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第1章
1-45「決勝前日の作戦会議」
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「決勝前日の作戦会議」
「第1回全国サバゲーチーム最強決定戦「バトルロワイアル2022in大阪」の決勝を明日に控え、門工サバゲー部のメンバーは、部室に集まっていた。
決勝で対決する「元陸上自衛隊レンジャーチーム」の過去のゲーム映像を繰り返し見ていた。
「本当に強いなー。全く勝てる気がせんわ…。対物ライフルを普通のアサルトみたいに振り回しよるし、連携は完璧や。個々のフィジカルもテクニックも別格や。さすが、日本が世界に誇る陸上自衛隊レンジャーやな。退官したとはいえ、全く衰えてへん。
どうや、屠龍、隼、なんか作戦は思いついたんか?」
「せやな、隼とこのビデオを何十回も見て考えたけど、感想は疾風と同じや。隙が全く見えへん。「固まって良し」、「ばらけて良し」で俺らが勝てる可能性は、「運」だけやな…。」
「いや、俺はそうとは思えへん。邪道な手やけど、ひとつ打てる手はあると思う。」
全員の視線が隼に集中した。隼がエクセルで作成した表をテーブルの上に広げた。メンバーのキルレシオが一覧表になっている。
圧倒的に「零」のスコアが突出している。被弾履歴は、予選の1,2回戦の後は「0」であることが赤字で示されている。表から目線を隼に向けて疾風が聞いた。
「隼、お前の言う「邪道」な手いうのは、何なんや?」
「あぁ、一つ目は、疾風や屠龍がプライドを捨てられるかにかかってくるんやけど、「零ちゃん」を「主」にしたチーム編成にする「5人デコイ」作戦や!」
「はー、5人デコイ!零ちゃん以外、俺らは全員「おとり」ってか?それは、少し情けなすぎて涙が出てしまう作戦やなぁ?」
屠龍が大きな声を上げた。疾風も屠龍の隣で大きく頷いている。
「思った通りの反応やったな。そりゃ、3年の俺らが1年の零ちゃんに縋(すが)らなあかんのは、情けないし、かっこ悪いわな。
ただ、必要なのはデータに基づいた作戦立案であって、「意地」や「プライド」やない。とにかく、7試合9ゲームで被弾は最初の2試合だけ。あとの7ゲームは30キルで被弾0や。
俺らのチームのビデオも改めて見た。零ちゃんの狙撃が映ってたもんだけでも撃ち下ろしでは50メートルをヒットさせてるし、水平射撃でも30メートルやったらほぼ必中や!冷凍倉庫でも30メートルで9人にヒットさせてた。
まあ、何が凄いかって言うと、3回戦以降、一度も危ない目に遭ってへんねや。危険予知能力がすごいんか、相手に気づかれる前に必殺で行ってるんか…。おそらくその両方やろう。」
「えっ、零ちゃん、冷凍庫では15メートルで背後からヒットさせたって言うてたやん?」
疾風が驚いて零に問いかけた。(あちゃー、ばれてしまってるずら。でも、リュドミラさん、クリスさんにヘイヘ先生に手伝ってもらってるとは言えないし…、どうしたらいいんだべ…)零は、黙りこくった。
彗星と紫電がすかさず助け舟を出した。
「零ちゃんは、優しいから、疾風部長や屠龍副長に遠慮してたんやろ。自分を好いてる男二人に「自分の方が優れてる」って主張せえへん、「大和撫子」の鏡やからなぁ!」
「そうそう、3回戦のラストで対物ライフルのやつ撃ったときも、連射やなかった。とにかく、無駄玉を打つことなく、確実にヒットさせる腕があるのは間違いない。
俺は隼君の案に賛成やな。」
彗星と紫電の二人が隼の作戦に賛同した手前、疾風と屠龍も折れざるを得なかった。隼は、決勝の作戦のシミュレーションを示した。全員が零を基軸とするフォーメーションを確認した。
最後に、隼が気になることを一つ呟いた。
「決勝相手の行動で、一つだけどうしても理解できへんもんがあるんやけど、話半分で聞いたってくれるか?
