抱きしめた、蒼ー中学生編ー

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○学校・屋上(昼)
  翌日もその翌日も朝から屋上で歌を作っている未來。
ある日心配する美月が屋上へやってくる。
美月「今日もここに居たのか?」
未來「そうだけど……もう少しで完成するんだ……ダメ?」
美月「歌を作ってるなら、許す!」
  ニヤリ笑う美月。
未來「あとタイトルがなかなか決まらなくてさ」
美月「歌は完成したのか?」
未來「キュウワリね。」
美月「お前っ……あんなに小さかったのに兄貴から教わってた事、覚えてたのか?」
未來「まさか……覚えてるわけないだろ。いろいろ試行錯誤?っていうのか、自分なりに試してみただけ。」
美月「お前、ほんっとすごいな。」
未來「へへへっ」
  自信ありげに笑う未來。
美月「なんか良いな、最近のお前の顔。」
未來「そうか?」
美月「そうだ、俺がその歌のタイトル決めてやるよ。」
未來「なに?どんなの?」
美月「Listen-リッスン-」
未來「Listen-リッスン-?」
美月「どうだ?」
未來「そのままじゃん!」
美月「だからいいんだよ!」
未來「じゃあ、採用です!」
美月「よしっ、じゃあそろそろ昼飯の時間だから、飯食ったら後の授業はちゃんと出ろよ。」
未來「へーい。」

○未來の教室・文化祭当日(現在・戻る)
 教壇に立つA組担任(男・59)。
担任「おはようございます。」
全生徒「おはよーございます。」
 未來の席だけ空いている。
担任「今日は待ちに待った文化祭の日ですね。放課後の練習の成果を、出し切りましょう。」
全生徒「オォー!!」
担任「私たちクラスの発表は2年B組の後ですので、その演目が終わる15分前には舞台袖に集合しておいて下さいね」
全生徒「はーい」
担任「えーそれと、今年は皆さんにも音楽を教えて下さっている蒼葉先生の意向によりサプライズ演目があるそうです。」
男子生徒B「なに?なに?なにやんだ?」
担任「楽しみにしておいて下さいね。」
男子生徒C「どーせ、くっだらねぇーことだろ!」
全生徒「アハハッ」
担任「それでは、会場に向かいましょう」

○屋上(朝)
未來「やっべ緊張しすぎてお腹痛い……。」

○体育館(昼)
 パチパチパチと拍手が起きている会場。
 最後の演目が終わり幕が閉じる。
 体育館の端で司会進行を勤める男子生徒と女子生徒がアナウンスする。
司会男「1年A組の皆さん、とても素晴らしい演技を披露して頂き、ありがとうございました!!」

○体育館・入り口(昼)
  入り口付近にいる美月。
 屋上から降りて来た未來が話しかける。
未來「もうそろそろ出番?」
美月「おう。準備はいいか?」
未來「たぶん、大丈夫なはず」
美月「お前は3番目だからな。」
未來「他にも居るのか?」
美月「あぁ」
未來「やっぱ俺、無理かも。帰る。」
美月「なに言ってるんだ。ここまで来て逃げる気か?」
未來「誰も聴きたくねーよ、俺の歌なんか」
美月「そう思うんだったら、自分で確かめてこい。」
  サプライズが始まるアナウンスが流れる。

