クラス転移した世界で使えない僕は追い出されました。(仮題)

kashizaki

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第2章ーーお人好しとラフォトンの森ーー

第20話〜お人好しは使用人にジョブチェンジする〜

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「ねぇ~ミカドく~ん。別にこんなことしなくていいからさぁ。私と遊ばなーい?暇なのよ~私。」

「そういう訳には行きませんよ。僕はこの森に居候している分際ですし、食料も分けてもらってます。ですから僕は皆さんの、今は使用人のようだと思ってもらって結構ですので。」

あの話し合いから約一週間。僕は三人から供物を免除され、逆に森の木に成る果物などを食べて良いという許可を貰っていた。
だけど、正直至れり尽くせりで気が引けるので、ラフォトンの森のそこら中に落ちている枯葉の撤去などをしていた。

「使用人なら、ご主人様である私を暇にさせるのは良くないんじゃない?」

・・・確かにそうかな。

「それならノラさんもどうですか?枯葉を掃除することで、心も掃除されてまっさらになれますよ?」

「ミカド君って結構お母さん体質よね。掃除なんてほっとけばいいのに。どうせ土の中の虫が勝手に食べてくれるわよ。」

そういう知識はあるんだ・・・。まぁ確かにこのまま僕がしていなくても、この森は年中変わらずにいるだろう。

「僕のいた所では、こうやって自然に溢れた場所は今では殆どありません。」

「いた所・・・ね。」

「だからこそ、自然は僕たちにとってはとても新鮮で美しいものとされていて、こんなに綺麗な所があったら観光の名所にでもなるんです。」

「そうかしら?こんな所そこらの森に行ったらどこもそうよ。・・・まぁここが空気も美味しくて綺麗なのは認めるけど。」

ノラさんは、最初に会った頃よりも随分と僕に色々な表情を見せてくれるようになった。今も、彼女はそう言って僕に笑った。その笑顔に僕も思わず口角が上がる。

「そうですね。・・・だから、もっと綺麗にしたいって思いません?」

「枯葉を掃除するだけで、綺麗って言えるのかしら?」

「いや、海王よ。そうとも言えんぞ?」

うわっ!ビックリしたぁ。相変わらず急に木の上に現れるな、フェルニアさんは。

「空から見る景色は以前よりも良くなった。どこを見ても緑一色だったからつまらないと思っていたのだがな、そこに地面がみえると何ともまぁ変わるものよ。」

「ふ~ん。まぁ、ミカド君がやってる事が役に立ってるならそれでいいわ。・・・あぁ~暇だなぁ。」

まだ引っ張るんですね・・・。はぁ。

「ノラさん。もうすぐ終わるので、その後付き合いますよ?」

「あら、そう!?べ、別にいいのにぃ。もう。まあそうよね。ミカド君お年頃だからね!お姉さんが一緒にデートしてあげましょうか!」

「はいはい。」

「はいは、一回よ!ミカド君!」

こうして、僕は一時間後にノラさんと森でデートする事になった。

ちなみにデートでは、何気に森にある滝や一体を一望できる坂などに案内されたため、意外と楽しかったです。


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