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第九章〜世界大戦〜
第132話 第一艦隊敗北
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「パラシュ級駆逐艦2隻、大破!」
「ヤグルシ級3隻、航行不能!」
「アイムール級1隻、撃沈!」
ロイヤルカイザーの艦橋に、次々と第一艦隊の被害報告が入ってくる。
「…もはやここまでか……」
報告を聞きマレックスは、悔しそうな表情を浮かべて、1人呟く。
「……桜花艦隊に降伏するのだ」
「…はっ……白旗を掲げろ。他の艦にもそう伝えるのだ」
これ以上散らす訳には行かないということで、マレックスは降伏を命じ、キールスはマレックスの命令通りに、白旗を掲げさせた。
「……私の判断は正しいのだろうか…」
白旗を掲げる準備が進む中、マレックスは自分に問いかけるように、降伏するという判断に疑問を抱く。
「………少なくとも、陛下はお喜びになられると思いますよ…玉砕という言葉を陛下は嫌っていらっしゃるので…」
「………そうか……」
マレックスの呟きをキールスは援護し、マレックスは少しばかりその言葉に救われた。
○
「…大人しくなったな…」
大和第一艦橋にて、光太郎はロイヤルカイザーからの反撃が無くなったことに疑問を抱いていた。
「艦長!敵艦白旗を掲げております!」
「よし、撃ち方やめ!拡散機用意!」
白旗が掲げられたという報告を聞き、光太郎は砲撃を辞めさせマイクを手に取った。
「スピーカー準備完了です」
「よし」
通信長からスピーカーの準備が整ったと聞き、光太郎は手に取ったマイクを使うことにした。
「こちら、戦艦大和艦長山本光太郎だ。貴艦らの降伏の申し出承った。貴艦らの艦隊司令長官と一度会いたいのだが…良いか?」
スピーカーを通して、光太郎はロイヤルカイザーへと呼びかける。
『そちらの申し出、承った。直ぐに甲板に出よう』
光太郎の呼び掛けに、マレックスが答える。
「……では行ってくる…」
「はっ。念の為、護衛を付けさせてもらいます」
「ああ、頼む」
マレックスの言葉を聞き、光太郎は護衛として2名ほど部下を引き連れ、甲板へと向かった。
○
大和、ロイヤルカイザー、武蔵の順で横並びで並んでいる中、大和とロイヤルカイザーの甲板の上では、光太郎とマレックスが、それぞれ見向いていた。
「初めまして、私が戦艦大和艦長、山本光太郎です」
「山本艦長初めまして、私は第一艦隊司令長官、マレックス・バールッフです」
2人の軍人は、それぞれ敬礼しながら自己紹介を行う。
「貴艦らの作戦、実に天晴れでした…」
「いえいえ、その後は全く持ってダメでした…流石、異世界の艦艇ですね…我々の斜め上を行く…」
見つめ合いながら、2人は互いに相手を褒め称える。
「それで、私を呼んだ理由は…?」
褒め称えた後、マレックスは光太郎に自分を呼んだ理由を尋ねた。
「桜花艦隊を追い詰めた名将に、会ってみたくなりましてね…」
「…残念ながら、この度の作戦を考えたのは我々ではなく、皇帝陛下が直々に指揮を執って下さり、我々はその指揮に従ったのみだ…」
光太郎から尋ねた理由を聞いたマレックスは、苦笑いしながら指揮を執ったのはローレンスということを話した。
「…それにしては、皇帝の姿は見当たらないが…?」
ローレンスが指揮を執ったと聞き、光太郎は所在を聞く。
「……大和を包囲した際に、既に宮殿へとお戻りになられた…ここに居ないのは当たり前のことだ…」
所在を聞かれたマレックスは、嘘を混ぜながら、居ないということを伝えた。
「なるほど……では、これより貴殿らは、我々の捕虜となり、艦艇は鹵獲させてもらうが…宜しいでしょうか?」
「……無論だ。我々は貴殿らに敗北したのだからな…」
ローレンスは宮殿に居るという情報を手に入れた光太郎は、第一艦隊の今後をマレックスに話し、マレックスはそれに納得した。
「それでは我々について来てください」
「はっ…」
