17 / 127
第五章 新しい出会い
17本目
しおりを挟む
「早く職人を教えなさい……わたし、この食器とても気に入りました」
「お嬢様、いけません」
何やら売り場の方で揉めているよう? 察するに貴族のお嬢様っぽい人が内の商品を作った職人の情報を聞き出そうとしている? 一体どの商品……ってわたしの作ったやつだ!!
なんだか関わるのが面倒くさそうな感じだな~これは出て行かない方が良いよね?
「申し訳ございませんが、こちらを作った者はトルア領のザート様自らが支援を行っている職人なのです。
勝手な真似をするのはザード様への不義理となりますので、どうか正式な手順を踏んでから改めてお越し頂くようお願い致します」
お父さんが相手に敬意を払いつつも毅然としてお断りを入れている。
大丈夫かな? この世界の貴族様は無礼打ちとかしないって聞いたけど……もしも危ない事があったら木の力で何とかしなきゃ……って、土が無い場所では使えないよ!!
「まぁ、しかたがありませんね……今日のところは帰るとします」
「お騒がせ致しました……ああっ、お嬢様、お待ちください」
そんな心配を余所に金髪お嬢様は去って行く……そのうしろを執事が謝罪の後に慌てて追いかけていった。
「お父さん、大丈夫!?」
「ああ、心配はいらないよアーリャ。こういう事があると思って領主様に後ろ盾をお願いしてあったんだ」
「そうなの? じゃあ、支援を行っているって……」
「もちろん、嘘も方便さ……いくつか食器をお納めして口裏を合わせて貰えるようお願いしてあるのさ」
さすがお父さん、こういう事態を予想していたんだね……わたしなんて考え無しに作っちゃったから……って事は、この紙もマズいのかな?
「これが新しい商品……これは紙!? 何て白さだ!? これもアーリャが作ったのかい?」
「う、うん、そんなに凄いかな?」
「こんなに白くて薄い……でも透けるほどでは無い紙なんて見た事無いよ。ううむ、また領主様にお願いする事が増えそうだな」
「あはは、よろしくお願いします」
「おお、ペンの乗りも良い……白い紙に黒いインクがよく映えるよ!! しかも滲みも殆ど無い!! あぁ、言われていた貝殻は追加で届くからね」
お父さんは新しい商品に夢中だ。
ちなみに貝殻は本来なら焼いて粉にして混ぜて紙を白くする原料にするんだけど、わたしのチート【加工】ではただ素材として消費されるだけなのだ。
よし、この調子でどんどん稼いでいくよ!!
アーリャブランドの第二弾もおかげさまで大好評となり、わたしは毎日食器と紙作りに励む事になるのだった……いやまぁ、そんなに時間掛からないで出来るんだけどね。
いちおう頑張って作っているポーズだけは取っていて、殆ど【光合成】がメインなのでした。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
今日、私はお使いに来ていた……さすがに末っ子とは言え大きなお店の娘なのでおつきの従業員がいたのだけど、お買い物を終えて従業員がお金を支払おうとわたしから目を離した瞬間それは起こった。
突然、後ろから布か何かを当てた手で口を塞がれ、そのまま抱き上げられたかと思うと一気に店の外に連れ出されてしまった……この間、まさに10秒の出来事!
外で待機している馬車に乗せられると、すぐにそれは走り出す。
うそ、まさかこれって誘拐!? 跡継ぎの長男を狙わずに末っ子のわたしを誘拐してどうする意味が分からないよ? やだ、怖い、わたしどうなっちゃうの!? 助けてまーくん!!
「もうよろしいわよ」
「はっ」
わたしの口元から手が離され椅子に降ろされると、初めて向かいの席に誰かがいる事に気付いた。
この娘、こないだの貴族のお嬢様!?
目の前には高そうな布を使った私服を身に纏った金髪のお嬢様が座っていた。この前は遠目にしか見ていなかったけど、わたしと同い年くらいじゃないの?
