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1章
ヴァンの決意
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「あ、あああ……あれ、な、なんなんだよ師匠!!」
「ひっ……ば、化物……」
「こ、これは……こんなことって……」
演技も崩れ、皆一様に怯えを表出させる弟子達。
どうやらここに来てあいつらもようやく事態の危うさに至ったらしい。
気付いたのだ。迫りくる悪鬼とその悪鬼の持つ力の強大さに。
それは修行して、強くなり、敵などいないと、そう錯覚し始めていた彼らの認識を粉々に砕いてしまった。
そして、なまじ一角の強さを手に入れてしまったが故に、彼らには分かってしまう。自分達などあの悪鬼にとって、虫けら以下の存在でしかなく、もはや逃走することすらも満足に敵わないのだということが……。
彼らの頭を埋め尽くすのは幾多の後悔。奢っていた自分への後悔。警戒を怠ったことへの後悔。そして、俺の言葉を聞き入れなかったことへの後悔。様々な後悔がきっと彼らを支配していることだろう。
もっとも、俺の言葉に関しては、強く主張しなかった俺のミスに他ならない。故に、あいつらが後悔する理由などないのだが、今はそんな言葉も耳には入らない、否、そんなことを気にしている余裕もあるまい。
それほどの圧倒的実力差を前に、彼らは絶望の淵に立たされていた。そして、それは俺も例外ではない。
そう、例外なんかじゃないのだ。どうする? 一体どうすればいい? 何が最善手だ? 今から取り得る手次第で、ここにいる全員の命運が決まりかねない。一手間違えれば全滅は必定。ならば、この場の選択において、間違いは許されない。
俺は迫りくるブラックヴォルフの大群とその奥を疾駆する殺戮鬼を睨みつけながら思考の渦に飲み込まれる。
逃げるか? 否、その道は既に断たれた。今から逃走に移ったところで、奴らの速度からは逃げ切れない。
ならば正面から戦うか? 否とは言わない。しかし、それも限りなく不可能に近い。今の俺の実力ではあの悪鬼と相対できるかは正直分からない。それにブラックヴォルフの対処が加わるとなれば、それは可能性の天秤は不可へと傾く。唯一策があるとすれば、ブラックヴォルフの対処を弟子達に任せる事なのだが……。
俺は弟子達、そして母さんへと順に視線を向ける。
弟子達は迫りくる悪鬼に怯え、まともに立っているのすら危うい様子。母さんは現状への絶望のあまり、思考の袋小路に陥ってしまっている。とてもじゃないが戦えるようすだとは思えなかった。
あの様子ではブラックヴォルフ一体と相対するのすら難しいだろう。
つまり、この手も既に潰えたということ。
ならば、残された手があるとすれば……誰かをこの場で囮として犠牲にし、残りを逃がすしかない。
「またか……結局、俺はまた誰かを犠牲にして誰かを助ける。そんな選択をしなきゃいけないのか……?」
……嫌だ。俺はそんな間違いを二度としないと、生まれ変わった時心に誓ったのだ。だが、現実は残酷だ。俺がここで決断しなければ、この場にいる全員が死ぬことになる。しかし、例え囮として俺が残ったとしても、この状態のこいつらだけでは逃げ切れるとは思えない。これでは方法が……。
俺の思考がそこまで至ったところで、母さんが突如思考の袋小路から脱出した。
母さんはふらふらと愛用の杖を支えにその場に立ちあがると、弟子達と俺の前に出るように立ちはだかり、告げる。
