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第1章
1-24「新入部員候補玉砕」
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「新入部員候補玉砕」
「第1回全国サバゲーチーム最強決定戦「バトルロワイアル2022」の予選が終わった翌日、サバゲー部の部室の前に十数人の男女が集まってワイワイとしていた。
昨晩、早速3回戦で対戦したユーチューバーチームが昨日の予選の様子をユーチューブにアップしたものを偶然見た彗星のクラスメイトが、学校のホームページと仲間内のSNSにアップしたものがバズったのだった。
予選優勝の表彰式の後、零と隼以外はテンションが上がり、上半身裸の疾風、屠龍、紫電のシックスパックは、門工で数少ない女子生徒を魅了し、白ビキニでインタビューを受ける彗星の巨乳と美貌は、男子生徒の「ぴー」を悩ませた。
サーモカメラ付きドローンについて熱く語る隼には、技術面に興味を持った下級生のメカオタク脳をくすぐった。
廃ホテルの4階からのロープ降下のシーンが取り上げられ、MVPで表彰を受ける零のシーンにも男子生徒のファンがついた。
部室前に集まった十数人のうち7名は体験入部を希望してくれ、来年以降のクラブの存続にも希望の灯がともった。
(あー、これで3人以上サバゲー部に入ってくれれば、いいんだべな!今の3年生の先輩たちが卒業と同時にサバゲー部が無くなっちゃ、申し訳ないもんなー!)
冷やかしのにわかファンはともかく、入部希望者の中で、彗星と零に「今、彼氏いるの?」、「付き合ってる人おるの?」と声をかける男子生徒に、疾風と屠龍と紫電は、少し「カチン」ときた。
3人は頭を寄せ合い、「「特Aコース」で行くか!」と突如、練習メニューを決めた。
「はいはいはーい、みんな応援ありがとうねー!俺達、来月の全国大会に向けて練習があるんで交流会はここまでなー!まあ、練習に参加したいっていうなら、それはかまへんけどな―!」
「俺らと世界を目指す気があるもんは、今すぐ体操服に着替えてこい!10分後に今日の練習開始するからな!やる気があったら、10分後にここに再集合や!」
と疾風と屠龍が声をかけた。
零に言い寄っていた3人と、彗星と話していた4人が、練習に参加すると意思表明した。そのうち5名がレギュラーではないが体育会クラブの部員だった。
10分後、5名が自前のクラブのユニフォームやジャージで戻ってきた。野球部、サッカー部、陸上部、バスケットボール部に柔道部だった。2名は体操服だった。
紫電が7人に言った。
「今から、俺らは全装備でのランニングに出るでー!ランニングは2キロや!君らは、初めてやから、手ぶらでもええよ。
そのあと階段4階の上り下りが5本かける2セットあるからな!
まあ、同じ条件で練習したいっていうなら、壁にかかってるベルトしてホルスターに拳銃を1丁入れて、それとライフルを1丁持ってくれてもええよ。ざっくり、5キロ以上の負荷になるから、くれぐれも無理はしなや。まあ、彗星も零ちゃんもフル装備やけどな!」
(おー、紫電のやつ、えげつなく煽りよったな!)、(あぁ、でもこれでついてこれるやつおったらめっけもんやで!)疾風と屠龍はほくそ笑んだ。
零は不安そうに新入部員候補を見つめ、おろおろしているが、彗星は意地悪な顔をして笑っている。
「零ちゃん、誰が残るか「賭け」しようか?当たったら、帰りにハーゲンダッツ!」
「外したら、どうするんですか?」
「罰ゲームで、さっき零ちゃんに言い寄ってた3人の中でやり切ったやつが出たら、零ちゃんはそいつと付き合う!それでどうや!」
「え、ええええー!だ、ダメですよ、そんなの、不健全ですよ!」
「かまへんやん、何があかんの?零ちゃんかて一回は「彼氏」持ってみるべきやと思うで!そうでないと男の価値尺度が身につけへんでなぁ。」
「だ、ダメですダメです!あの7人がどんな腹筋してるかもわからないのに付き合うなんて絶対に無理です……。」
(あー、ここでも零ちゃんは「腹筋」基準やねんな…。まあ、私の予想では、完遂できる奴は「ゼロ」やけどな…。)彗星は零の頭を「よしよし」してやった。
入部希望の7人はお互い顔を見渡した。その横で、零と彗星が迷彩服にフル装備で準備をしてるのを見て、零に言い寄っていた2年生の野球部が言った。
「もちろん、皆さんと同じ条件で参加に決まってますわ!この練習について行かれへんようやったら、入部資格も零ちゃんの「彼」に立候補する資格もあれへんやろ!」
