儀の正しさ、出る言葉、そして彼の持つ物。全てが。
彼は、騎士ではなく、武士だった。それもこの世界ではなく、前世の日本の。
ルーダン家は、今から数百年前に、この世界にやってきた武士が、その時の王に忠誠を誓って出来た家だ。
ミットフィーも、幼い頃から武士として、育成されてきたのだろう。
まぁ、それは後にして。
「早速、やり始めるとしよう。普段はどんな物でやっている?」
「案山子や竹じゃ。ワシほどにもなれば大岩かのぅ。」
本当に14歳かよ!!?
「それがルーダン家の代々伝わる刀か。聞けば、名前があるとか。」
「流石じゃな。この刀を造った父上は、金龍丸だと言った。S級討伐魔物の金の昇り龍、ゴールデンカープのヒゲが素材だそうじゃ。」
カープって、鯉かよ・・・。でもその割にしては彼の持っていた刀身は濁ったような灰色だったが。
「ゴールデンカープは君の父が倒したのか?」
「ワシらは次の世代に与える刀の素材を生きている間に自分で倒さなければいけないのじゃ。父上はゴールデンカープを二十歳に倒しておる。ワシはこれを学園に入る間際に父上より授かった。まだ1ヶ月も経っておらんだが、最早ワシの愛刀であり、心臓よ。」
S級を倒すか。二十歳にそれってことは今はもっと強いってことかな。彼のお父さんは見たことが無いけど、貴族間では有名だろうから、後でムロさんにでも聞いてみるか。
「S級の素材で造られた刀か。なら、これで大丈夫そうだな。」
「?」
頭を少し捻るミットフィーに、僕は火山地帯で手に入れたある物を取り出す。ある意味、ネラフラスと同じく、黒い塊だ。2メートルくらいあるけど。
「火成岩を知っているか?これはその中でも特別硬い黒曜石。この黒曜石の硬さは相当な物でな。君にはこれを」
「居合い六層の段、横凪月。」
スパンッ!
え?ええぇぇぇぇ!!!横に切れたぁぁ!?
「この大きさは初めてじゃったが、成程のぅ。まだまだ鍛錬は足りないようじゃ。一瞬刀が止まったのぅ。」
そう言うミットフィーの刀に刃こぼれは一切無し。僕が今回用に用意してきた黒曜石の塊は綺麗に半分に裂けた。まるで紙のように。
というか、この大きさは初めてって。経験したことあんのかよ!!
「ワシはまだまだ鍛錬が足りないことが分かった。ホワイト先生、ありがとう。ワシにそれを気付かさせてくれて。」
「あ、あぁ。」
か、勝手にのびるタイプだなぁ、この人。だ、だけど、この世界にはまだ硬い物がある!
「次はこれを切ってもらおう。オリハルコ」
「居合い六層の段、横凪月。」
させるかよ!「アイテムメイク、付与。硬度100倍。」
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ガキンッ!
「ぬっ!?ホワイト先生、これは酷いではないか?ワシは切れたぞ?」
知ってるよ。君の恩恵の【居合い】の凄さはだいたい分かったからね。
「言い訳か?」
「何?」
「誇り高き、武士である君は、ドーピングを少しされた程度のただの塊も切れないか?」
彼のプライドを少し擽るような言葉を言ってやる。
僕の黒曜石ちゃんを切った仕返しだ!
「・・・やってやろうではないか。武士として、ホワイト先生のこの課題、超えて見せようぞ!」
いいや、まだだね。
「これを付けろ。」
用意していた重り。中には大量の砂が入っている。手と足、四肢に付けられるようになっている。その重さは100キロだ。
「君への課題は100倍の硬さになったオリハルコンを100キロの重りをつけて切ることだ。有無は言わせない。」
本当だったら黒曜石ちゃんでやる予定だったけどね。
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