「レオ君、エリスちゃん、ノアちゃん……私は貴方たちを本当に血のつながった子供のように思っていたわ。我が子達に囲まれて過ごしたこの一年、本当に楽しい日々だった……」
「か、母さん……? いったい何を……」
思わず声そんな声が出た。
しかし、母さんはそんな俺にどこか悲しみを含んだ笑みを浮かべると、言葉を続ける。
「そして、そんな我が子達にだからこそ託すことができる。お願い、ヴァンを連れてここから逃げて。奴らは、あの化物と狼共は……私が一人で食い止める。だから……」
母さんは全身に力を入れ、自分を叱咤するように“ぐッ”と拳を握ると、こちらへふりかえる。
「―――ヴァンを、私が愛した人の息子を守って……」
「え、エリシアさん……」
「そ、そんな……」
「ッ…………」
弟子達は自分達の事を我が子とまで言ってくれた母さんの、その気持ちに感謝をしつつ、その断れない残酷な願いに涙する。
断れない。断れる訳が無いのだ。
長らく忘れていたであろう母の愛。それを思いださせてくれた人。
その人の、命を賭しての頼み。彼らに断ることなど、その決意を踏みにじることなどできようはずもない。
だが、その望みを聞いてしまったが最後、彼らは再び母を失うことになる。
母の温かさを思い出させてくれた人に、それを失う辛さを思い出させられる。
なんと酷い皮肉だろうか? しかし、それでも彼らはその頼みを断れない。
それをどうしようもなく理解してしまっているが故に、彼らは気持ちの整理をつけるために涙を流し続けているのだ。
「レオ、エリス、ノア……ごめんなさいね。辛い思いをさせてしまって……でも、きっと大丈夫。貴方達の成長した姿が見られないのは凄く残念だけれど、それでも、貴方達なら強く生きていけると母さんは信じているわ。
……元気でね?」
「う゛う゛ぅ……え゛、エリシア……おがあさん」
「ぶえ゛ぇぇ……やだよぉ、おがあさん」
「ぐすっ……うっ……おかあさんっ……」
エリシアをお母さんと、そう呼んで泣き続ける弟子達。
その姿を悲しそうな笑みを浮かべて見やると、母さんはそのまま俺の方へと視線を移し、告げる。
「ヴァン、ごめんね……貴方の事、もう守ってあげられないわ……でも、せめてこの場だけは何としても守り通して見せるから、だからっ……ヴァン、幸せになるのよ……」
そう俺に告げた母さんの瞳には―――涙が浮かんでいた。
「~~~~~ッ!!」
その涙を見た瞬間、俺の中の何かが“ブチッ”音を立てて千切れた。
それは誰に対する怒りだったか。
突如現れた化物に対するものだったか?
身勝手な選択で命を散らそうとしている母に対するものだったか?
それとも、こんな理不尽を強いた神に対するものだったか?
違う、断じて違う。
これは……この怒りは紛れもなく、同じ間違いを繰り返そうとしていた自身に対するものに他ならないッ!!
―――――ふざけるな、こんなものがお前の望んだ生き方なのか?
そんな声が自分の内から聞こえてくる。これは、この声は……間違いない。これは前世における自身の声。師匠にあこがれ、自分が見た彼女のようになろうと、生涯をとして追い求め続け、そして、最後の最後に、自らの犯した間違いに後悔しながら死んでいった過去の自分。その叱咤の声。
俺は間違えたことを後悔した。見捨てたことを後悔した。救えなかったことを後悔した。
そして―――笑顔が見れなった事を後悔した。
俺は奇跡的に受けたこの二度目の生、ここにおいて尚、同じ過ちを繰り返すのか?
また何かを切り捨てて何かを選ぶのか?
だれかの命を諦めるのか?
俺は、俺はその選択を間違いだったと死の間際まで後悔したのではなかったのかッ!?
