76 / 78
第76話「愛」
しおりを挟む「……は、ぁ……ん、っ」
「……はぁ……」
着ているもの全て脱ぎ捨て、生まれたままの姿で抱きしめ合う。
重なる唇から漏れる吐息。
舌を動かすたびに嫌らしい水音を立てながら、絡めていく。
大きな問題が解決した安堵感からか、もう引き離される理由がなくなったからなのか、二人は行為に夢中になった。
「ふ、ぁ……ん、んぅ」
歯列をなぞられ、舌を吸われ、口の中を暴くように舐め回される。吐き出す息すら食い尽くす勢いに、アンジュはゾクっと背中を震わせた。
普段優しく接してくれるフローガの獣の部分を感じられる瞬間。無我夢中で本能のまま食らいつく感覚に胸が高鳴ると言ったら彼はどんな反応をするのだろうかと、アンジュは頭の隅で思った。
「んっ、あ……」
フローガの手が胸を掴み、敏感な頂きを指先で弾くように弄る。
それだけでアンジュの体は反応し、さらに胸の先を摘むように引っ張ったり、もう片方を舌でも愛撫されてビクビクと身体を震わせる。
「んんっ、あ、あぁ、ん! ふ、ろぉ、がさ……ぁん!」
「……匂いが濃くなってきたな……」
「ああっ!」
そう言いながら、フローガは胸を愛撫していた手を腹を撫でるように下へと下げていった。
足の間に手を割り込むと、すでに指先に絡むほど秘部は愛液を零していた。
「や、ぁっ……」
「凄いな……」
「あんっ、あ、ぁあ!」
フローガは体を起こし、アンジュの足の間に顔を埋める。
くちゅ、と粘着質のある水音を立てて彼女の秘部を舌で舐める。敏感な芽を口に含み、飴を溶かすように舌を動かしながら舐められ、アンジュは強い刺激に腰を反らすほど反応を示す。
どんどん溢れてくる愛液を飲み干そうとするように、フローガはアンジュの腰を抱き寄せ、ナカに舌を入れて掻きだすように動かしていく。
「ひぁ、あっ! や、ぁ! だめ、だめだめっ! ああっあっあっ!」
「……っ、何が駄目なんだ? こんなに濡らして……」
「やぁあっ! き、もち、い、っあ、だめぇっ!」
「じゃあ、やめない」
「んっ、あっあっあっ!」
ナカに指を入れ、既に知り尽くしたアンジュの感じるところを重点に刺激していく。
フローガは指を二本に増やし、ナカを押し広げるように動かしていく。
快楽に喘ぐアンジュの姿を見ているだけで、たまらなく興奮する。ぐるると喉を鳴らしながら、彼女への愛撫を激しくしていく。
「ああっ! あっあっ、あ、んっ! も、ぉっ! イ、イっちゃ、あ、あああっ!」
ビクビクと体を震わせて、アンジュは絶頂に達する。
ぎゅうぎゅうと締め付けるナカから指を引き抜き、フローガは猛る自身の熱をアンジュの秘部へと宛がい、一気に奥まで貫いた。
「――――っあああ!」
「っく……」
「や、っあ! ふろー、がっさっ……! イ、った、ばっか……」
「悪いな、抑えが利かなかった……」
「やっ! あっあっ!」
初めから激しく腰を突き動かし、最奥を突いていく。
奥を突かれるたびにアンジュは全身に甘い疼きが広がっていくのを感じる。本能が、欲望が、彼の熱を求めている。
「あ、ぐっ! ああ、あっ! ふろぉ、っが! ひゃ、ああ!」
「っは……すまない、今日は……加減が利かない」
「あん! あっ、あっあっ! あんっ! も、っと……ふろー、がさんっ、の、したい、よ、にっ!」
「っ! アンジュ……!」
フローガはアンジュに覆い被さって体重をかけ、押し潰す勢いで腰を動かす。
獣の交尾のように、欲望をただぶつけていく。
「っあ、あっあっ! あんっあっ! ああーっ!!」
「っ! は、ぁ!」
「ひぅ、ぅ、あっ、あああっっ! い、っく、イ、って、る! あっ、とま、にゃ、あああ!」
「アンジュ……アンジュ……!」
うわごとのように繰り返し名前を呼ぶフローガに、アンジュは弱々しく背中に腕を回してしがみつく。
最も深い場所をゴツゴツと音が聞こえるほど突かれ、アンジュはずっと体が小さく痙攣し続けている。もう何回絶頂を迎えたか分からない。
それでも止まらないフローガの激しい律動に意識が何度も飛びそうになる。顔は涙と涎でみっともない顔をしているはずなのに、愛おしそうに口付けるフローガに、アンジュは下腹部がきゅんと疼くのを感じた。
「ああ、あー、っあああ! ま、たイ、イっちゃ、ああぁっ!」
「っ、俺も……もう、っ!」
「っあああ! あっ! ああー!!」
ナカでドクンと脈打ち、フローガは白濁の熱を吐き出した。
互いに絶頂を迎え、まだ締め付けてくるナカから自身のそれを引き抜き、アンジュを抱えるようにベッドへと体を預ける。
「……すまない、無理をさせた」
「っ、はぁ……い、いえ……いつだって、フローガさんのこと……受け止めます、よ」
そう言って微笑むアンジュに、フローガは彼女の体を労わるように優しく頭を撫でる。
誰よりも、何よりも愛おしい人。嬉しそうに笑うアンジュの頬に口付け、休むように促す。
「……ん……ふろーが、さん」
「ん?」
「だいすき、です……」
そう呟くように言って、アンジュはそのまま眠りについた。
すやすやと小さな寝息を立てる彼女に、フローガは自然と泣きそうになってしまった。こんなにも心が満たされたのは初めてだ。
「……愛してる、アンジュ」
まるで神に愛を誓うように、フローガはアンジュの手の甲に口付け、一緒に眠った。
病めるときも、健やかなときも、共に生きていたい。
そう願いながら、夢の中でも彼女に会いに行く。
3
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました
Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。
「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」
元婚約者である王子はそう言い放った。
十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。
その沈黙には、理由があった。
その夜、王都を照らす奇跡の光。
枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。
「真の聖女が目覚めた」と——
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月28日より、第五章の連載を再開いたします。毎週金・土・日の20時に更新予定です。
また、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる