突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第1章「国内大会編」~

たぬ吉R&D&P

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第1章

1-21「エースの称号」

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「エースの称号」
 双眼鏡で見ると葦の動きは止まっている。(見間違えだったんだべか?)、「いや、私の目で見ても動いてたわ。零ちゃん、デコイの一斗缶を動かすわよ。一気に1.5メートル引き寄せを3回ね。視線はさっきの敵の配置予想地点を見ててね。一回目で位置確認、二回目で一瞬立ち上がっての連射射撃ね。すぐにしゃがんで、再び3回、缶を引くわよ。」、(はい、相手に40メートル間隔のロッテと思わすんんだべな。了解だべ。じゃあ、一回目!)

 零が缶に結びつけられたロープを目一杯3回引いた。40メートル後ろの葦が大きく動いた。「カタタタ」、「カタタタ」と零が向き直った45メートル先で男が二人顔を出し、零の後ろのデコイに連射を打ち込んだ。
「零ちゃん!今よ!」

 零は立ち上がると斜め後ろを向いた男の頭上から縦に銃口をスキャンした。1秒後男は左手を上げた。もう一人の男がしゃがもうとした瞬間、第2射をフルオートで叩き込んだ。その男も手を挙げた。
 「やったー!零ちゃん、これで4キルよ!このまま、単ゲームエース狙っちゃう?」興奮したリュドミラが零の体の中ではしゃぐ!(リュドミラさん、ちょっと待って下せえ。隼先輩と、疾風部長に報告するべ)。

 インカムのスイッチを入れた瞬間、零のイヤホンに「あいたたたた!」「痛ーい!いやーん!」と屠龍と彗星の声が入り沈黙した。
「隼先輩、今の声、副長と彗星さんだべな?やられたべか?」私、今、2人キルしました。前進します。紫電さんはどこですか?」
「えっ、零ちゃん、また、2キル?じゃあ、相手のアサルトは4人とも殲滅したんやな?
 せやったら、第1ゲームで零ちゃんが陣取った木のところに紫電はおる。合流したってくれ!
 屠龍と彗星はトラップに引っかかった可能性もある。注意してくれな。
 さっきまで敵は、午前中に疾風がおった木に一人。フラッグのそばに一人やった。移動しとるかもしれへんから、気を付けて行ってくれな。」
「了解です。紫電先輩、合流しますので5分待機しててください。」

 「零ちゃん、急ぐ気持ちはわかるけど、周辺警戒はぬからない様にしてね。警戒7割、前進3割の意識でね。あと、濡れないようにマガジンは交換してね。」、(はい、「うにゃもろまがずいーん」ですよね。)、「あら、零ちゃん、ロシア語もわかるの?」、(いや、「一方その頃スナイパー女子高校生は」っていうマンガで覚えただけで、あとは「ハラショー」と「バリショイ」と「クスクス」しかわからないです。)、「「クスクス」知ってるって相当マニアよ、あなた…。」、(そうだべか?青森のお母さんが「サイベリアン」と「ロシアンブルー」飼ってたんもんで…)、「あーなるほど、ロシアの猫は「おいでおいで」って呼んでも来ないからね!やっぱり「クスクス」って呼ばないとね!」と言ってリュドミラは笑った。零もそれにつられて笑った。

 飛燕のおっちゃんが葦の藪の中を駆け抜ける零の横に現われて言った。
「零ちゃん、エースもええけど、単独パーフェクトもあり得るで!リュドちゃん、しっかりフォローしたってな!零ちゃん、ぱにゃにゃんだー!」
「えっ、飛燕のおっちゃん、さいごの「パにゃ何とか」って何?」
「あー、「ぱにゃにゃんだ―」はラオス語で「頑張れ!」って意味や!なんか元気出るやろ?」

 零は、紫電と合流した。
「おぉ、零ちゃん、4人キルしたんやて!一気に覚醒したなぁ。それにしてもふくらはぎからお尻まっで泥だらけやん。転んだんか?」
「はい、ありがとうございます。泥は200メートルほど第2匍匐したんで…。」
「ぎょへー!零ちゃんすごいなぁ!まあ、ここからは、俺が先導するからバックアップ頼むわな。
 午前中、疾風がおった木の上に狙撃屋がおるみたいやねんけど、俺の目では確認できへんねん。見てみてくれるか?」