そうだ。俺はその選択を後悔した。後悔し、そして、次があるのならば、全てを救うと、そう心に誓ったのだ。だからッ……
―――答えなど既に決まっていた。
「さぁッ!! 時間が無いわ、どれだけ時間を稼げるかわからない。だから一刻も早く、可能な限り遠くまで離れなさいッ!!」
母さんが話はここまでとでも言うかのように怒声を上げるが、しかし、そんなものを聞き入れるつもりなどもはや俺には微塵もない。
―――気がつけば、俺の体は母さんを押しのけて、前に出ていた。
―――双眸は逸らすことなく悪鬼へと向けられていた。
―――決意は既に固まっていた。
「し、師匠……?」
「ヴァ、ヴァン先生……?」
「ヴァン君……いったい……?」
弟子達は俺の唐突な行動に当惑と、そして僅かな期待の混じったような、そんな声を上げた。そして、それに追従するかのように、
「ヴァンッ!! 何をしてるのッ!? 時間が無いのよッ!?」
不用意に前に出た俺に対し、母さんが怒声を上げる。当然だ。この一瞬の間にも、母さんが命を代価として時間を稼いだとして、その上でヴァン達が助かるその確率は刻一刻と減っているのだ。母さんが怒鳴るのも無理はない。だけど、
「お願いだから早く―――」
「母さん。先に謝っとく。ごめんね、俺、嘘ついてたんだ」
俺はその怒声を遮るように謝罪の言葉を重ねた。母さんも自身の埒外の俺の行動に動揺する。
「……ヴァン? あなたいったい何を言って……」
「―――Overclock,First-Phase」
≪―――過負荷駆動、第一段階≫
俺は疑問を投げかける母さんの言葉に答えるように鍵言を唱え、魔術を起動。全身を駆け巡る魔力に指令を下す。直後、指向性を持たされた魔力は俺の肉体を一つ上のステージへと引き上げた。そして、俺の手には既に森で拾ったと、そう偽り続けた俺の剣が引き抜かれ、握られている。
「……えっ……ヴァン、あなた、それは……いったい……」
俺の姿を見て、困惑を隠せない様子で母さんは茫然と声を発した。
当然だ。これより死線に望まんとする俺の姿は、既に七歳児の放つ風格などでは決してない。いや、そんなものはもとより超えている。しかしこの瞬間、俺が持つ風格はおそらく、母さんがこれまで見てきた俺の実力を大きく逸脱しているだろう。驚かないはずがない。
「詳しい事はまた後で説明するよ。だから、少し待ってて」
「―――ッ!? ヴァン、まさかあなたッ!? だめよ、許さないわッ!!」
事態に茫然としていた母さんも俺の発言でこれから俺が何をしようとしているかを察したらしい。
鬼気迫る様子で母さんは言葉を続ける。
「ヴァン、確かにあなたは実力を隠していたのかもしれない。
それでも、あの化物は……殺戮鬼には及ばない。
ヴァン、あなたも気づいているのでしょうッ!? あれがいったいどれほどの化物なのかッ!?」
その通りだ。俺にだってあれがどれほどの規格外の存在なのかは理解している。
漏れ出る魔力だけでも超常。
内包されるものはどれほどのものか想像もつかない。
挑めば無事で済むとは思えない。
だが、だとしても―――
「あんなのはただの災害と同じ、人が自然災害に抗えないのと同じで、私たちにあの悪鬼に抗う術はない。
できることはただ一つ、被害を最小限に留めること、ただその努力をすることだけ。
被害が出ることそのものはどうしたって避けられないのッ!! だから―――」
「―――だとしても」
俺は誓ったのだ。もう二度と何かを見捨てることはしないと。
だからッ!!
「俺は母さんの命を諦めないッ!!」
「今はそんな我がままを言っている場合じゃ―――」
「いや、違うよ母さん。むしろ今こそその我がままを貫き通さなきゃいけないんだ。
だって、俺は知っているから。ここで母さんの命を諦めたその先に、どんな絶望と後悔が待っているのかっていうことを……」
そう、俺は……知っている。最低限の命を諦めることで、出来る限り多くの命を救い続ける。
そんな選択をし続けた男の末路を俺は知っている。
―――それは酷く空虚なもので、
―――そこには選択に対する後悔しか存在しなくて、
―――後には涙しか残らない。
そんな、英雄になろうともがき続け、そのもがく中で道を見失ってしまった男。
その絶望を知っている。否。覚えている。
忘れられない。忘れられるはずがないッ!!
悔しかった。悲しかった。苦しかった。
もう二度と、二度とあんな間違いは犯さないと、今度こそ、俺は取りこぼさないと、そう誓ったのだ。
「ヴァン……」
「母さんは見ていてくれ。俺はこれから俺の誓いを貫き通す。俺は……俺は今度こそッ―――英雄になってやるッ!!」
「~~~~~っ!!」
母さんは言葉をなくして蹲ってしまった。だが、これでいい。母さんには見ていてほしい。俺の姿を、俺がこれから踏み出す、英雄への第一歩を。
そして、俺がこの姿を見せたいのは何も母さんだけじゃない。
「お前らもだ。レオ、エリス、ノア」
「「「―――ッ!?」」」
突然話の矛先を向けられ、動揺する三人。それを見据え、視線をまっすぐ彼らに向けながら、俺は言葉を続ける。
「お前らは修行を通して飛躍的に強くなり、ゴブリン程度ならいくらかかってこようが歯牙にもかけぬほどの強者へと成長した。それは誇らしいことだ。だが、それ故にお前達は奢った。奢ったが故に、しなければならない警戒の一切を放棄した。何が出てもなんとかなるだろうとな。これは明確な油断だ」
「「「…………っ」」」
三人は言葉も無いと、悔しそうに黙りこくる。それは紛れもない事実。故に、あいつらは反論することができないのだ。それに、俺は追い打ちをかける。
「そして、今お前たちは自らが逆立ちしても敵わない。圧倒的強者に恐れをなしている。恐れをなして、思考することを放棄してしまっている。それではだめだ。それではいくら強くなったところで、意味はない。力が強くなっただけでは、お前ら自身の強さには直結しない。圧倒的強者に直面したとしても、それでも諦めず、逃げるにせよ、戦うにせよ、何らかの方策を考え出す。そこまでできて初めて、強者と呼ぶにふさわしい。今のお前たちは未だ未熟者に過ぎない」
弟子達は言葉も無いと、自らの未熟さを悔やみ、その浅慮さを責める。
だが、本来であればそれは仕方のない事。彼らは未だ齢十の子供なのだから。
前世にて五十年の時を過ごしてきた俺とは事情が違いすぎる。
だから、今はこれでも十分すぎるのだ。故に、
「だが、今はそれで構わないッ!! 今日、お前たちは圧倒的強者の存在を知った。今はそれでだけでも十分。だから、後はそこで見ていろ。見て学べッ!! 絶対に抗えない敵など存在しないのだということを、何もできないなどということはあり得ないということを、今から俺が身をもって証明してやるッ!!」
「師匠……」
「ヴァン先生……」
「ヴァン君……」
俺は少し落ち着きを取り戻した様子の弟子たちを見やると、視線を切り、その矛先を再び化物共へと、否、殺戮鬼へと向けた。
この間にも奴らと俺達との距離は急激に詰められている。おそらく数十秒後には奴らはこの場へと辿り着いてくるだろう。
あの悪鬼との死闘が始まるのは時間の問題であった。
俺は敵意を胸に、鋭利な殺意を込めて殺戮鬼を睨みつける。
「―――貴様が俺の父さんの敵か……」
殺戮鬼、幸せの絶頂にあったはずの母さんと父さん達からその幸せを奪い去っていった悪鬼。
よく見れば、奴の顔は愉悦に歪んでいる。おそらく奴は母さんの事を記憶していたのだ。それ故に、奴は取り逃がした獲物を見つけ、更なる絶望を与えられることを喜んでいるのだろう。
「……悪趣味な鬼だ。しかし、今となってはこちらにとっても好都合。どちらにせよ何時かは果たそうと思っていた因縁だ。思いの他早く時が来てしまったが、問題はあるまい。―――亡き父さんの敵、討たせてもらうッ!!」
「**********―――ッ!!」