その一言で、体育会の4人は引くに引けなくなった。
「せや、俺も彗星ちゃんと「ラインのお友達申請」してもらえるレベルにあるかどうかを、この場で証明したるわ!」
とサッカー部の2年生が次に手を挙げた。
「じゃあ、俺も!」、「俺も」と残り3人の体育会と体操服の2人は装備ありでの同行となった。
結果は、彗星の予想通りランニングの時点で「全員玉砕」だった。最初に手を挙げた野球部も残り0.5キロでへたり込み、3.5キロのライフルを代わりに持ってやって、「しっかり頑張って!」と横で励まし続ける零にも置き去りにされ、すごすごと帰って行った。
彗星に「ライン友達」を申し込んでいたサッカー部も何とか2キロ走り切ったが、階段は一段も登れず、メニューをこなす彗星の姿を見て、泣きながら姿を消した。
他の5人も大同小異の結果だった。2キロのランニングでは脱落者のライフルを疾風と屠龍が奪い合い、お互い2本ずつ、計7キロの負荷をかけてのランニングを終え、零の前で二人そろって「俺の腹筋の方が凄いやろ!」とシャツのおなかをめくって零に見せた。(あー、触れたい!けど、こんなみんながいる前で触ったり頬ずりできないし…)零は困った。
疾風と屠龍と紫電は
「サバゲー部なめんなよ!鍛えなおしておとといきやがれ!」
「うちの零ちゃんと彗星をやすやすと青ひょうたんに渡すわけにはいけへんからなぁ、かかかかか!」
「サバゲー部最強―っ!少なくとも腹筋6つに割ってからまたおいで―!」
と去っていく新入部員候補を次々と見送った。
(あーあ、せっかくの新入部員候補が全滅…。先輩方、もうちょっとやり方があったんじゃないべか?これでまた、ふりだしだべ…。)残念がる零に肩を組み、耳元で
「零ちゃんの望む「腹筋」君はおれへんかったみたいやな。「紫電」のこと好きになられたら困るけど、部長か副長と付き合ってみたら?」
と彗星にささやかれ、零は茹で蛸の様に真っ赤になった。
「第1回全国サバゲーチーム最強決定戦「バトルロワイアル2022」の予選が終わった翌日、サバゲー部の部室の前に十数人の男女が集まってワイワイとしていた。
昨晩、早速3回戦で対戦したユーチューバーチームが昨日の予選の様子をユーチューブにアップしたものを偶然見た彗星のクラスメイトが、学校のホームページと仲間内のSNSにアップしたものがバズったのだった。
予選優勝の表彰式の後、零と隼以外はテンションが上がり、上半身裸の疾風、屠龍、紫電のシックスパックは、門工で数少ない女子生徒を魅了し、白ビキニでインタビューを受ける彗星の巨乳と美貌は、男子生徒の「ぴー」を悩ませた。
サーモカメラ付きドローンについて熱く語る隼には、技術面に興味を持った下級生のメカオタク脳をくすぐった。
廃ホテルの4階からのロープ降下のシーンが取り上げられ、MVPで表彰を受ける零のシーンにも男子生徒のファンがついた。
部室前に集まった十数人のうち7名は体験入部を希望してくれ、来年以降のクラブの存続にも希望の灯がともった。
(あー、これで3人以上サバゲー部に入ってくれれば、いいんだべな!今の3年生の先輩たちが卒業と同時にサバゲー部が無くなっちゃ、申し訳ないもんなー!)
冷やかしのにわかファンはともかく、入部希望者の中で、彗星と零に「今、彼氏いるの?」、「付き合ってる人おるの?」と声をかける男子生徒に、疾風と屠龍と紫電は、少し「カチン」ときた。
3人は頭を寄せ合い、「「特Aコース」で行くか!」と突如、練習メニューを決めた。
「はいはいはーい、みんな応援ありがとうねー!俺達、来月の全国大会に向けて練習があるんで交流会はここまでなー!まあ、練習に参加したいっていうなら、それはかまへんけどな―!」
「俺らと世界を目指す気があるもんは、今すぐ体操服に着替えてこい!10分後に今日の練習開始するからな!やる気があったら、10分後にここに再集合や!」
と疾風と屠龍が声をかけた。
零に言い寄っていた3人と、彗星と話していた4人が、練習に参加すると意思表明した。そのうち5名がレギュラーではないが体育会クラブの部員だった。
10分後、5名が自前のクラブのユニフォームやジャージで戻ってきた。野球部、サッカー部、陸上部、バスケットボール部に柔道部だった。2名は体操服だった。
紫電が7人に言った。
「今から、俺らは全装備でのランニングに出るでー!ランニングは2キロや!君らは、初めてやから、手ぶらでもええよ。
そのあと階段4階の上り下りが5本かける2セットあるからな!
