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前編
誠に遺憾であるってやつだ
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「その、よかったら、せめて時間が来るまでの間だけでもルイと話がしたいのだが………」
「申し訳ございませんが、どうかドミニク様ご自身のお立場を考えて下さい。貴方はカタルシスの子、弟はご学友候補にもなれぬ子です。」
兄さまは厳しい目で、ドミニク様はそうキッパリと言い放った。
言いたいことは分かる。
三男とはいえ、王弟の子であるドミニク様は王子様の次に尊い存在だ。
持病持ちの僕がおいそれとお話していい相手じゃない。
ともすれば蔑んでいるととられ兼ねない言葉なんて言いにくかったろうに、それでもハッキリと言ってくれた兄さまには感謝しかない。
「………分かった。すまない、言いにくいことを言わせた。」
何故か少し悔しそうな表情をしながら、ドミニク様はそう言って踵を返すとあの長い列………恐らく王子様の所に戻って行った。
その背中を見て、ホッと息を吐く。
一体、何だったんだろう。
「大丈夫かい?ルイ、カノンノ。」
「へいきです………カノンノは?」
「わたしもへいきです!けど、ちょっとくやしかったです………」
ごめんね、本当にごめんね。
不安そうにドレスのスカート部分を握る妹を、そんな気持ちを込めて僕はギュッと抱き締めた。
やっぱり僕は、お兄ちゃん失格だ。
「ちいにいさまをおまもりすることが、できませんでした。」
「いいんだよ、カノンノはいもうとなんだもの。」
「いもうとでも、ですよ!」
泣きそうな顔が一転、ぷんぷんとしながら僕に抱き着いてくる。
周りの人達はドミニク様がこの場を離れた時点で僕達に興味を失っている。
彼らが見ていたのは、あくまでドミニク様だから。
僕は安心して、妹をギュッと抱き締める。
人の目があると、やっぱりマナーとか気になっちゃうもんね。
「だいじょうぶだよ。」
やっぱり目の前にすると、声を聞くと、好きって想いが溢れて止まらなくなる。
でも大丈夫。
ご学友候補でもない僕とあの人との人生が交わることなんて、これから先絶対に無いんだから。
「ルイ、怖かった時は我慢しなくていいんだよ?」
兄さまが気遣うように僕の頭を撫でてくれたけど、本当に怖かった訳じゃない。
僕が勝手に勘違いして怒られたのかと思っただけだし。
………勘違い、だったんだよね?
でもどうせ嫌われるのは変わらないから、あながち勘違いじゃないのかもしれないけど。
「ううん、こわくなかったよ。おはなしできて、うれしかった。」
これは半分本当。
嫌われてることを分かってる人と話をすることは怖かったけど、それでも好きな人と話を出来たことは嬉しかったんだ。
そう思いながら笑えば、兄さまも妹も何か言いたげな顔をした。
何でよ。
「………まぁ、ルイがそういうならそういう事にしておくけど。」
「ちいにいさまはきょういちにち、にいさまとはなれてはだめよ!」
兄さまには呆れられ、妹には怒られてしまう。
解せない。
誠に遺憾であるってやつだ。
「わかってるよぅ。」
思わず子供みたいな声が漏れる。
まぁ、子供なんだけど。
「申し訳ございませんが、どうかドミニク様ご自身のお立場を考えて下さい。貴方はカタルシスの子、弟はご学友候補にもなれぬ子です。」
兄さまは厳しい目で、ドミニク様はそうキッパリと言い放った。
言いたいことは分かる。
三男とはいえ、王弟の子であるドミニク様は王子様の次に尊い存在だ。
持病持ちの僕がおいそれとお話していい相手じゃない。
ともすれば蔑んでいるととられ兼ねない言葉なんて言いにくかったろうに、それでもハッキリと言ってくれた兄さまには感謝しかない。
「………分かった。すまない、言いにくいことを言わせた。」
何故か少し悔しそうな表情をしながら、ドミニク様はそう言って踵を返すとあの長い列………恐らく王子様の所に戻って行った。
その背中を見て、ホッと息を吐く。
一体、何だったんだろう。
「大丈夫かい?ルイ、カノンノ。」
「へいきです………カノンノは?」
「わたしもへいきです!けど、ちょっとくやしかったです………」
ごめんね、本当にごめんね。
不安そうにドレスのスカート部分を握る妹を、そんな気持ちを込めて僕はギュッと抱き締めた。
やっぱり僕は、お兄ちゃん失格だ。
「ちいにいさまをおまもりすることが、できませんでした。」
「いいんだよ、カノンノはいもうとなんだもの。」
「いもうとでも、ですよ!」
泣きそうな顔が一転、ぷんぷんとしながら僕に抱き着いてくる。
周りの人達はドミニク様がこの場を離れた時点で僕達に興味を失っている。
彼らが見ていたのは、あくまでドミニク様だから。
僕は安心して、妹をギュッと抱き締める。
人の目があると、やっぱりマナーとか気になっちゃうもんね。
「だいじょうぶだよ。」
やっぱり目の前にすると、声を聞くと、好きって想いが溢れて止まらなくなる。
でも大丈夫。
ご学友候補でもない僕とあの人との人生が交わることなんて、これから先絶対に無いんだから。
「ルイ、怖かった時は我慢しなくていいんだよ?」
兄さまが気遣うように僕の頭を撫でてくれたけど、本当に怖かった訳じゃない。
僕が勝手に勘違いして怒られたのかと思っただけだし。
………勘違い、だったんだよね?
でもどうせ嫌われるのは変わらないから、あながち勘違いじゃないのかもしれないけど。
「ううん、こわくなかったよ。おはなしできて、うれしかった。」
これは半分本当。
嫌われてることを分かってる人と話をすることは怖かったけど、それでも好きな人と話を出来たことは嬉しかったんだ。
そう思いながら笑えば、兄さまも妹も何か言いたげな顔をした。
何でよ。
「………まぁ、ルイがそういうならそういう事にしておくけど。」
「ちいにいさまはきょういちにち、にいさまとはなれてはだめよ!」
兄さまには呆れられ、妹には怒られてしまう。
解せない。
誠に遺憾であるってやつだ。
「わかってるよぅ。」
思わず子供みたいな声が漏れる。
まぁ、子供なんだけど。
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