俺の言葉に答えるかのように、異形の悪鬼がおよそ声とは思えぬような悍ましい咆哮で答えてくる。
そして、それが開幕の合図であったか。
魔物の群れが遂にヴァンの元へ襲い掛かり、
「―――行くぞ、絶望。貴様らを切り捨てて、俺は自らの理想を貫き通すッ!!」
数瞬後、戦いの幕はここに切って落とされた。
「ひっ……ば、化物……」
「こ、これは……こんなことって……」
演技も崩れ、皆一様に怯えを表出させる弟子達。
どうやらここに来てあいつらもようやく事態の危うさに至ったらしい。
気付いたのだ。迫りくる悪鬼とその悪鬼の持つ力の強大さに。
それは修行して、強くなり、敵などいないと、そう錯覚し始めていた彼らの認識を粉々に砕いてしまった。
そして、なまじ一角の強さを手に入れてしまったが故に、彼らには分かってしまう。自分達などあの悪鬼にとって、虫けら以下の存在でしかなく、もはや逃走することすらも満足に敵わないのだということが……。
彼らの頭を埋め尽くすのは幾多の後悔。奢っていた自分への後悔。警戒を怠ったことへの後悔。そして、俺の言葉を聞き入れなかったことへの後悔。様々な後悔がきっと彼らを支配していることだろう。
もっとも、俺の言葉に関しては、強く主張しなかった俺のミスに他ならない。故に、あいつらが後悔する理由などないのだが、今はそんな言葉も耳には入らない、否、そんなことを気にしている余裕もあるまい。
それほどの圧倒的実力差を前に、彼らは絶望の淵に立たされていた。そして、それは俺も例外ではない。
そう、例外なんかじゃないのだ。どうする? 一体どうすればいい? 何が最善手だ? 今から取り得る手次第で、ここにいる全員の命運が決まりかねない。一手間違えれば全滅は必定。ならば、この場の選択において、間違いは許されない。
俺は迫りくるブラックヴォルフの大群とその奥を疾駆する殺戮鬼を睨みつけながら思考の渦に飲み込まれる。
逃げるか? 否、その道は既に断たれた。今から逃走に移ったところで、奴らの速度からは逃げ切れない。
ならば正面から戦うか? 否とは言わない。しかし、それも限りなく不可能に近い。今の俺の実力ではあの悪鬼と相対できるかは正直分からない。それにブラックヴォルフの対処が加わるとなれば、それは可能性の天秤は不可へと傾く。唯一策があるとすれば、ブラックヴォルフの対処を弟子達に任せる事なのだが……。
俺は弟子達、そして母さんへと順に視線を向ける。
弟子達は迫りくる悪鬼に怯え、まともに立っているのすら危うい様子。母さんは現状への絶望のあまり、思考の袋小路に陥ってしまっている。とてもじゃないが戦えるようすだとは思えなかった。
あの様子ではブラックヴォルフ一体と相対するのすら難しいだろう。
つまり、この手も既に潰えたということ。
ならば、残された手があるとすれば……誰かをこの場で囮として犠牲にし、残りを逃がすしかない。
「またか……結局、俺はまた誰かを犠牲にして誰かを助ける。そんな選択をしなきゃいけないのか……?」
……嫌だ。俺はそんな間違いを二度としないと、生まれ変わった時心に誓ったのだ。だが、現実は残酷だ。俺がここで決断しなければ、この場にいる全員が死ぬことになる。しかし、例え囮として俺が残ったとしても、この状態のこいつらだけでは逃げ切れるとは思えない。これでは方法が……。
俺の思考がそこまで至ったところで、母さんが突如思考の袋小路から脱出した。
母さんはふらふらと愛用の杖を支えにその場に立ちあがると、弟子達と俺の前に出るように立ちはだかり、告げる。
「レオ君、エリスちゃん、ノアちゃん……私は貴方たちを本当に血のつながった子供のように思っていたわ。我が子達に囲まれて過ごしたこの一年、本当に楽しい日々だった……」
「か、母さん……? いったい何を……」
思わず声そんな声が出た。
しかし、母さんはそんな俺にどこか悲しみを含んだ笑みを浮かべると、言葉を続ける。
「そして、そんな我が子達にだからこそ託すことができる。お願い、ヴァンを連れてここから逃げて。奴らは、あの化物と狼共は……私が一人で食い止める。だから……」
母さんは全身に力を入れ、自分を叱咤するように“ぐッ”と拳を握ると、こちらへふりかえる。
「―――ヴァンを、私が愛した人の息子を守って……」
「え、エリシアさん……」
「そ、そんな……」
「ッ…………」
弟子達は自分達の事を我が子とまで言ってくれた母さんの、その気持ちに感謝をしつつ、その断れない残酷な願いに涙する。
断れない。断れる訳が無いのだ。
長らく忘れていたであろう母の愛。それを思いださせてくれた人。
その人の、命を賭しての頼み。彼らに断ることなど、その決意を踏みにじることなどできようはずもない。
だが、その望みを聞いてしまったが最後、彼らは再び母を失うことになる。
母の温かさを思い出させてくれた人に、それを失う辛さを思い出させられる。
なんと酷い皮肉だろうか? しかし、それでも彼らはその頼みを断れない。
それをどうしようもなく理解してしまっているが故に、彼らは気持ちの整理をつけるために涙を流し続けているのだ。
「レオ、エリス、ノア……ごめんなさいね。辛い思いをさせてしまって……でも、きっと大丈夫。貴方達の成長した姿が見られないのは凄く残念だけれど、それでも、貴方達なら強く生きていけると母さんは信じているわ。
……元気でね?」
「う゛う゛ぅ……え゛、エリシア……おがあさん」
「ぶえ゛ぇぇ……やだよぉ、おがあさん」
「ぐすっ……うっ……おかあさんっ……」
エリシアをお母さんと、そう呼んで泣き続ける弟子達。
その姿を悲しそうな笑みを浮かべて見やると、母さんはそのまま俺の方へと視線を移し、告げる。
「ヴァン、ごめんね……貴方の事、もう守ってあげられないわ……でも、せめてこの場だけは何としても守り通して見せるから、だからっ……ヴァン、幸せになるのよ……」
そう俺に告げた母さんの瞳には―――涙が浮かんでいた。
「~~~~~ッ!!」
その涙を見た瞬間、俺の中の何かが“ブチッ”音を立てて千切れた。
それは誰に対する怒りだったか。
突如現れた化物に対するものだったか?
身勝手な選択で命を散らそうとしている母に対するものだったか?
それとも、こんな理不尽を強いた神に対するものだったか?
違う、断じて違う。
これは……この怒りは紛れもなく、同じ間違いを繰り返そうとしていた自身に対するものに他ならないッ!!
―――――ふざけるな、こんなものがお前の望んだ生き方なのか?
そんな声が自分の内から聞こえてくる。これは、この声は……間違いない。これは前世における自身の声。師匠にあこがれ、自分が見た彼女のようになろうと、生涯をとして追い求め続け、そして、最後の最後に、自らの犯した間違いに後悔しながら死んでいった過去の自分。その叱咤の声。
俺は間違えたことを後悔した。見捨てたことを後悔した。救えなかったことを後悔した。
そして―――笑顔が見れなった事を後悔した。
俺は奇跡的に受けたこの二度目の生、ここにおいて尚、同じ過ちを繰り返すのか?
また何かを切り捨てて何かを選ぶのか?
だれかの命を諦めるのか?
俺は、俺はその選択を間違いだったと死の間際まで後悔したのではなかったのかッ!?
そうだ。俺はその選択を後悔した。後悔し、そして、次があるのならば、全てを救うと、そう心に誓ったのだ。だからッ……
―――答えなど既に決まっていた。
「さぁッ!! 時間が無いわ、どれだけ時間を稼げるかわからない。だから一刻も早く、可能な限り遠くまで離れなさいッ!!」
母さんが話はここまでとでも言うかのように怒声を上げるが、しかし、そんなものを聞き入れるつもりなどもはや俺には微塵もない。
―――気がつけば、俺の体は母さんを押しのけて、前に出ていた。
―――双眸は逸らすことなく悪鬼へと向けられていた。
―――決意は既に固まっていた。
「し、師匠……?」
「ヴァ、ヴァン先生……?」
「ヴァン君……いったい……?」
弟子達は俺の唐突な行動に当惑と、そして僅かな期待の混じったような、そんな声を上げた。そして、それに追従するかのように、
「ヴァンッ!! 何をしてるのッ!? 時間が無いのよッ!?」
不用意に前に出た俺に対し、母さんが怒声を上げる。当然だ。この一瞬の間にも、母さんが命を代価として時間を稼いだとして、その上でヴァン達が助かるその確率は刻一刻と減っているのだ。母さんが怒鳴るのも無理はない。だけど、
「お願いだから早く―――」
「母さん。先に謝っとく。ごめんね、俺、嘘ついてたんだ」
俺はその怒声を遮るように謝罪の言葉を重ねた。母さんも自身の埒外の俺の行動に動揺する。
「……ヴァン? あなたいったい何を言って……」
「―――Overclock,First-Phase」
≪―――過負荷駆動、第一段階≫
俺は疑問を投げかける母さんの言葉に答えるように鍵言を唱え、魔術を起動。全身を駆け巡る魔力に指令を下す。直後、指向性を持たされた魔力は俺の肉体を一つ上のステージへと引き上げた。そして、俺の手には既に森で拾ったと、そう偽り続けた俺の剣が引き抜かれ、握られている。
「……えっ……ヴァン、あなた、それは……いったい……」
俺の姿を見て、困惑を隠せない様子で母さんは茫然と声を発した。
当然だ。これより死線に望まんとする俺の姿は、既に七歳児の放つ風格などでは決してない。いや、そんなものはもとより超えている。しかしこの瞬間、俺が持つ風格はおそらく、母さんがこれまで見てきた俺の実力を大きく逸脱しているだろう。驚かないはずがない。
「詳しい事はまた後で説明するよ。だから、少し待ってて」
「―――ッ!? ヴァン、まさかあなたッ!? だめよ、許さないわッ!!」
事態に茫然としていた母さんも俺の発言でこれから俺が何をしようとしているかを察したらしい。
鬼気迫る様子で母さんは言葉を続ける。
「ヴァン、確かにあなたは実力を隠していたのかもしれない。
それでも、あの化物は……殺戮鬼には及ばない。
ヴァン、あなたも気づいているのでしょうッ!? あれがいったいどれほどの化物なのかッ!?」
その通りだ。俺にだってあれがどれほどの規格外の存在なのかは理解している。
漏れ出る魔力だけでも超常。
内包されるものはどれほどのものか想像もつかない。
挑めば無事で済むとは思えない。
だが、だとしても―――
「あんなのはただの災害と同じ、人が自然災害に抗えないのと同じで、私たちにあの悪鬼に抗う術はない。
できることはただ一つ、被害を最小限に留めること、ただその努力をすることだけ。
被害が出ることそのものはどうしたって避けられないのッ!! だから―――」
「―――だとしても」
俺は誓ったのだ。もう二度と何かを見捨てることはしないと。
だからッ!!
「俺は母さんの命を諦めないッ!!」
「今はそんな我がままを言っている場合じゃ―――」
「いや、違うよ母さん。むしろ今こそその我がままを貫き通さなきゃいけないんだ。
だって、俺は知っているから。ここで母さんの命を諦めたその先に、どんな絶望と後悔が待っているのかっていうことを……」
そう、俺は……知っている。最低限の命を諦めることで、出来る限り多くの命を救い続ける。
そんな選択をし続けた男の末路を俺は知っている。
―――それは酷く空虚なもので、
―――そこには選択に対する後悔しか存在しなくて、
―――後には涙しか残らない。
そんな、英雄になろうともがき続け、そのもがく中で道を見失ってしまった男。
その絶望を知っている。否。覚えている。
忘れられない。忘れられるはずがないッ!!
