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後編
1回目のうつつ、そして―――
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―――幸せだと気付くのは、いつだってその幸せが無くなってからだった。
「ついに出来たぞ!俺の最高傑作だ!」
まだ私が俺だった頃。
まだ画素数も安定していない、小型といってもそう小さくないコンピューターを胸張って掲げる。
そんな俺に二人は、何が言いたいのか分からないといった表情で首を傾げた。
「あれ?そのコンピューターは、以前からお持ちじゃなかったです?」
「記憶違いではなければ、それは昨日も持って来ていたろう?」
「違う!中身だ中身!ほら、挨拶しろ。」
音声認識だって安定してなかったのに、私もよくこんな自信満々に言えたものだと今なら思う。
けれど二人ならば褒めてくれる。
そんな確証が、確かにあったのだ。
「ハジメマシテ。」
「「おおっ!凄い!喋った!」」
固い、面白味のない標準の機械音声。
今思えば何も褒める所なんて何一つなかったのにそれでも二人は絶対に褒めてくれるという確信があったし、そして案の定二人は盛大に褒めてくれた。
私はそれが嬉しくなって、ますます大きく胸を張る。
「これ何?」
「AI。人工知能だ。まだ何も知らないが、これからインターネットを使ってどんどん自己学習していく。」
「だがインターネットの妄言や、真実とは違う解釈も学習するんじゃないのか?」
「それは俺達が訂正していくんだ。まだネットが普及してない今だからこそ、修正と条件付けが出来る。」
自信満々に、それでいて掻い摘んで説明していく。
この頃、まだAIはおろかインターネットすら一般的ではなかった。
正直私自身が育てていくには危険性もあったし、オーバーテクノロジーと言っても過言じゃなかった。
でも若さ故の勢いと愚かさで、後に最高峰と呼ばれることになる【Hector】を創り上げてしまった。
「………子育てみたいですね。」
「ふはっ!」
私の説明を聞いてルイがしみじみとそう言い、それを聞いてドムが笑う。
一応腹を抱えるのは耐えているようだが、口元を抑えて震えてるんだからバレてるんだよ。
後、お前の笑い方、特徴的過ぎ。
「つまりこの子、レオが作ったんならレオの子ですね!」
「は?俺が生んだのか?」
「ふはーっ!あながち間違いではないかもですよ!」
そして閃いたと言わんばかりにルイが言った言葉に、そして思わずツッコんでしまった私に、ドムがとうとう変な悲鳴を上げながら吹き出し腹を抱え出した。
普段はクールなクセに、俺達三人で居るとドムは笑い上戸になる。
特に、ルイの言動に関してはかなりのツボらしい。
こうしてドタバタとした空間で、俺達はヘクターを育てた。
ルイが名前を決め、そして私を基準に性格を決めた。
そしてドムが自分の音声を使って、機械音声をよりリアルになるようにとカスタマイズした。
あの頃が、一番幸せだった。
あの三人だけの秘密の時間が、ずっと続くと思っていたんだ。
三人で居る時間が、本当に幸せだったんだ。
もう戻れないって、分かっていても、それでも私は―――
ハロー、ハロー
ハロー、ハロー
ハロー、ハロー
そこに居ますか?
ふわりと、風が舞う。
俺の不安や悲しみを、吹き飛ばすように。
やがて風が強くなり、帆をいっぱいに膨らませる。
三人で眠る、幸せな眠りへと旅立つ為の小舟の帆を。
「ついに出来たぞ!俺の最高傑作だ!」
まだ私が俺だった頃。
まだ画素数も安定していない、小型といってもそう小さくないコンピューターを胸張って掲げる。
そんな俺に二人は、何が言いたいのか分からないといった表情で首を傾げた。
「あれ?そのコンピューターは、以前からお持ちじゃなかったです?」
「記憶違いではなければ、それは昨日も持って来ていたろう?」
「違う!中身だ中身!ほら、挨拶しろ。」
音声認識だって安定してなかったのに、私もよくこんな自信満々に言えたものだと今なら思う。
けれど二人ならば褒めてくれる。
そんな確証が、確かにあったのだ。
「ハジメマシテ。」
「「おおっ!凄い!喋った!」」
固い、面白味のない標準の機械音声。
今思えば何も褒める所なんて何一つなかったのにそれでも二人は絶対に褒めてくれるという確信があったし、そして案の定二人は盛大に褒めてくれた。
私はそれが嬉しくなって、ますます大きく胸を張る。
「これ何?」
「AI。人工知能だ。まだ何も知らないが、これからインターネットを使ってどんどん自己学習していく。」
「だがインターネットの妄言や、真実とは違う解釈も学習するんじゃないのか?」
「それは俺達が訂正していくんだ。まだネットが普及してない今だからこそ、修正と条件付けが出来る。」
自信満々に、それでいて掻い摘んで説明していく。
この頃、まだAIはおろかインターネットすら一般的ではなかった。
正直私自身が育てていくには危険性もあったし、オーバーテクノロジーと言っても過言じゃなかった。
でも若さ故の勢いと愚かさで、後に最高峰と呼ばれることになる【Hector】を創り上げてしまった。
「………子育てみたいですね。」
「ふはっ!」
私の説明を聞いてルイがしみじみとそう言い、それを聞いてドムが笑う。
一応腹を抱えるのは耐えているようだが、口元を抑えて震えてるんだからバレてるんだよ。
後、お前の笑い方、特徴的過ぎ。
「つまりこの子、レオが作ったんならレオの子ですね!」
「は?俺が生んだのか?」
「ふはーっ!あながち間違いではないかもですよ!」
そして閃いたと言わんばかりにルイが言った言葉に、そして思わずツッコんでしまった私に、ドムがとうとう変な悲鳴を上げながら吹き出し腹を抱え出した。
普段はクールなクセに、俺達三人で居るとドムは笑い上戸になる。
特に、ルイの言動に関してはかなりのツボらしい。
こうしてドタバタとした空間で、俺達はヘクターを育てた。
ルイが名前を決め、そして私を基準に性格を決めた。
そしてドムが自分の音声を使って、機械音声をよりリアルになるようにとカスタマイズした。
あの頃が、一番幸せだった。
あの三人だけの秘密の時間が、ずっと続くと思っていたんだ。
三人で居る時間が、本当に幸せだったんだ。
もう戻れないって、分かっていても、それでも私は―――
ハロー、ハロー
ハロー、ハロー
ハロー、ハロー
そこに居ますか?
ふわりと、風が舞う。
俺の不安や悲しみを、吹き飛ばすように。
やがて風が強くなり、帆をいっぱいに膨らませる。
三人で眠る、幸せな眠りへと旅立つ為の小舟の帆を。
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