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第1章
1-27「全国大会要項」
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「全国大会要項」
隼は、要綱コピーと隼がまとめた準々決勝から決勝戦までの3ステージのポイントを全員に配った。準々決勝会場は再び、「生駒BB-GUN」での開催、準決勝は大阪港「三友・住井倉庫」、決勝戦は「サバゲーパーク能勢」となっている。
「へー、舞洲の特設会場は無くなったんやな。準々決勝は、地元やないかい。これは、ついとんな。この間の大会でノウハウもあるし、有利やん。決勝戦の「サバゲーパーク能勢」は能勢町のサバゲー場やから下見も行けるわな。山岳戦かセットの市街戦かのどっちかやろうしな。
それにしても準決勝の「三友・住井倉庫」ってなんや?」
疾風が隼に尋ねた。
「せやねん、俺も何かなって思ったんやけど、要綱3ページの所持品の部分を見てほしいねんけど、「耐寒装備(-30度対応)」ってあるやろ。7月で「耐寒」ってありえへんやろ。」
「じゃあ、何なんや?変換ミスか?それに(-30度対応)って南極やあるまいし、笑けるよな。」
「いや、俺の予測やねんけど、これが絡んでるんとちゃうかと思うんや。」
と「日本産業新聞」の記事のプリントを出した。「三友・住井冷凍倉庫8月全面リニューアル」と見出しにある。
「関西最大級の冷凍倉庫で40フィートのコンテナが5000個入るちゅう倉庫やねんけど、CO2排出量削減対策でここの冷凍機がインバーター付きの新型冷凍機に全面入れ替えになる工事が入るんで7月末にはいったん中が空っぽになるらしい。
その機会を使って、かつてのフィンランドとソ連の「冬戦争」のステージを再現するんとちゃうかなって思ってるんやけどみんなはどう思う?」
5人は黙りこくった。その中、零が口を開いた。
「私が住んでた青森ではすごい寒さを体験できるところが2か所あるって、よくうちに遊びに来てた陸上自衛隊の人が言ってたんです。
ひとつは、日露戦争前に雪中行軍訓練で199人が遭難死したことで有名な場所で、東北の陸自の訓練で名物の「冬の八甲田山」。もう一つは夏に吹くと農作物に「冷害」をもたらす寒流の千島海流の冷たい空気を東風で運んでくる「やませ」の冬版の「雪やませ」が吹きっさらす猿ヶ森砂丘の冬演習。
どちらも気温自体はマイナス10度から15度くらいなんだけど、風速20から30メートルの冬の強風が加わると体感温度はマイナス30度になるんだって。
思考能力は低下し、体力の消耗は8倍。凄く過酷な訓練って言ってたよ。」
全員が零の言葉に息をのんだ。
「あさま山荘事件の現場も夜間はマイナス20度になって、機動隊の人ら凍傷にかかったり、土嚢作るためのシャベルを素手で握ったら金属の柄に手がくっついたりしたっていう話もあるもんなぁ…」
隼がぽそりとつぶやいた。
「まあ、要綱が正しくて、隼の予想があってるとするならば、それなりの準備はしとかなあかんやろ。そもそもマイナス30度で電動ガンって使えるんか?バッテリーの耐寒対策もせなあかんやろ。
もちろん、俺らの装備もやけどな。隼、そこらへんはどないやねん?」
と屠龍が問いた。
「せやな、ガスガンはまずアカンし、電動ガンのバッテリーもそこまでは想定してないと思うから、普通に考えたら寿命は通常時の数分の一、電圧も下がるやろうから飛距離もめちゃくちゃ下がると思うわ。
一度、実験棟の業務用の冷凍庫でマイナス18度に銃を冷やして試してみる必要はあるやろな。後は、電熱服や発汗速乾のウエアなんかも準備が必要やな…。」
「うーん、赤貧高校生には酷な課題やのう。」
「そこは、知恵と工夫で何とかやっていくしかあれへんわな。対策なしに参戦したら、それこそ、「冬戦争」の時のソ連軍になってしまうで…。」
「あぁ、フィンランド軍のマンネルヘイム司令官が発案してシモ・ヘイヘらが実行した、ソ連軍の行軍の先頭と最後の車両を動けへんようにしたら、あとは銃弾1発も使わんでも、みんな凍死したっちゅう「モッティー作戦」やな。」
皆が黙ってしまった。隼が更に話を続けた。
「あと、予選とルールが大きく変わったところが一つある。それは、フラッグ戦やなく、殲滅戦になったことや。」
隼は、要綱コピーと隼がまとめた準々決勝から決勝戦までの3ステージのポイントを全員に配った。準々決勝会場は再び、「生駒BB-GUN」での開催、準決勝は大阪港「三友・住井倉庫」、決勝戦は「サバゲーパーク能勢」となっている。
「へー、舞洲の特設会場は無くなったんやな。準々決勝は、地元やないかい。これは、ついとんな。この間の大会でノウハウもあるし、有利やん。決勝戦の「サバゲーパーク能勢」は能勢町のサバゲー場やから下見も行けるわな。山岳戦かセットの市街戦かのどっちかやろうしな。
それにしても準決勝の「三友・住井倉庫」ってなんや?」
疾風が隼に尋ねた。
「せやねん、俺も何かなって思ったんやけど、要綱3ページの所持品の部分を見てほしいねんけど、「耐寒装備(-30度対応)」ってあるやろ。7月で「耐寒」ってありえへんやろ。」
「じゃあ、何なんや?変換ミスか?それに(-30度対応)って南極やあるまいし、笑けるよな。」
「いや、俺の予測やねんけど、これが絡んでるんとちゃうかと思うんや。」
と「日本産業新聞」の記事のプリントを出した。「三友・住井冷凍倉庫8月全面リニューアル」と見出しにある。
「関西最大級の冷凍倉庫で40フィートのコンテナが5000個入るちゅう倉庫やねんけど、CO2排出量削減対策でここの冷凍機がインバーター付きの新型冷凍機に全面入れ替えになる工事が入るんで7月末にはいったん中が空っぽになるらしい。
その機会を使って、かつてのフィンランドとソ連の「冬戦争」のステージを再現するんとちゃうかなって思ってるんやけどみんなはどう思う?」
5人は黙りこくった。その中、零が口を開いた。
「私が住んでた青森ではすごい寒さを体験できるところが2か所あるって、よくうちに遊びに来てた陸上自衛隊の人が言ってたんです。
ひとつは、日露戦争前に雪中行軍訓練で199人が遭難死したことで有名な場所で、東北の陸自の訓練で名物の「冬の八甲田山」。もう一つは夏に吹くと農作物に「冷害」をもたらす寒流の千島海流の冷たい空気を東風で運んでくる「やませ」の冬版の「雪やませ」が吹きっさらす猿ヶ森砂丘の冬演習。
どちらも気温自体はマイナス10度から15度くらいなんだけど、風速20から30メートルの冬の強風が加わると体感温度はマイナス30度になるんだって。
思考能力は低下し、体力の消耗は8倍。凄く過酷な訓練って言ってたよ。」
全員が零の言葉に息をのんだ。
「あさま山荘事件の現場も夜間はマイナス20度になって、機動隊の人ら凍傷にかかったり、土嚢作るためのシャベルを素手で握ったら金属の柄に手がくっついたりしたっていう話もあるもんなぁ…」
隼がぽそりとつぶやいた。
「まあ、要綱が正しくて、隼の予想があってるとするならば、それなりの準備はしとかなあかんやろ。そもそもマイナス30度で電動ガンって使えるんか?バッテリーの耐寒対策もせなあかんやろ。
もちろん、俺らの装備もやけどな。隼、そこらへんはどないやねん?」
と屠龍が問いた。
「せやな、ガスガンはまずアカンし、電動ガンのバッテリーもそこまでは想定してないと思うから、普通に考えたら寿命は通常時の数分の一、電圧も下がるやろうから飛距離もめちゃくちゃ下がると思うわ。
一度、実験棟の業務用の冷凍庫でマイナス18度に銃を冷やして試してみる必要はあるやろな。後は、電熱服や発汗速乾のウエアなんかも準備が必要やな…。」
「うーん、赤貧高校生には酷な課題やのう。」
「そこは、知恵と工夫で何とかやっていくしかあれへんわな。対策なしに参戦したら、それこそ、「冬戦争」の時のソ連軍になってしまうで…。」
「あぁ、フィンランド軍のマンネルヘイム司令官が発案してシモ・ヘイヘらが実行した、ソ連軍の行軍の先頭と最後の車両を動けへんようにしたら、あとは銃弾1発も使わんでも、みんな凍死したっちゅう「モッティー作戦」やな。」
皆が黙ってしまった。隼が更に話を続けた。
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