悔しかった。悲しかった。苦しかった。
もう二度と、二度とあんな間違いは犯さないと、今度こそ、俺は取りこぼさないと、そう誓ったのだ。
「ヴァン……」
「母さんは見ていてくれ。俺はこれから俺の誓いを貫き通す。俺は……俺は今度こそッ―――英雄になってやるッ!!」
「~~~~~っ!!」
母さんは言葉をなくして蹲ってしまった。だが、これでいい。母さんには見ていてほしい。俺の姿を、俺がこれから踏み出す、英雄への第一歩を。
そして、俺がこの姿を見せたいのは何も母さんだけじゃない。
「お前らもだ。レオ、エリス、ノア」
「「「―――ッ!?」」」
突然話の矛先を向けられ、動揺する三人。それを見据え、視線をまっすぐ彼らに向けながら、俺は言葉を続ける。
「お前らは修行を通して飛躍的に強くなり、ゴブリン程度ならいくらかかってこようが歯牙にもかけぬほどの強者へと成長した。それは誇らしいことだ。だが、それ故にお前達は奢った。奢ったが故に、しなければならない警戒の一切を放棄した。何が出てもなんとかなるだろうとな。これは明確な油断だ」
「「「…………っ」」」
三人は言葉も無いと、悔しそうに黙りこくる。それは紛れもない事実。故に、あいつらは反論することができないのだ。それに、俺は追い打ちをかける。
「そして、今お前たちは自らが逆立ちしても敵わない。圧倒的強者に恐れをなしている。恐れをなして、思考することを放棄してしまっている。それではだめだ。それではいくら強くなったところで、意味はない。力が強くなっただけでは、お前ら自身の強さには直結しない。圧倒的強者に直面したとしても、それでも諦めず、逃げるにせよ、戦うにせよ、何らかの方策を考え出す。そこまでできて初めて、強者と呼ぶにふさわしい。今のお前たちは未だ未熟者に過ぎない」
弟子達は言葉も無いと、自らの未熟さを悔やみ、その浅慮さを責める。
だが、本来であればそれは仕方のない事。彼らは未だ齢十の子供なのだから。
前世にて五十年の時を過ごしてきた俺とは事情が違いすぎる。
だから、今はこれでも十分すぎるのだ。故に、
「だが、今はそれで構わないッ!! 今日、お前たちは圧倒的強者の存在を知った。今はそれでだけでも十分。だから、後はそこで見ていろ。見て学べッ!! 絶対に抗えない敵など存在しないのだということを、何もできないなどということはあり得ないということを、今から俺が身をもって証明してやるッ!!」
「師匠……」
「ヴァン先生……」
「ヴァン君……」
俺は少し落ち着きを取り戻した様子の弟子たちを見やると、視線を切り、その矛先を再び化物共へと、否、殺戮鬼へと向けた。
この間にも奴らと俺達との距離は急激に詰められている。おそらく数十秒後には奴らはこの場へと辿り着いてくるだろう。
あの悪鬼との死闘が始まるのは時間の問題であった。
俺は敵意を胸に、鋭利な殺意を込めて殺戮鬼を睨みつける。
「―――貴様が俺の父さんの敵か……」
殺戮鬼、幸せの絶頂にあったはずの母さんと父さん達からその幸せを奪い去っていった悪鬼。
よく見れば、奴の顔は愉悦に歪んでいる。おそらく奴は母さんの事を記憶していたのだ。それ故に、奴は取り逃がした獲物を見つけ、更なる絶望を与えられることを喜んでいるのだろう。
「……悪趣味な鬼だ。しかし、今となってはこちらにとっても好都合。どちらにせよ何時かは果たそうと思っていた因縁だ。思いの他早く時が来てしまったが、問題はあるまい。―――亡き父さんの敵、討たせてもらうッ!!」
「**********―――ッ!!」
俺の言葉に答えるかのように、異形の悪鬼がおよそ声とは思えぬような悍ましい咆哮で答えてくる。
そして、それが開幕の合図であったか。
魔物の群れが遂にヴァンの元へ襲い掛かり、
「―――行くぞ、絶望。貴様らを切り捨てて、俺は自らの理想を貫き通すッ!!」
数瞬後、戦いの幕はここに切って落とされた。
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