抱きしめた、蒼ー中学生編ー

-Your Song-

あはははは。

未來「…最初はさ　お互い緊張しててさ…」
歩「間が怖かったよね」
未來「うん…」
未來・歩「あはははは」
歩「けど　不思議と未來にはなんでも話せたんだ。なんでも聞けたんだ。」
未來「それは　嬉しいことだな」
　　「これからも　アユムにとって俺はそういう奴でいたいと思います」
歩「未來は…」
「僕だけにじゃなくて　これからは皆にそうであってほしい」
未來「えっ…」
歩「未來はそういう人間だよ」
　　褒められてる感が照れ臭くて未來は無意識に声のトーンを上げ話を変える。
未來「でました　またいきなりが」
　　「そういえばお前　なんで　歌い終わった俺を見て少し笑ったの？」
歩「あっバレてた」
未來「バレてるよ　で…なんで？」
歩「やさしい人だなぁと改めて思ってさ」
　「ただ　それだけ」
未來「ふぅーんそっか…ってそれだけで納得するわけねーだろ」
　　「ほんとのこと　教えろよ」
歩「それだけだって…」
　「オルガンに苦戦してる姿がおもしろかっ　たからとか、そんなんじゃないって…」
未來「お前」
歩「あっ…」
未來「バレてたかー　クッソー」
歩「未來らしくてさ」
　「つい　笑っちゃった」
未來「なんだ　それっ」
歩「あはははは」
　「そろそろ帰ろっか」
未來「おう」
　　あっ…「やっぱり嫌だ」
歩「なにが」
未來「誰にでも優しくなんか　良い奴なんかでいられない」
歩「えっ」
未來「俺にだってその誰かを　選ぶ権利はあるからね」
歩「あはは　そうだね」
　「そのとおりだね」
未來「なんだよ　その笑い」
歩「いや未來ならさ　たったひとりの人を世界中の人たちを　幸せにできる…」
　「どっちにでもなれる人間だって思って」
　「羨ましくてさ」
未來「なんだよ　それ」

歩「あはははは」
　「帰ろ」

未來「おうっ」


　完