まあ、同じ条件で練習したいっていうなら、壁にかかってるベルトしてホルスターに拳銃を1丁入れて、それとライフルを1丁持ってくれてもええよ。ざっくり、5キロ以上の負荷になるから、くれぐれも無理はしなや。まあ、彗星も零ちゃんもフル装備やけどな!」
(おー、紫電のやつ、えげつなく煽りよったな!)、(あぁ、でもこれでついてこれるやつおったらめっけもんやで!)疾風と屠龍はほくそ笑んだ。
零は不安そうに新入部員候補を見つめ、おろおろしているが、彗星は意地悪な顔をして笑っている。
「零ちゃん、誰が残るか「賭け」しようか?当たったら、帰りにハーゲンダッツ!」
「外したら、どうするんですか?」
「罰ゲームで、さっき零ちゃんに言い寄ってた3人の中でやり切ったやつが出たら、零ちゃんはそいつと付き合う!それでどうや!」
「え、ええええー!だ、ダメですよ、そんなの、不健全ですよ!」
「かまへんやん、何があかんの?零ちゃんかて一回は「彼氏」持ってみるべきやと思うで!そうでないと男の価値尺度が身につけへんでなぁ。」
「だ、ダメですダメです!あの7人がどんな腹筋してるかもわからないのに付き合うなんて絶対に無理です……。」
(あー、ここでも零ちゃんは「腹筋」基準やねんな…。まあ、私の予想では、完遂できる奴は「ゼロ」やけどな…。)彗星は零の頭を「よしよし」してやった。
入部希望の7人はお互い顔を見渡した。その横で、零と彗星が迷彩服にフル装備で準備をしてるのを見て、零に言い寄っていた2年生の野球部が言った。
「もちろん、皆さんと同じ条件で参加に決まってますわ!この練習について行かれへんようやったら、入部資格も零ちゃんの「彼」に立候補する資格もあれへんやろ!」
その一言で、体育会の4人は引くに引けなくなった。
「せや、俺も彗星ちゃんと「ラインのお友達申請」してもらえるレベルにあるかどうかを、この場で証明したるわ!」
とサッカー部の2年生が次に手を挙げた。
「じゃあ、俺も!」、「俺も」と残り3人の体育会と体操服の2人は装備ありでの同行となった。
結果は、彗星の予想通りランニングの時点で「全員玉砕」だった。最初に手を挙げた野球部も残り0.5キロでへたり込み、3.5キロのライフルを代わりに持ってやって、「しっかり頑張って!」と横で励まし続ける零にも置き去りにされ、すごすごと帰って行った。
彗星に「ライン友達」を申し込んでいたサッカー部も何とか2キロ走り切ったが、階段は一段も登れず、メニューをこなす彗星の姿を見て、泣きながら姿を消した。
他の5人も大同小異の結果だった。2キロのランニングでは脱落者のライフルを疾風と屠龍が奪い合い、お互い2本ずつ、計7キロの負荷をかけてのランニングを終え、零の前で二人そろって「俺の腹筋の方が凄いやろ!」とシャツのおなかをめくって零に見せた。(あー、触れたい!けど、こんなみんながいる前で触ったり頬ずりできないし…)零は困った。
疾風と屠龍と紫電は
「サバゲー部なめんなよ!鍛えなおしておとといきやがれ!」
「うちの零ちゃんと彗星をやすやすと青ひょうたんに渡すわけにはいけへんからなぁ、かかかかか!」
「サバゲー部最強―っ!少なくとも腹筋6つに割ってからまたおいで―!」
と去っていく新入部員候補を次々と見送った。
(あーあ、せっかくの新入部員候補が全滅…。先輩方、もうちょっとやり方があったんじゃないべか?これでまた、ふりだしだべ…。)残念がる零に肩を組み、耳元で
「零ちゃんの望む「腹筋」君はおれへんかったみたいやな。「紫電」のこと好きになられたら困るけど、部長か副長と付き合ってみたら?」
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