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幸せになりたいだけなのに
真綿で首を絞められるように
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「ただいま」
子供達もすっかり寝静まった時に、彼は苛々した様子で帰って来た。
今日はパーティーだと聞いていたけど、何かトラブルでもあったのだろうか。
らしくもなく、ソファに鞄を投げ捨てて乱暴にネクタイを緩めている。
「お帰りなさい。」
顔は相変わらず格好良いと思う。
すっとした切れ長の目、高い鼻、もうセックスの時ですら触れられなくなった形の良い唇。
色の白さも相俟って本当に王子様みたいなのに、眉間に寄った皺と冷たい印象しか与えない無表情に私は少し背筋が凍った。
一体、何があったのだろうか………
「………康介、結婚したみたいだぞ。」
「え?」
康介って、アイツ?
結婚って、アイツはゲイだったんじゃないの?
てかなんで私達はこんなに惨めなのに、アイツは幸せになろうとしてんの?
「パートナーシップっていうやつ?今日会った招待客が、たまたまアイツのパートナーだった。」
冷めた視線のまま、彼は淡々とそう言った。
なんでそんなこと分かるの?って聞きたかったけど、彼が口を開けば開く程にピリピリとした雰囲気が漂うから聞くに聞けなかった。
っていうか、なんでそんなこと言い出すの?
もしかして、アイツにまだ未練があるの?
「かなりの良い男だったよ、相手。お前の好きそうな顔してた。」
―――何言いたいか、分かるよな?
ただ見つめられただけなのに、そう言われたような気がした。
グッと拳を握る。
私は間違ったことはしてない。
ただ、彼が好きだっただけなのに。
「俺に対してやったことと、同じことしてくれるよな。」
なんでそんな風に、言われなきゃいけないんだろうか。
子供達もすっかり寝静まった時に、彼は苛々した様子で帰って来た。
今日はパーティーだと聞いていたけど、何かトラブルでもあったのだろうか。
らしくもなく、ソファに鞄を投げ捨てて乱暴にネクタイを緩めている。
「お帰りなさい。」
顔は相変わらず格好良いと思う。
すっとした切れ長の目、高い鼻、もうセックスの時ですら触れられなくなった形の良い唇。
色の白さも相俟って本当に王子様みたいなのに、眉間に寄った皺と冷たい印象しか与えない無表情に私は少し背筋が凍った。
一体、何があったのだろうか………
「………康介、結婚したみたいだぞ。」
「え?」
康介って、アイツ?
結婚って、アイツはゲイだったんじゃないの?
てかなんで私達はこんなに惨めなのに、アイツは幸せになろうとしてんの?
「パートナーシップっていうやつ?今日会った招待客が、たまたまアイツのパートナーだった。」
冷めた視線のまま、彼は淡々とそう言った。
なんでそんなこと分かるの?って聞きたかったけど、彼が口を開けば開く程にピリピリとした雰囲気が漂うから聞くに聞けなかった。
っていうか、なんでそんなこと言い出すの?
もしかして、アイツにまだ未練があるの?
「かなりの良い男だったよ、相手。お前の好きそうな顔してた。」
―――何言いたいか、分かるよな?
ただ見つめられただけなのに、そう言われたような気がした。
グッと拳を握る。
私は間違ったことはしてない。
ただ、彼が好きだっただけなのに。
「俺に対してやったことと、同じことしてくれるよな。」
なんでそんな風に、言われなきゃいけないんだろうか。
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