相手チームのキャプテンの安倍選手って、京都出身なんやけど、自衛隊退官した後、実家の神社の神官やってるねん。
ほとんど、今までの試合は、相手チームは何もさせてもらわれへんで短時間でゲームを終わらせてきてるねんな。何か、「先読み」というんか「予測カン」言うんか、いい表現ができへんねんけど、こう言うしかない…。「超能力」的な…。」
「第1回全国サバゲーチーム最強決定戦「バトルロワイアル2022in大阪」の決勝を明日に控え、門工サバゲー部のメンバーは、部室に集まっていた。
決勝で対決する「元陸上自衛隊レンジャーチーム」の過去のゲーム映像を繰り返し見ていた。
「本当に強いなー。全く勝てる気がせんわ…。対物ライフルを普通のアサルトみたいに振り回しよるし、連携は完璧や。個々のフィジカルもテクニックも別格や。さすが、日本が世界に誇る陸上自衛隊レンジャーやな。退官したとはいえ、全く衰えてへん。
どうや、屠龍、隼、なんか作戦は思いついたんか?」
「せやな、隼とこのビデオを何十回も見て考えたけど、感想は疾風と同じや。隙が全く見えへん。「固まって良し」、「ばらけて良し」で俺らが勝てる可能性は、「運」だけやな…。」
「いや、俺はそうとは思えへん。邪道な手やけど、ひとつ打てる手はあると思う。」
全員の視線が隼に集中した。隼がエクセルで作成した表をテーブルの上に広げた。メンバーのキルレシオが一覧表になっている。
圧倒的に「零」のスコアが突出している。被弾履歴は、予選の1,2回戦の後は「0」であることが赤字で示されている。表から目線を隼に向けて疾風が聞いた。
「隼、お前の言う「邪道」な手いうのは、何なんや?」
「あぁ、一つ目は、疾風や屠龍がプライドを捨てられるかにかかってくるんやけど、「零ちゃん」を「主」にしたチーム編成にする「5人デコイ」作戦や!」
「はー、5人デコイ!零ちゃん以外、俺らは全員「おとり」ってか?それは、少し情けなすぎて涙が出てしまう作戦やなぁ?」
屠龍が大きな声を上げた。疾風も屠龍の隣で大きく頷いている。
「思った通りの反応やったな。そりゃ、3年の俺らが1年の零ちゃんに縋(すが)らなあかんのは、情けないし、かっこ悪いわな。
ただ、必要なのはデータに基づいた作戦立案であって、「意地」や「プライド」やない。とにかく、7試合9ゲームで被弾は最初の2試合だけ。あとの7ゲームは30キルで被弾0や。
俺らのチームのビデオも改めて見た。零ちゃんの狙撃が映ってたもんだけでも撃ち下ろしでは50メートルをヒットさせてるし、水平射撃でも30メートルやったらほぼ必中や!冷凍倉庫でも30メートルで9人にヒットさせてた。
まあ、何が凄いかって言うと、3回戦以降、一度も危ない目に遭ってへんねや。危険予知能力がすごいんか、相手に気づかれる前に必殺で行ってるんか…。おそらくその両方やろう。」
「えっ、零ちゃん、冷凍庫では15メートルで背後からヒットさせたって言うてたやん?」
疾風が驚いて零に問いかけた。(あちゃー、ばれてしまってるずら。でも、リュドミラさん、クリスさんにヘイヘ先生に手伝ってもらってるとは言えないし…、どうしたらいいんだべ…)零は、黙りこくった。
彗星と紫電がすかさず助け舟を出した。
「零ちゃんは、優しいから、疾風部長や屠龍副長に遠慮してたんやろ。自分を好いてる男二人に「自分の方が優れてる」って主張せえへん、「大和撫子」の鏡やからなぁ!」
「そうそう、3回戦のラストで対物ライフルのやつ撃ったときも、連射やなかった。とにかく、無駄玉を打つことなく、確実にヒットさせる腕があるのは間違いない。
俺は隼君の案に賛成やな。」
彗星と紫電の二人が隼の作戦に賛同した手前、疾風と屠龍も折れざるを得なかった。隼は、決勝の作戦のシミュレーションを示した。全員が零を基軸とするフォーメーションを確認した。
最後に、隼が気になることを一つ呟いた。
「決勝相手の行動で、一つだけどうしても理解できへんもんがあるんやけど、話半分で聞いたってくれるか?
相手チームのキャプテンの安倍選手って、京都出身なんやけど、自衛隊退官した後、実家の神社の神官やってるねん。
ほとんど、今までの試合は、相手チームは何もさせてもらわれへんで短時間でゲームを終わらせてきてるねんな。何か、「先読み」というんか「予測カン」言うんか、いい表現ができへんねんけど、こう言うしかない…。「超能力」的な…。」
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