○体育館内
司会男「最優秀賞、各賞の発表の前に1年A組の澤村愛(13)さん。2年C組の吹奏楽部の仲間で結成されたバンドCATSさん」
司会女「3年A組の蒼葉未來さんによる歌の披露があります!!」
全観客「オオォーーー!!!!」
男子生徒B「これが朝礼で言ってた、蒼葉先生のサプライズか!」
男子生徒C「面白そうじゃん!!」
全観客「イエェーーーイ!!!!!」
司会女「それではまず、澤村愛さんお願いします!」
 パチパチパチと拍手が起きる会場。
 壇上に上がる超ミニスカの愛。
 小さな手で太いマイクを持つ愛。
愛「はじめまして!私は1年A組の澤村愛っていいます。ずっと、歌手になる夢があって今日は度胸試しだと思い、皆さんの前で私の大好きな歌を歌わせていただきます!」
全観客「イェーイ!!」
男子生徒D「歌はいいからパンツもっと見せろー」
  叫ぶ男子生徒D
女子生徒A「愛―ッ!ガンバレー!!」
 叫ぶ女子生徒A
愛「それでは、聴いてください。」
  歌い終え、一礼をする愛。
愛「ありがとございました。」
司会男「澤村愛さん、ありがとうございました!皆さん大きな拍手を」
  パチパチパチと拍手が起きる会場。
司会女「つづきまして、CATSの皆さんお願いします。」
 パチパチパチと拍手が起きる会場。
CATS(ボーカル)「こんにちは!僕たちは2年C組の吹奏楽部の仲間だけで結成したバンド、CATSといいます。」
CATS(ギター)「今日は僕たちの演奏を聴いてもし気に入ってくれたら、ぜひ、吹奏楽部へ遊びに来てくださーい!」
CATS(ドラム)「待ってまーっす!」
CATS(ベース)「待ってまーっす!」
CATS(ボーカル)「それでは聴いてください」
  歌うCATS。

○バックステージ
 CATSの歌うバックステージで話しをしている未來と美月。
美月「なに、緊張してるんだ」
未來「だってさ」
美月「大丈夫だ。」
未來「けどさ」
美月「自分を信じろ。そして俺を信じろ。」
  未來の肩を軽く2回叩く美月。
美月「さぁ準備しろ」
未來「……わかった。」
 舞台袖にスタンバイする未來。
CATSが歌い終わる。
CATS(ギター)「アディオーッス!」
  舞台から手を振って降りるCATS。
司会男「CATSの皆さん、ありがとうございました!緊張のせいかちょっと音がハズれてしまってましたね。」
  アッハハハハと笑いが起きる会場。
司会女「そして、最後は3年A組の蒼葉未來
さんです!」
ぎこちなく壇上のド真ん中にセッティングされたスタンドマイクに向かう未來。マイクを掴む。
未來「やっべぇー緊張で声がでない」
 心の声が無意識のうちに声に出てしまう未來。
観客A「お前の声、一番後ろの席まで聞えてるぞ!!」
 小さな声はマイクを通し大勢の観客(生徒や保護者)へ聞こる
全観客「あはは」
観客B「ガンバレ~!!」
 と、笑いや声援が飛び交う会場。
男子生徒A「あいつなんか出来んのか?」
司会男「ここで蒼葉さん本人も知らないサプライズがあります。」
未來「えっ?」
 司会者の方を見る未來。
司会男「今から披露してくれる歌は、なんとご自身が作詞作曲された歌だそうです」
男子生徒A「へー」
司会男「ピアノを弾きながら披露して頂く予定でしたが、歌うことに集中してほしいとのことで、ピアノの演奏は僕たちにも音楽を教えて下さっている蒼葉先生が弾いて下さるそうです!」
全観客「オォー」
未來「そんなこと、聞いてねーぞ」
 未來は壇上の端に居た美月を見る。
目が合う美月と未來。
未來「マジかよ……」
 観客に軽く頭を何度も下げながら未來の方に向かって行く美月。
美月「歌詞覚えてるか?」
未來「いっ、一応。」
美月「ノート貸してくれ。」
 楽譜と歌詞が書かれてあるノートを美月に渡す未來。
未來「うん」
美月「ピアノは俺に任せろ。」
 ニヤリ笑う美月。
美月「はやく、挨拶しろっ」
司会女「蒼葉さん、準備はいいですか?」
未來「えっあっはい。」
司会女「それでは、お願いします」
 前を向く未來。
未來「こんにちは、蒼葉未來って言います。はじめましての人も、そうじゃない人も聴いてください。」

男子生徒B「それだけ?あいさつ短っ!」
男子生徒C「メッチャ緊張してんじゃん」
 パチパチパチと拍手が起きる会場。

 目を瞑り未來がいう。
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