彼女はわたしをじっと見ると、やや高飛車な感じで話し始める……
「あなた、あの店の娘よね……ちょっと聞きたい事があるわ」
「お嬢様、いけません」
何やら売り場の方で揉めているよう? 察するに貴族のお嬢様っぽい人が内の商品を作った職人の情報を聞き出そうとしている? 一体どの商品……ってわたしの作ったやつだ!!
なんだか関わるのが面倒くさそうな感じだな~これは出て行かない方が良いよね?
「申し訳ございませんが、こちらを作った者はトルア領のザート様自らが支援を行っている職人なのです。
勝手な真似をするのはザード様への不義理となりますので、どうか正式な手順を踏んでから改めてお越し頂くようお願い致します」
お父さんが相手に敬意を払いつつも毅然としてお断りを入れている。
大丈夫かな? この世界の貴族様は無礼打ちとかしないって聞いたけど……もしも危ない事があったら木の力で何とかしなきゃ……って、土が無い場所では使えないよ!!
「まぁ、しかたがありませんね……今日のところは帰るとします」
「お騒がせ致しました……ああっ、お嬢様、お待ちください」
そんな心配を余所に金髪お嬢様は去って行く……そのうしろを執事が謝罪の後に慌てて追いかけていった。
「お父さん、大丈夫!?」
「ああ、心配はいらないよアーリャ。こういう事があると思って領主様に後ろ盾をお願いしてあったんだ」
「そうなの? じゃあ、支援を行っているって……」
「もちろん、嘘も方便さ……いくつか食器をお納めして口裏を合わせて貰えるようお願いしてあるのさ」
さすがお父さん、こういう事態を予想していたんだね……わたしなんて考え無しに作っちゃったから……って事は、この紙もマズいのかな?
「これが新しい商品……これは紙!? 何て白さだ!? これもアーリャが作ったのかい?」
「う、うん、そんなに凄いかな?」
「こんなに白くて薄い……でも透けるほどでは無い紙なんて見た事無いよ。ううむ、また領主様にお願いする事が増えそうだな」
「あはは、よろしくお願いします」
「おお、ペンの乗りも良い……白い紙に黒いインクがよく映えるよ!! しかも滲みも殆ど無い!! あぁ、言われていた貝殻は追加で届くからね」
お父さんは新しい商品に夢中だ。
ちなみに貝殻は本来なら焼いて粉にして混ぜて紙を白くする原料にするんだけど、わたしのチート【加工】ではただ素材として消費されるだけなのだ。
よし、この調子でどんどん稼いでいくよ!!
アーリャブランドの第二弾もおかげさまで大好評となり、わたしは毎日食器と紙作りに励む事になるのだった……いやまぁ、そんなに時間掛からないで出来るんだけどね。
いちおう頑張って作っているポーズだけは取っていて、殆ど【光合成】がメインなのでした。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
今日、私はお使いに来ていた……さすがに末っ子とは言え大きなお店の娘なのでおつきの従業員がいたのだけど、お買い物を終えて従業員がお金を支払おうとわたしから目を離した瞬間それは起こった。
突然、後ろから布か何かを当てた手で口を塞がれ、そのまま抱き上げられたかと思うと一気に店の外に連れ出されてしまった……この間、まさに10秒の出来事!
外で待機している馬車に乗せられると、すぐにそれは走り出す。
うそ、まさかこれって誘拐!? 跡継ぎの長男を狙わずに末っ子のわたしを誘拐してどうする意味が分からないよ? やだ、怖い、わたしどうなっちゃうの!? 助けてまーくん!!
「もうよろしいわよ」
「はっ」
わたしの口元から手が離され椅子に降ろされると、初めて向かいの席に誰かがいる事に気付いた。
この娘、こないだの貴族のお嬢様!?
目の前には高そうな布を使った私服を身に纏った金髪のお嬢様が座っていた。この前は遠目にしか見ていなかったけど、わたしと同い年くらいじゃないの?
彼女はわたしをじっと見ると、やや高飛車な感じで話し始める……
「あなた、あの店の娘よね……ちょっと聞きたい事があるわ」
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる