突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第1章「国内大会編」~

たぬ吉R&D&P

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第1章

1-30「合宿」

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「合宿」
 シャワーを浴び、着替えをすますと、彗星の腕を振るった料理に舌づつみをうった。高たんぱくで低脂質、かつ適度な塩分を補給した味と栄養バランスを両立させた料理は店で出してもおかしくないレベルのものだった。
(あー、彗星先輩のお料理はパーフェクトだべな!きっと将来いい奥さんになるんだべ。私も先輩みたいに上手にお料理ができるようにならないとダメだべな…。)

 今日の下膳当番の零は隼と紫電と一緒に炊飯棟で食器を洗いながらおしゃべりを楽しんでいた。
「隼先輩と零ちゃんは毎日、彗星の料理食べてたら、きっといい体になるんでしょうねー。普通の鶏のささみだとぱさぱさしがちなのに、タレの餡と合わせて、うまく味を調えてましたよねー。シチューはプロテイン入ってるんですよ!隼先輩も零ちゃんももう少し肉つけないと、長期戦になると後半ばててしまいますよ。」
「あぁ、紫電が言うことと同じことを、毎日、疾風から言われて、もう耳にタコができるわ。毎日、胸触られて、まだまだや!ってな…。食べても太れへん体質もあるっちゅうねん。」
「へー。隼先輩いくら食べても太らないって羨ましいですよ。今、世界の女の子の7割が隼先輩の事を羨んでますよ!
 まあ、私も食べても大きくならない方なんですけどねぇー。まだ15歳なんで、いつかは彗星先輩みたいに背も高くなって、体も「ぼん、きゅっ、ぼん」にって、あきらめてはないですけどねー。」
3人で笑った。

 3人がバンガローに戻ると、夜の10時になっていた。明日の予定は5時半起床で、6時からランニングと柔軟、第1匍匐、第2匍匐の基礎トレーニング。7時朝食で、片付けののち、8時半のサバゲー場オープンと同時にフリーの対抗戦に参加する予定となっていたが、寝る前にキャンプでお決まりの怪談を屠龍が始めた。
「このバンガローの床の下に「貞子」と同じ形の井戸があってな、この部屋に泊る女の子を丑三つ時になると、冥府魔道の世界に引きずり込もうとするんや。零ちゃんは気をつけときや!この霊は、声を出すとその場で呪い殺しにかかりよるから、黙って心の中「明日お供えしますので、今日のところは井戸にお帰り下さい」って5回言うんやで。一文字でも間違えた時点で、あの世に連れていかれるから気をつけるんやで。」
と話し、零をびびらせた。不安に思った零は「飛燕のおっちゃん」を探したが今日に限ってついてきていない。(あー、どうせ、屠龍先輩の冗談だべな…。でも、本当に出たらどうしたらええんだべ…。)
 
 午後10時半、明日に備えて3人ずつ「川」の字になって頭合わせの2列に並んで寝ることになった。
 零は一番奥で隣には彗星が寝ることになった。

 みんな昼間の疲れがあったのか、すぐに寝ついた。零は気持ちが高ぶってなかなか寝られなかった。時々、壁に頭や足がぶつかる音がして、その度、「痛てっ!、「あ痛っ!」と疾風の声がする。(あー、疾風部長、寝相が相当悪いんだべな…。部長と対角線上に離れててよかっただべ。隣に寝てる紫電先輩はちょっとかわいそうだべ。)数十分の間、「がつん」、「ごつん」との音が気にはなったが、そのうちに零も寝袋の中で疲れからの深い眠りに落ちて行った。


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