突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第2章「ウクライナ戦場編」~

たぬ吉R&D&P

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突撃!門工サバゲー部2!

2-6「交渉の余地は無い」

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「交渉の余地は無い」
 隼とモロゾフ大尉の交渉は、あっけなく終わった。モロゾフ大尉が取り出した、サバゲー部6人の署名の入った用紙にみんな覚えがあったからだ。(あの、パーティー会場で「急ぎで書いて下さい。」と言われて書き込んだ「同意書」そのものだべ。私らみんな騙されてウソの書類にサインさせられたんだべな…。そして、ルームサービスの料理食べて気を失って、ここに連れてこられたんだべ…。あー、お母さん、どうしたらいいんだべ…。)零は天を仰いだ。

 あきらめ顔でうろたえる門工サバゲー部の6人に対し、いたって冷酷に、モロゾフ大尉は
「交渉の余地は無い。拒否するのであれば、敵前逃亡で即銃殺。我々としては、優秀な兵士を買い入れたに過ぎない。コストがかかっている分、君たちには期待してるよ。
 まあ、今日一日はゲストとして迎えよう。明日の朝から二日間は、OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)で実戦での研修に入るから、ゆっくり休んでください。」
とだけ言い、兵舎の一室に6人を連行した。

 殺風景な部屋には2段ベッドが4台と中央にミネラルウォーターのパックケースと数冊のファイルがのった小さいテーブルと8脚のパイプ椅子があるだけだった。
 疾風がファイルを手に取ると、それは「AK-47」と「RPG-7」の使用マニュアルだったがロシア語で書かれているため、隼以外には読めないものだった。
「あーあ、ほんまにここはウクライナなんか?大会主催者のドッキリとちゃうんかいな?」
ベッドの下の段に乱暴に腰を下ろし屠龍がぶっきらぼうに言った。
「隼先輩、さっきのモロゾフ大尉の話ってなんやったんですか?私ら、何話してるんかなんもわからへんかったから、教えてくださいよ。」
「そうそう、さっき50キルとかチームで300キルって言ってたけど、まさかここでサバゲーするわけやないんでしょ?」
 彗星と紫電が隼に尋ねた。

 「あぁ、モロゾフ大尉の言う「キル」は「ほんまもんのキル」や。ウクライナ兵を300人殺ったら契約終了で解放したるってさ。もう無茶苦茶やわなぁ…。」
「えっ、隼先輩それを分かってて言い返せへんかったんですか?」
「うっ、うん。なんも言われへんかった。めちゃくちゃ冷たい目で「交渉の余地は無い。皆は契約書にサインしてるんだからな。」って言われたら、それ以上はなんも言われへんかった…。」
隼はうつむいて黙り込んだ。
「まあ、隼を責めんといたってくれよ。そもそも俺ら誰もロシア語なんかわからへんねんから、隼がおらんことには今の状況もわからへんかってんからな。
 まあ、あのパーティー会場に傭兵契約を請け負うブローカー的なものがおって、大会優勝者の俺らが目をつけられてしまったってことや。
 今の俺らにできることは2つや。「やつらに従う」か「あがらう」かやな。みんなの意見はどうや?」
疾風が場を取り仕切った。

 屠龍が真っ先に発言をした。
「俺らがやってるのは、あくまでゲームであって、本物の人殺しの訓練なんか受けてへん。
 ここは、すきを見てトンズラやろ!なぁ、みんなもそない思うやろ?」
慌てて、隼が口を挟んだ。しゃべりながら、テーブルで手帳に何かを書き込んでいる。
「いや、ここはロシア軍に従うべきや。逃げ切れるはずもないし、生き残るにはウクライナ軍と戦うしかない。」
と隼らしくない交戦的な意見に5人の表情が曇るが、隼がふと出したメモに、
「もしかしたら「盗聴器」があるかもしれん。否定的なことは言うな。ここからは筆談で!」
とあり、納得した。


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