突撃!門工サバゲー部!~ウクライナを救った6人のミリオタの物語 第2章「ウクライナ戦場編」~

たぬ吉R&D&P

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突撃!門工サバゲー部2!

2-10「追跡」

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「追跡」
 3分で疾風が零と彗星を連れて戻ってきた。二人を降ろすとすぐにバイクを走らせ屠龍と隼を連れて戻ってきた。彗星と零は真っ白になって50リットルの窯に小麦粉とコーンスターチと卵をどんどん放り込んで紫電がそれを混ぜていた。
「すんません、屠龍副長、そこの水タンクの水みんなこの中に注ぎ込んでください!」
「紫電、何のんびり飯作っとんねん!すぐに逃げなあかんのとちゃうんか?」
「いや、彗星の発案で、誰も傷つけずに逃げるための作戦なんです。隼先輩は、6輪トラックのタイヤのエアバルブを全部抜いて土でも詰めてください。疾風部長は、其処らに残ってる武器をR-149の後部キャビンに積み込んでください。」
 良くわからないままに紫電の指示に3人の3年生は従った。

 「彗星、生地の濃さはこんなもんでええか?」
「うん、こんなもんやな。じゃあ、副長、この鍋を戦車の後ろに持って行って、柄杓でエグゾーストパイプとエアクリーナーの中に思いっきりぶち込んでください。零ちゃん、隼さんは私と6輪トラックの荷台に来てください。」
 彗星の指示で、頭をひねったまま、作業に入った。6輪トラックからは、ラードの一斗缶とサラダ油とマーガリンがR-149に積み替えられた。
「隼さん、あとはテーションの箱とミネラルウォーターとウォッカがあれば追加で積み込みお願いします。副長は作業はどうですか?」
「おう、一台は終わった。もう一台もあと少しや!それにしてもなんやねんこれ?」
「説明はあとあと!部長が集めた武器の中に手りゅう弾はありましたか?」
「いや、あれへんかった。古いアサルトライフルが5丁とRPGが2門、弾が4発くらいや。」
「わかりました。RPGの弾の信管外しておいてください。あとガムテープはありますか?」
「テープ類はガムテープもビニールテープもようさんあるで。補修用のアルミテープもあるわ。」
「じゃあ、それも積み込んでおいてください。」

 ガロロロロロ、遠くからディーゼル音が近づいてきた。紫電が耳を澄ませ
「あの音はGAZ2330ティグレ―やな!やつら、戻ってきよったみたいや!」
と叫んだ。屠龍の作業も終わった旨、声がかかった。紫電が運転席で叫んだ。
「じゃあ、みんな乗り込んで!撤収しますよ!」
「おい、このバイクも屋根でええから積んでくれ!50キロほどの重さやから上で引き上げてロープ掛けてくれ!」
疾風がバイクを担ぎ上げた。
 GAZ2330が基地の入り口に停まると、3人の歩兵と8人の戦車兵が降りてきた。アクセルを吹かし紫電はR-149MA1を発進させた。
「ストーイ(※止まれの命令形)!」
と銃を向けられた。
「彗星、零ちゃん、後部ハッチを閉じて!」
と紫電から言われ、慌てて閉めた。その閉めた鉄製のハッチから「カンカン」という金属が弾ける音が車内に響いた。(あー、あと1秒遅れてたら、車内にライフル弾が飛び込んでたんだべな。危機一髪だったべ。後は、うまく戦車の足止めができればいいんだけど大丈夫ずらか?)

 車外後部から、ひときわ大きなディーゼルエンジン音が響いた。台数は2台。キュラキュラキュラとキャタピラ音も聞こえてくる。(えー、エンジンかかってしまったずらか?彗星先輩の秘策は不発だったんだべか?)一気に零は呼吸がつらくなり、心臓が締めつけられた。(大砲にあたったらお終いだべ…。紫電先輩、おねげえしましだよ!)零は両手を顔の前で合わせ祈った。
 R-149が90度右に曲がった瞬間、後ろで砲弾の炸裂音とビルの倒壊音が響いた。後部監視モニターを見ていた疾風が叫んだ。
「125ミリの榴弾や。距離800。直線で重ならんようにせえよ!敵T-72回頭するぞ、紫電曲がれ!あー、軸線に入った!」
紫電が今度は左にハンドルを切った。長い直線路が目の前に広がった。アクセルを深く踏み込み、排気音が一段と上がる。
「舗装路での直線スピードはこちらに分がある!ここで少し距離を稼ぐで!彗星、発進して何分や!」
「今で3分!今こっちの筒内温度は何度や?」
「こっちでは摂氏90度!」
「よっしゃ、あと1分逃げ切って!排気量のでかい戦車の方が先に温度が上がるはずや!もうすぐ、敵は動かれへんようになる!」

 「おいおい、お前ら二人、何の話してんねん。こっちから何も攻撃してへんのに、なんでT-72が走行不能になるねん!」
疾風が二人に聞いた。
「あぁ、部長は、副長と隼先輩の送迎と武器の積み込みやってたんでしたね。零ちゃんと紫電と一緒にホットケーキの素を作って、屠龍先輩にエアクリーナーとマフラーにたっぷり詰めてもろたんですよ!
 卵もいっぱい入れてるから80度越えたら、焼けて膨らんで、吸気も排気もできへんようになるはずなんです。エンジンの前後でパンケーキが詰まる手法です。昔、悪戯系ユーチューブでやってたんですよ!」
どや顔で彗星が言うと、疾風が納得する前に叫んだ。
「T-72との距離、1200。二台並走したぞ。曲がれ!」
再び急ハンドルで右にR-149が旋回した。後方で2発の炸裂音が響いた。車内で転がった零を屠龍が抱き留めた。その右手の手のひらが再び正面から零の胸に当たり、零は真っ赤になったが爆発音に驚き屠龍に抱きついた。
「零ちゃん、大丈夫か?頭打ってへんか?」
優しい屠龍の声を頭の後ろで聞きながら、不思議と恐怖は感じなかった。




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