こうして、桜花艦隊に敗北した第一艦隊は、乗組員は捕虜に残存艦艇は鹵獲されることになった。
「ヤグルシ級3隻、航行不能!」
「アイムール級1隻、撃沈!」
ロイヤルカイザーの艦橋に、次々と第一艦隊の被害報告が入ってくる。
「…もはやここまでか……」
報告を聞きマレックスは、悔しそうな表情を浮かべて、1人呟く。
「……桜花艦隊に降伏するのだ」
「…はっ……白旗を掲げろ。他の艦にもそう伝えるのだ」
これ以上散らす訳には行かないということで、マレックスは降伏を命じ、キールスはマレックスの命令通りに、白旗を掲げさせた。
「……私の判断は正しいのだろうか…」
白旗を掲げる準備が進む中、マレックスは自分に問いかけるように、降伏するという判断に疑問を抱く。
「………少なくとも、陛下はお喜びになられると思いますよ…玉砕という言葉を陛下は嫌っていらっしゃるので…」
「………そうか……」
マレックスの呟きをキールスは援護し、マレックスは少しばかりその言葉に救われた。
○
「…大人しくなったな…」
大和第一艦橋にて、光太郎はロイヤルカイザーからの反撃が無くなったことに疑問を抱いていた。
「艦長!敵艦白旗を掲げております!」
「よし、撃ち方やめ!拡散機用意!」
白旗が掲げられたという報告を聞き、光太郎は砲撃を辞めさせマイクを手に取った。
「スピーカー準備完了です」
「よし」
通信長からスピーカーの準備が整ったと聞き、光太郎は手に取ったマイクを使うことにした。
「こちら、戦艦大和艦長山本光太郎だ。貴艦らの降伏の申し出承った。貴艦らの艦隊司令長官と一度会いたいのだが…良いか?」
スピーカーを通して、光太郎はロイヤルカイザーへと呼びかける。
『そちらの申し出、承った。直ぐに甲板に出よう』
光太郎の呼び掛けに、マレックスが答える。
「……では行ってくる…」
「はっ。念の為、護衛を付けさせてもらいます」
「ああ、頼む」
マレックスの言葉を聞き、光太郎は護衛として2名ほど部下を引き連れ、甲板へと向かった。
○
大和、ロイヤルカイザー、武蔵の順で横並びで並んでいる中、大和とロイヤルカイザーの甲板の上では、光太郎とマレックスが、それぞれ見向いていた。
「初めまして、私が戦艦大和艦長、山本光太郎です」
「山本艦長初めまして、私は第一艦隊司令長官、マレックス・バールッフです」
2人の軍人は、それぞれ敬礼しながら自己紹介を行う。
「貴艦らの作戦、実に天晴れでした…」
「いえいえ、その後は全く持ってダメでした…流石、異世界の艦艇ですね…我々の斜め上を行く…」
見つめ合いながら、2人は互いに相手を褒め称える。
「それで、私を呼んだ理由は…?」
褒め称えた後、マレックスは光太郎に自分を呼んだ理由を尋ねた。
「桜花艦隊を追い詰めた名将に、会ってみたくなりましてね…」
「…残念ながら、この度の作戦を考えたのは我々ではなく、皇帝陛下が直々に指揮を執って下さり、我々はその指揮に従ったのみだ…」
光太郎から尋ねた理由を聞いたマレックスは、苦笑いしながら指揮を執ったのはローレンスということを話した。
「…それにしては、皇帝の姿は見当たらないが…?」
ローレンスが指揮を執ったと聞き、光太郎は所在を聞く。
「……大和を包囲した際に、既に宮殿へとお戻りになられた…ここに居ないのは当たり前のことだ…」
所在を聞かれたマレックスは、嘘を混ぜながら、居ないということを伝えた。
「なるほど……では、これより貴殿らは、我々の捕虜となり、艦艇は鹵獲させてもらうが…宜しいでしょうか?」
「……無論だ。我々は貴殿らに敗北したのだからな…」
ローレンスは宮殿に居るという情報を手に入れた光太郎は、第一艦隊の今後をマレックスに話し、マレックスはそれに納得した。
「それでは我々について来てください」
「はっ…」
こうして、桜花艦隊に敗北した第一艦隊は、乗組員は捕虜に残存艦艇は鹵獲されることになった。
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