 零は80メートル先の樹の上に目を凝らした。これと言った怪しいところはない。(何も見えないべな…。)、「いや、零ちゃん、こっちから見て奥側、高さ3メートルを見て。ギリースーツのやつがおる!対戦車ライフルみたいなでかいライフル持ってるで。」
 零は、双眼鏡の焦点距離を最大に伸ばすと、地上3メートルを覗き込んだ。座り込んだギリースーツの上から約50センチの黒い銃口が出ているのが見える。全長では1.5メートルはありそうだ。
 双眼鏡を紫電に渡し、説明をした。
「げろげろ、バレットM82かマクラミンTAC-50やな。50口径の対物ライフルやで。えらいもん持ち込んどるわ。あれは反則やろ。60メートルは飛ぶから、そう簡単には近づかれへんで。」
「紫電先輩、あれって連射は効くんですか?」
「いや、マシンガンやないからそれはない。基本単発やな。バレットなら弾倉は10発、TAC-50なら5発や。」

 「零ちゃん、木の幹から太い枝に分かれるとこを銃架にするつもりであそこに居るんやったら両サイドからの挟み撃ちが有効じゃない?」、(はい、リュドミラさんと同じこと考えてたずらよ。あの木の上で1メートル半のものはそうそう、振り回せないずらね。その案採用させてもらうずら。)

 「紫電先輩、両サイドからの挟み撃ちで行きましょう。奴の正面50メートルで私がロープでつないだデコイを動かします。敵の注意がそっちに向いた瞬間、飛び出して両サイドから近づきながらの連射で行きませんか?」
「あぁ、そりゃええなぁ。そのロープのついた缶ってデコイやったんか?第2次大戦の時のソビエトの女性スナイパーの「リュドミラ・バウリチェンコ」みたいやな。おっしゃ、その案、採用や。俺は左、零ちゃんは右でええか。
 インカム入れっぱなしで同時に行くで。」
「はい!」

 紫電は、60メートルの距離を保ちながら左に迂回し、零は正面から60メートルまで進み缶を残すと右へ斜めに這っていった。
「零ちゃん、配置OKか?」
「はい、デコイを5秒後に動かします。5,4,3,2、1」
 零が思いっきりロープを引いた。敵スナイパーの正面で大きく葦の束が横に動いた。ギリースーツを着込んだ男が50口径対物ライフルの引き金を引いた。「ぱしゅ」、「ぱしゅ」っと缶の動きに合わせて銃口が動いた。5発目が発射されたのち、弾倉を交換する動きが目にとれた。(TAC-50なら一気に詰められる!)
 零と紫電は一気に立ち上がり全力で前進しフルオートで地上3メートルに向けて引き金を引いた。すぐに相手の左手があがった。

 「やったー!紫電先輩!共同作戦成功ですよー!ナイスキルですよー!」
「あー、今のキルは零ちゃんや!俺の銃、弾詰まりしてしもた。零ちゃん、単一ゲームエースやで!お祝い決定やなぁ。今日は腹筋触り放題や!」
「いやーん、インカムで恥ずかしいこと言わないでくださいよー!でも、嬉しいでーす!」
 木の下に駆け寄り、一緒に抱き合った。「零ちゃん、零ちゃん、まだ終わりと違うよ!最後、フラグまで取らな終わりやないよ!」、(あー、そうですね。浮かれちゃってごめんなさい。)、「まあ、抱き合って、腹筋触らせてもらうのはゲームが終わってからよ。」、(も―リュドミラさんまで、意地悪言わないでくださいよー!)
 
 「紫電、零ちゃん、スナイパー殺れたんか!フラグは南北から挟み込め!サブマシンガンに持ち替えてCQB(近接戦闘)モードで行け。紫電が囮で、零ちゃんが反対側から背を撃つ時間差攻撃やで。」
「了解!」
零と、紫電は同時に答えた。


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