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Dakishimeta,AO

Dakishimeta,AO 4

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歌い終わり美月の方を見る未來。
美月「お前って奴は……」
未來「えっなに?なに?なんか言った?この歌詞の俺、すげぇ情けない奴でしょ。あはは」
美月「お前って奴は……正真正銘、兄貴の子だよ」
未來「どういう意味だよ」
美月「ただまっすぐで、素直な優しい子だっつー事だよ」
未來「俺ハチャメチャひねくれた性格してると思うんですけど……」
美月「そう思ってるのはお前自身だけだろ」
未來「じゃあもし褒めてくれてんのなら、こんな性格してるのは、たぶん(ニヤリ)美月が育ててくれたおかげだよ」
美月「お前……」
未來「あはは、照れてやんの」
美月「お前からそんな言葉が聞けるとは思わ
なかったからな」
未來「素直だろ。」
美月「だな。」
未來「あぁーなんかさー、すっきりした感じ……自分を曝け出せる相手が居るっていいな」
美月「その相手が俺でほんとに嬉しいよ」
ピアノの椅子から立ち上がり、ゆっくり背伸びを(アーアァ)とする未來。
未來「なー?美月。」
美月「どうした?」
未來「あと何人くらい、居るんだろうな……弱い自分っていう人間を曝け出せる相手がさ」
美月「それは誰にも分からない。だがな、この広い世界には必ず自分の事を分かってくれる相手がひとりは居る。必ず居る!だからその誰かのひとりに、いつかお前がなってやれたらいいな」
未來「おぅ」
小さく頷く未來。
美月「今年は良いスタートが切れたよ。良い年にもなりそーだ。ありがとな」
未來「俺もそんな気がする。良い出逢いもありそうだしな!」
美月「あははっ」
未來「なんだよ」
美月「お前はほんと、単純でいいなと思ってさ。そういうとこ好きだぞ!」
未來「キモいんですけどー」
美月「うるせーよ」
未來「よし、寝よ」
美月「俺はもう少し飲んでから寝るよ」
未來「りょーかい。」
自分の部屋へ戻る未來。 
ピアノの椅子に移動し夜空を眺めながら酒を飲む美月。

未來「おやすみ。」
美月「おやすみ。」


                   完
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